WEB・モバイル2026.06.03

人とデータを繋ぎ、世界で使われるプロダクトを開発。「〇〇だったらいいな」の実現を目指す

広島
ダッタラ株式会社 代表取締役
Yuki Ishihara
石原 裕輝

「人とデータを繋ぎ、テクノロジーで世界をデザインする」をミッションに広島市を拠点に、最新のAI、デジタルツイン、因果推論など先端技術を駆使して、企業や社会が抱える複雑な課題の解決策を提供しているダッタラ株式会社。代表取締役の石原 裕輝さんは理学療法の分野を学びながら、インターンとして勤務したXR(クロスリアリティ)・メタバース業界のスタートアップの会社にてわずか2年で取締役COOを務めるまでになった異色の経歴を持ちます。2025年、ダッタラ株式会社を設立し、独立を果たし新たな一歩を踏み出した石原さんに、現在、そして未来への展望、若きクリエイターへの思いなどをお伺いしました。

医療の分野からビジネスの分野へ。マインドフルネスVRでビジコン最優秀賞を受賞

学生時代はどのような分野を学んでいたのですか?

大学では理学療法を学び、広島大学の大学院へ進学していました。 理学療法と聞くと一般的には、身体的なトラブルを解消するためのリハビリをイメージされるかと思いますが、実際にはメンタルヘルスにも効果的であるとされています。その分野で研究に取り組みたいと考えていました。
またWestern Norway University of Applied Sciencesというノルウェーの大学にも同時に籍をおいてメンタルヘルスの分野を学んでいました。

その後の進路はどうしたのですか?

修士課程を終えて広島大学の博士課程へと進み、ノルウェーの大学院プログラムも終え、自分自身の活動について模索し始めていました。研究テーマでもある精神疾患と理学療法についての講演会や学会などに参加しながら、もっと社会にインパクトを与えられる方法はないだろうか、と考えていました。

悶々と考える中、アプリを開発し、ビジネスコンテストに挑戦することになったのですね。

はい。アプリケーションやソフトウェアを自分で作ってみてはどうだろうかと試したときに、VR(仮想現実)という存在が世の中に登場したのです。メンタルヘルスに効果的なモノが作れるのではないかと思い立ち、マインドフルVRというアプリケーションを作りました。企業で働く人々に向けて、VR機器を用いて呼吸法や瞑想などで心を整えるマインドフルネスを提供するアプリです。このアプリケーションを学生が参加できるビジネスコンテスト「2019年度キャンパスベンチャーグランプリ中国大会」へ出してみたところ、最優秀賞をいただくことができました。そのことをきっかけに、出会った行政関係の方にさまざまな研究機関などにつなげていただきました。そして独立以前に勤めていた会社も紹介してもらい、勤務することになったのです。

その会社ではどのようなお仕事をされていたのですか?

XR・メタバース業界のスタートアップの会社で、メタバースシステムやVR/MRシミュレータの開発をしていました。正社員になった当初は、医療分野での研究などの知見もあったので、医療系のVRなどの普及に携わっていましたが、翌年にはいろいろな企画開発やマーケティングなど幅広い分野を任せてもらえるようになり、3年目には取締役COOという立場で仕事をするようになっていました。
できるだけ広く認知してもらえるよう講演会に登壇するなどし、全国の企業から注目してもらえるようになり、パートナーマーケティングを進めました。

新しいことで社会の役に立ちたいと独立。「〇〇だったらいいな」

いずれは会社を立ち上げたいという思いはお持ちでしたか?

特にそういう思いが強かったというわけではないのですが、徐々に一人でやってみようという思いが強くなり独立しました。
常に新しいこと、面白いことをしてみたい、同時に社会の役に立つことをしたい、という思いは以前からずっと強く持っていました。そこが独立へとつながったのかもしれませんね。

ダッタラ株式会社の社名の由来を教えてください。

3つあるんですが、「〇〇だったらいいな」という「もし=if」という意味の“ダッタラ”、これは「もしこうしたら、結果はどう変わるのか」を考える「因果推論」という統計学的な考え方をなじみやすい言葉で表現したのが一つです。また、英語で書いたときに「DATTALA」に「DATA」の文字が入っている言葉である、ということで業務内容に結び付くのではないかと考えました。さらに、覚えやすくてSEOの観点でも良いのではないか、という理由もあります。

現在の事業内容について教えてください。

データ分析事業、AIソリューション事業、コンサルティング事業、マーケティング支援事業、といった4本柱です。現状は、デジタルを扱う企業でのコンサルティングや、行政でSNS分析などを請け負っています。さらに、スタートアップ企業としてこれから先に向けてのプロダクトを作っているところです。2025年4月に会社を立ち上げて夏頃まではどんなプロダクトが良いかを試行錯誤していたのですが、“Fractale(フラクタル)”というプロダクトを作り始めました。これは時空間IDを活用したオープンデータ解析基盤として、世界中の社会課題データを統合・可視化し、AIでさまざまな意思決定支援を可能にするプラットフォームです。

2025年11月には、第32回ひろしまベンチャー助成金にて「HIROSHIMA Venture Excellence Award」を受賞することができました。

現在も新たな課題に取り組まれていらっしゃるとお伺いしましたがどのような内容かを教えてください。

データ分析事業です。各所が持っているデータはそれぞれバラバラで、ひとつの基盤にまとまっておらず、が作業する際にしっかりしたデータがなければ上手く働かないという問題があります。それぞれが持つデータをひとつの基盤にまとめる作業が大切なのではないか、ということに気付いたのです。誰もまだ手を付けていないけれど、課題は大きく、市場も大きい分野であると感じています。今後5年後、10年後にはとても重要になっている分野なので、チャレンジしてやってみようと動いています。

試行錯誤を繰り返しながら、世界で使われるものを開発したい

貴社の強みや特徴を教えてください。

ダッタラでは、「人とデータを繋ぎ、テクノロジーで世界をデザインする」をミッションに掲げ、事業を運営しています。実社会の課題を解決するにあたって重要になることは、アイデアと実行力、そして実データになると思います。そのデータの基盤を整え、人もAIも動きやすいようにすれば、より良い社会の実現に結び付けられると思っています。

今後の展望をお伺いできますか?

世界中で使われるものを作ってみたいですね。その一つとなるのが”Fractale“かもしれませんが、もしかしたらまったく違う何かかもしれません。
100ほどのアイデアの中から10ほどに絞り、そこから検証を重ねて一つを生み出すということを繰り返し、世の中を良くする何かを開発できたら良いと思います。

若いクリエイターたちへ何かメッセージをいただけますか?

何かに挑もうとした場合、2つの軸があれば良いと思っています。それは、市場性と成長の可能性です。作ったものが必要とされる市場があり、成長の可能性があるところを見定めることが重要だと思います。

取材日:2026年4月7日 ライター:村上 雅水

ダッタラ株式会社

  • 代表者名:石原 裕輝
  • 設立年月:2025年4月
  • 資本金:100万円
  • 事業内容:データ分析事業、AIソリューション事業、コンサルティング事業、マーケティング支援事業
  • 所在地:〒730-0053 広島市中区東千田町1丁目1番61号 hitoto広島ナレッジスクエア1F
  • URL:http://dattala.co.jp/
  • お問い合わせ先:https://dattala.co.jp/contact

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