導線設計と強みの言語化で成果を出す。AI時代に問われる最後の判断力
Web制作、AI活用支援・システム開発の企画、Webマーケティングを手がける株式会社JOB SOLUTION。代表の相内直也さんが一貫して追ってきたのは「成果」です。どんなにお金をかけたサイトでも、見た人が動かなければ意味がありません。その信念のもと、クライアントの課題の本質を見抜き、成果を出すことにこだわってきました。問い合わせを3倍に伸ばしたサイトリニューアル、建設現場の課題に応える新サービス──実績の裏にある、相内さんの考え方、仕事やAIへの向き合い方を伺いました。
12歳でのホームページ制作が原点。数字と向き合う経験で成果主義の事業スタイルに
これまでのキャリアを教えてください。
Web業界との出会いは12歳の頃、オンラインゲーム内のチームを紹介するホームページを作り、仲間たちに喜ばれた体験にさかのぼります。「作ったもので人が喜んでくれる」という原体験が、この仕事への入口でした。
高校卒業後は広告代理店に就職し、Web制作や紙媒体に幅広く携わりました。「広告を売って成果が出るかどうかまでは把握できない」というスタイルが自分が求める仕事のあり方ではないと感じるようになりました。
次に転職先に選んだのが、Web広告やSEOの競争が非常に激しい買取業界です。インハウスデザイナーとして入社し、一つの事業の売上を伸ばすことに6年間徹底して取り組みました。否が応でも成果として出てくる「数字」と向き合い続けたこの時期の経験が、現在の事業スタイルの土台となっています。
会社を立ち上げようと踏み切ったきっかけは何でしたか?
20歳頃から独立したいという気持ちはありましたが、タイミングをずっと迷っていました。背中を押してくれたのが2020年のコロナ禍です。リモートワークが普及し、距離に関わらず仕事ができる環境が整ってきたことで、「場所を問わず実力で評価してもらえる」と考え、株式会社JOB SOLUTIONを設立しました。実際に現在のクライアントは、地元の北海道よりも東京の企業が多く、リモートならではの広がりを実感しています。
広告代理店時代から、「技術も情熱もあるのに世の中に伝わっていない企業がたくさんある」と感じていました。そうした企業の力になりたいという思いが今も変わらない原動力です。
導線の設計と強みの言語化で「成果を出すサイト」へ

現在の主要事業と、JOB SOLUTIONならではの特長を教えてください。
主要事業はWeb制作、AI活用支援・システム開発の企画、Webマーケティングの3本柱です。ただ、Web制作といってもホームページを作って納品して終わりという関わり方はしていません。クライアントの事業が継続的に成長していくことを最優先に考え、「従業員の一員になったつもりで事業をバックアップする」スタンスで向き合っています。
取引先との出会いはどのように生まれているのですか?
最初は紹介から始まりましたが、その後はすべてネット集客です。基本的に積極的な営業活動を行わず、自分たち自身がネット集客で結果を出すことにこだわっています。そこは自分の誇りでもあります。
成果にこだわるために、制作で特に大切にしていることは何ですか?
「誰に、何を伝え、どのように行動させたいか」、この点を徹底的に考えることです。どんなにデザインが洗練されたサイトでも、ターゲットが動かなければ意味がありません。逆に言えば、デザインがシンプルでも、迷わず問い合わせや購入に進める動線が設計されていれば、それが最善のサイトなのです。
そのために特に重要視しているのが、事業の強みを言語化することです。言葉は大きな武器になります。自分では当たり前のことも、第三者に伝わる言葉で表現できているかどうかは別の話です。同業他社の市場調査も交えながら事業を多角的に分析し、クライアント自身が言語化しきれていない強みを引き出すことを徹底しています。
特に成果が顕著に表れた事例があれば教えてください。
外壁工事会社のホームページをリニューアルした際は、検討者がまず見たいと思うであろう施工事例を最も目立つ形で見せることを優先し、シンプルな構成を採用しました。3カ月後には問い合わせ件数が3倍に増加し、施工依頼が増えすぎて受けきれない状態になるほどでした。技術力は本物なのに伝わっていなかった、というケースを言語化と設計の力で解決した結果です。
また、創業当初からSEO支援をしてきたジビエ料理店の例では、「ジビエ料理」という言葉の検索がほとんどない時期から地道にSNSでの発信を続けてきました。ジビエという言葉の認知が高まるにつれ、物産展への出展、メディア露出へと展開を広げ、現在では「札幌 ジビエ」の検索上位をキープし、AI検索においても、関連情報として表示されるケースが見られます。

現場の声から生まれた建設業のDX
新しいサービスを準備中とのことですが、どのような内容でしょうか?
「イレトル」という、建設業向けの施工管理報告書作成サービスです。建設現場では施工前・施工中・施工後の変化を写真で記録し、報告書にまとめる業務がありますが、忙しい現場では膨大な手間と時間がかかっていました。
「イレトル」は、職人さんがLINEのような感覚で写真を撮影・共有でき、管理者は必要な写真の指示を出すだけで、報告書作成を大幅に効率化できる仕組みです。人手不足が深刻化するなかで、現場管理者の大きな負担となっていた業務を、シンプルな操作で効率化することを目指しています。なお、「イレトル」はAIを一切使っていません。建設現場においては、AIに判断を任せることよりも、職人さんが迷わず写真を撮影でき、管理者が適切に指示・確認できる仕組みを作ることが重要だと考えています。AIを導入すると運用コストも上がるため、中長期的に見て企業側のメリットが薄いと判断しました。
建設業向けのサービスを開発しようと思ったきっかけは何だったのでしょうか?
建設現場でよく聞く悩みのひとつに、「横向きで写真を撮るという指示に対して、縦向きで撮られてしまう」というものがあります。通常縦で撮ることに慣れてしまっているので、つい癖で縦になってしまうのでしょう。「そんなこと?」と思うかもしれませんが、ただでさえ人手不足で体力的にもきつい現場です。スマートフォンの持ち方にまで気を配り続ける余裕はありません。ならば、スマホを縦に構えたらシャッターボタンが押せない仕組みにすればいい。そこから着想を広げていきました。現在、システムはほぼ完成しており、今後展開していく予定です。
「なんでもAIに任せればいい」は違う。最後の判断は人が担うべき仕事の領域
AIに対しての考え方を教えてください。
AIはものすごい勢いで進化していて、すでに多くの業務がAIに置き換わり始めています。弊社でもAI関連の事業に積極的に取り組んでいますが、一方で「なんでもAIに任せればいい」という発想は持っていません。AI導入によって運用コストが上がり利益が伴わなくなるケースもありますし、AIに頼りきってしまい、自分で判断する力が育ちにくくなる運用は、長期的に見て慎重に考えるべきだと感じています。クライアントからAI導入を相談されても、精査したうえで「この業務にはAIを使わない方がよいです」とお伝えすることもあります。
人が担い続けるべき仕事とはどのようなものだとお考えですか?
AIに任せた結果、重要な判断を自分で下せる人がいなくなる。それが最も避けるべき状態だと思っています。効率化できる部分はAIを活用しながらも、判断の最後は人が行う。その役割分担を適切に設計することが、真のAI活用だと考えています。

検索の本質は変わらない。AI時代のWebマーケティングと今後の展望
AI検索の普及が進むなかで、Webマーケティングへの影響をどう見ていますか?
SEOやMEOといった検索対策は今も重要で、AIO(AI Optimization:AI最適化)やLLMO(Large Language Model Optimization:大規模言語モデル最適化)が浸透しても不要になるわけではなく、それぞれに対応していくことが大切だと考えます。ただ、どの手法においても本質は変わらず、「正確な情報を、伝えたい相手に届ける」という点は共通して重要です。AI検索への対応を意識するあまりに伝えたい内容を変えてしまっては、本来の目的を見失ってしまいます。伝えるべき情報の軸をぶらさないことが、手法が変わっても通用するWebマーケティングの本質だと考えています。
展望を教えてください。
Web・マーケティングにとどまらず、新事業の構想から業務改善まで幅広く相談できる「事業全般のパートナー」を目指しています。「相談しやすい」と言っていただくことが多いのですが、さまざまな業界の知識や事例を蓄積してきたからこそだと感じています。建設業や飲食店、医療など地域に根ざした事業を展開する企業に深く関わりながら、自治体の魅力発信などにも取り組み、より多くの企業の力になっていきたいと考えています。
Web・クリエイティブ業界を目指している方へのメッセージをお願いします
クリエイティブにおける作業価値は、AIによって今後下がっていくでしょう。単に早くきれいなものを作ることなら、AIの方が強いのは当たり前です。仕事そのものがなくなるとは思っていませんが、より実力主義の世界になるのは間違いない。課題をどう解決するかを考え、自分の意見を持ち、それを設計に落とし込める人材が求められる時代になります。感情や経験といったAIが苦手とする領域を磨き続けることが、この業界で生き残っていく力になるはずです。
取材日:2026年5月14日 ライター:小山 佐知子
株式会社JOB SOLUTION
- 代表者名:相内 直也
- 設立年月:2020年8月
- 資本金:300万円
- 事業内容:Web制作/AI活用支援・システム開発の企画・PM/クリエイティブ制作(動画・印刷物)/Webマーケティング(SEO・MEO・LLMO・AIO・SNS・求人広告)
- 所在地:〒063-0804 北海道札幌市西区二十四軒4条5丁目1-8 SAKURA-KOTONI
- URL:https://jobsolution.jp/
- 工事写真帳DXイレトル:http://iretoru.net/
- お問い合わせ先:070-1537-4232






