WEB・モバイル2026.07.01

コーディングとデザインの融合。セミナー開催で岡山のWeb業界を底上げ

岡山
株式会社CODE54 代表取締役
Makoto Goto
後藤 誠

岡山市を拠点に、ホームページ制作・システム開発・動画制作・保守サポートという4つの事業を展開する株式会社CODE54。代表の後藤 誠(ごとう まこと)さんは独学でホームページ制作を始め、システムエンジニアとしての実務経験を積み起業しました。「デザインとコーディング、両方を高いレベルで提供できる会社を作りたい」という強い信念のもと、堅実に取引先を広げてきた後藤さん。「岡山WEBクリエイターズ」という勉強会コミュニティも自身で立ち上げ、岡山のWeb業界を盛り上げようと、60回以上開催されています。後藤さんに会社の強みや仕事にかける思い、Web業界の今後の展望をお聞きしました。

インターネット黎明期に芽生えた、コードとデザインへの興味

はじめに、立ち上げまでのキャリアを教えてください。

大学に入学したのが1995年で、ちょうどWindows95が登場してインターネットが世の中に広がり始めた時期でした。その流れに乗って、独学でHTMLとデザインを学びながら、個人ホームページを作り、ほかの人と交流するということを始めました。また、自身が立ち上げたサークルやバンド、友人や知人のホームページも作るようになりました。
大学院修了後、システム開発の会社に就職しました。私はシステムエンジニアとして主にWeb系の営業支援システムの開発を担当しており、在職中も、個人やバンドのホームページの制作は続けていましたが、あくまで趣味の延長での制作活動でした。

就職されてから、起業に至った経緯を教えてください。

実際に社会人になってから仕事としてWeb制作の現場に携わってみると、ある問題点が見えてきました。プログラムや開発を手がける会社は、どうしても見た目のデザイン面が弱く、デザイナーが在籍していないことも多いのです。一方で、デザイン会社にはシステムエンジニアがいないケースが多く、複雑なプログラム開発はできません。この両方の問題点を解決し、デザインとコーディングをワンストップで提供できれば、お客さまにより良いものをお届けできるはずだと考えました。
その思いから、2004年7月に個人事業としてCODE54を立ち上げます。何のあてもなくゼロからスタートでしたが、しっかりと継続することで信頼を獲得すれば、必ずお客さまの役に立てると信じて、自宅のコタツの上に置いたノートパソコン1台で起業しました。翌2005年7月には法人化し、2016年に自社ビルを建設。2025年には会社設立20周年を迎えることができました。

起業しようという思いはもともとお持ちだったのでしょうか?

小学校の卒業文集に「政治家か、会社の社長になる」と書いていました。子どもの頃から、自分で何かを作ったり、仲間をまとめたりすることが好きだったんです。電気工作で扇風機を作成したり、自分で漫画を描いたりしていましたね。友達との草野球では役割決めやチーム作りのようなこともやっていました。今やっていることも、会社というチームを作り、デザインというアートに携わり、システムを作る。振り返ると、ずっと同じことをやり続けていますね。

四本柱の事業と「デザイナー兼コーダー」という独自体制

現在の事業内容を教えてください。

大きく4つの事業を展開しています。1つ目がホームページ制作です。新規制作もありますが、比重としてはサイトリニューアルのお客さまの方が多いです。リニューアルを求めるお客さまは「もっと集客を上げたい」「採用につなげたい」「わかりやすいサイトにしたい」といった明確な課題をお持ちです。業種としては医療・介護・福祉系が多く、次いで製造業・工業系が多いですね。
2つ目がシステム開発で、社内の顧客管理や工事管理、スタッフ管理などをWebブラウザ上で動かすことができるアプリケーションの開発です。複雑な社内業務の効率化を行うためのシステムが多いためオーダーメイドが大半ですが、お客さまの業務をしっかりヒアリングして、利便性を高める形でシステムに落とし込んでいます。
3つ目が動画制作です。会社案内や採用PR動画が中心で、コロナ禍以降に需要が高まったタイミングで本格的に取り組み始めました。
4つ目が保守サポート事業で、制作・開発後のアフターフォローを提供しています。CMSの使い方のサポートや更新の代行、システムのバージョンアップなど、「作ってからが大事」という考え方をもとに力を入れている事業の一つです。

デザイナーがコーディングも担当されているとのことですが、社内の体制を教えてください。

現在は社員12人のうち、システムエンジニアが3人、そのほかはデザイナーです。弊社のデザイナーは他社と違い、デザインだけでなくコーディングも担当できるようになっています。つまり、「デザイナー兼コーダー」という形です。専任のコーダーという職種は設けていません。
デザイナーがコーディングの知識も持っているため、エンジニアとの連携がよりスムーズであると感じています。社内で意見交換しながら一緒に制作できることが、スピードとクオリティの両面で大きな強みになっています。
2009年にリーマンショックという大きな逆風にも直面しましたが、苦境の中で下請け依存から直受注へ、即戦力頼みから人を育てる組織づくりへ、と舵を切りました。試行錯誤の積み重ねが、現在につながっています。

自社サイトが最大の実績。コンサルティングの確固たる根拠

これまでのお仕事で印象に残っている案件があれば教えてください。

ホームページの制作費を開業3ヵ月ほどで回収できたというお客さまがいらっしゃいます。それは、SEOで早期に上位表示がされて、そこから受注につながったケースです。また、サイトリニューアルの翌日から採用応募が増えたという事例もありました。ほかにも200ページほどあった古いサイトを情報整理して120ページほどに圧縮し、ユーザーが迷わず目的のページにたどり着けるようになったという案件も印象に残っています。

ただ制作するだけではなく、一歩踏み込んでコンサルティングされている印象を受けます。

弊社は創業当初から、営業マン0人でホームページからの集客をメインに自社サイトを運営しています。県内の新規リード獲得では「ホームページ制作 岡山」で検索すると、上位3位以内に入るようにSEO対策を行っています。さらに県外向けにはWeb広告を自社運用し、新規受注につなげています。
弊社自身が自社サイトで結果を出しているからこそ、お客さまにも自信を持って同じ手法が提案できるのです。コンサルティングの根拠が自社の実績そのものなのです。
採用についても同様で、大手採用サイトには出稿せず、自社の採用情報ページを充実させることで新規の応募数を集めています。自社サイトに掲載している強みに共感して来てくれる方を採用することで入社後のミスマッチが減り、離職率の低下にもつながっています。

岡山のWeb業界を底上げしたい。個人として続ける地域活動

仕事以外でも、地域のWebクリエイターのために活動されていると伺いました。

「岡山WEBクリエイターズ」という勉強会コミュニティを個人として立ち上げ、会社の垣根を越えたメンバーで運営しています。2008年頃から県外のWeb系技術セミナーに参加するようになり、セミナーを岡山でも開催したいという思いが強くなり、2010年から定期開催を始めました。
約2ヵ月に1回のペースで続けてきたセミナーは、おかげさまで今年4月の開催でついに62回目を迎えました。コロナ禍の時期は一時中断しましたが、コロナ禍以降もリアルでの開催を続けています。オンラインセミナーに移行してリアル開催をやめてしまったセミナーも多い中、リアルな場でしか得られないつながりの大切さを感じているので、これからも続けていきたいと考えています。
技術的な知識の習得だけでなく、横のつながりから生まれる実例の共有や意見交換が、制作者としての質を高めてくれます。その先にいるお客さまのためにも、こういった場が岡山にも必要だと思っています。

AIが8割を作っても、残りの2割は人間にしかできない

最後に、クリエイターを目指す方やクリエイターとして活動する方へメッセージをいただけますか。

今の時代、AIの話は避けて通れません。AIはどんどん進化し、制作の多くの部分を自動化していくでしょう。その一方で、AIが仮に8割を作れるとしても、残りの2割は必ず人間が必要だと思っています。その2割とは、「お客さまが本当に求めていること」を読み取る力です。お客さまの業種や特性、さらにその先にいるエンドユーザーのことまで考えて、最終的な制作物に落とし込む。そこはAIだけでは実現できない人間の仕事なのです。
ものづくりへの純粋な思いを持ち続けながら、お客さまを深く理解することに向き合い続けてほしい。その姿勢があれば、必ず必要とされるクリエイターであり続けられると信じています。

取材日:2026年4月16日 ライター:川村 忠寛

株式会社CODE54

  • 代表者名:後藤 誠
  • 設立年月:2005年7月(創業2004年7月)
  • 資本金:1,000万円
  • 事業内容:ホームページ制作、システム開発、動画制作、保守サポート
  • 所在地:〒700-0973 岡山県岡山市北区下中野350-101 ファイブ・ジャンクション202
  • URL:https://www.code54.net/
  • お問い合わせ先:086-239-5454

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