WEB・モバイル2026.02.10

SNS発信が続かない現場を仕組みで変える。未経験プログラマーが寄り添う中小企業の業務改善

金沢
株式会社福禄寿 代表取締役
Keiju Nakashima
中島 慶樹

「大事だと分かっていても、発信が続かない」。そんな現場の声に向き合い、仕組みで業務改善を支えるのが、金沢の株式会社福禄寿です。2025年5月設立と若い会社ながらも、事業者に寄り添った提案と誠実な対話で着実に信頼を集めています。同年12月には、SNS運用が「続かない」という現場の悩みに向き合った自社プロダクト「TAGRU(タグル)」をリリース。未経験からITの世界に飛び込んだ代表取締役・中島 慶樹(なかしま けいじゅ)さんの歩みと、会社の展望をお聞きしました。

プログミング未経験からITの世界へ。選んだ“自分で作る道”

会社立ち上げまでの経緯を教えてください。

学生時代から「自分でアプリを作ってみたい」という気持ちがありました。別の仕事にチャレンジしたこともあったのですが、違う業種に身を置いたことで、やはり自分はプログラマーになりたいのだと確信し、就職活動をしました。
ただ、プログラム言語も知らない未経験での就職活動は大変でした。最終的には40社くらいに履歴書を送りました。難航したものの、未経験でも採用してくれた会社が金沢だったので晴れて就職できました。
その後、ほかの会社も経験し、自分で考えたサービスをリリースするタイミングで起業しました。

プログラミングスキルはどのように習得しましたか?

就職してから先輩に教えてもらいながら、帰宅後も自分でも勉強しました。学習時間は仕事終わりや土日を使って集中して取り組み、毎晩遅くまでコードを書いていましたね。初めは簡単なWebページから始めて、少しずつプログラミング言語を学び、最終的に希望していたアプリ開発という流れですね。
当時は、現在のようにAI(人工知能)技術が発達していなかったため、作ってはテストをしてエラーが出たところを一つ一つ探して修正していく作業を繰り返すという地道な作業が必要でした。

独立への思いは以前からあったのでしょうか?

「独立したい」という強い目標があったわけではなく、どちらかというと「自分で動ける力を持ちたい」という感覚のほうが近かったと思います。会社に所属していると、どうしてもその会社の方針や、すでに抱えているクライアントとの兼ね合いを意識する場面が出てきます。もちろんそれは大切なことですが、自分で考えたサービスを、もっと自分のペースで育ててみたいという気持ちが次第に強くなっていきました。
まだスタートしたばかりですが、まずはホームページを整え、興味を持ってくださった企業に直接足を運んでサービスの説明をしたり、プレスリリースを出したりと、一つ一つ行動を重ねています。対話を重ねながら一緒につくり上げていくことで、その会社に本当に合った、無駄のないITコンサルティングができればと思っています。

SNS運用の「困りごと」をTAGRUで解決

現在、福禄寿としてどのような事業に取り組まれていますか?

Web制作やアプリ開発、ITコンサルティングを主軸としながら、最近は自社開発のプロダクト「TAGRU(タグル)」に力を入れています。2025年12月にリリースしたばかりですが、企業や店舗のSNS運用を継続できる仕組みづくりに注力しています。

「TAGRU」はどのような課題意識から生まれたサービスですか?

「SNSって大事だけど、続かないよね」という店舗オーナーさんの声を、これまで何度も聞いてきました。発信のネタがない、投稿が面倒、そもそも優先順位が低い──そうした理由で、SNSが止まってしまう現場は少なくありません。
特に個人経営のお店では、仕入れから接客、経理まで、すべてを一人で担っているケースも多くあります。その中でSNSは、広告費をかけずにお店をPRできる便利なツールである一方、運用が非常に属人的で、忙しくなると真っ先に止まってしまうことが現実でした。
そこで、「続かない理由」を個人の努力や意識の問題にするのではなく、構造そのものを変えられないかと考えたことが、TAGRUの出発点です。SNS運用の一部を自動化することで、自然と発信が続く仕組みをつくり、SNS運用のハードルを下げたいと考えました。

TAGRUがほかのSNS運用ツールと異なる点・差別化ポイントを教えてください。

専門知識がなくても、誰でも“止まらない発信”が可能になる点が強みです。AIによる戦略設計、投稿案作成、分析レポート作成、予約機能、ワークスペース共有などが利用できますが、大きな特徴は分析・投稿まで一括して行える設計です。スマートフォンでも見やすい設計にして、隙間時間に確認できるようになっています。また、入力した情報をもとにどんな内容で投稿すればいいかのアドバイスもしてくれます。自動で文章や画像も生成できるようにAIを入れているので、編集して即投稿も可能です。画像生成についてはまだ発展途中なので、全業界に対応はできていませんが、進化とともに使いやすくなるでしょう。

導入が進んでいる業種や企業規模に、傾向はありますか?

やはり小規模の飲食店、美容サロン、クリニックなどが多いです。店舗の規模に関わらず、発信したいけど手が回らないという悩みは共通していると感じます。また、SNSの業務代行をしている方が分析するサポートツールとして活用も可能です。

「止まらない発信体制」の実現において、TAGRUはどのような役割を果たしていると感じますか?

投稿のハードルを下げることで、発信の「習慣化」を支えるツールだと思っています。人出不足が続く中小企業では、SNS運用人材の育成に時間をかけるわけにはいかないという状況にあります。
サポートツールがあれば、ゼロから教える必要もないですし、引き継ぎもツールの使い方とSNSの投稿方法を理解してもらえればいいので、以前に比べてハードルはぐっと下がります。手軽に使ってもらえるように無料で試せるプランから、有料でも月額1,650円からと個人経営の方にも利用しやすい料金設定を行いました。

AIを軸に、“誰かのために”という想いが、技術を動かす

新たなサービスや事業のアイデアは、どのような場面・発想から生まれますか?

日々の会話の中や、自分が「これ不便だな」と感じたときに浮かぶことが多いです。特に、カフェの店長と話していたときにアイデアが浮かんだように知人との雑談からヒントを得ることが多いですね。複数の人が同じことを感じていたら、需要があるので、作ってみようという流れになります。

今後、どのような会社を目指していきたいですか?

まずはTAGRUのサービス利用者を増やすことですね。そのため、ITに対して「苦手意識がある」という方にもご利用いただけるよう、専門用語をできるだけ使わず、わかりやすい言葉で伝えることを大切にしています。
「AIの導入で業務改善したい」と考えている中小企業など、予算が限られていても目標と優先度を整理し、段階的なプランを提案できるように最善を尽くしたいです。小さくても誰かの役に立てる会社にしたいです。

未経験からIT分野にチャレンジしようとしている若手クリエイターに向けて、メッセージをお願いします。

プログラミングを未経験から習得しましたが、正直、最初から自信があったわけではありません。「向いていないかもしれない」「この選択で合っているのかな」と迷ったことも何度もあります。それでも続けてこられたのは、受け身にならず、自分の足で情報を取りに行くことをやめなかったからだと思っています。
わからないことがあれば、まずは自分で調べる。試す。それでも答えが見えなければ、まったく違う分野の人に話を聞いてみる。何気ない会話の中に、次の一歩につながるヒントが隠れていることも多いです。
今はAIなどの技術も進化していて、学ぶためのハードルは確実に下がっています。でも、最終的に差がつくのは「自分から動いたかどうか」だと思います。迷ってもいい。遠回りしてもいい。ただ、立ち止まらずに学び続けていれば、点だった経験がいつか線になり、自分だけの道になります。自分の手で情報を集め、考え、行動すること。その積み重ねが、必ず誰かの役に立つ力になるはずです。

取材日:2025年12月18日 ライター:高井 寧香

株式会社 福禄寿

  • 代表者名:中島 慶樹
  • 設立年月:2025年5月
  • 資本金:50万円
  • 事業内容:Webサイト制作・Webアプリケーション開発・スマートフォンアプリ開発・ITコンサルティング
  • 所在地:〒920-0852 石川県金沢市此花町5番6号ライフ金沢第1ビル 601A
  • URL:https://fuku60.com/
  • お問い合わせ先:https://fuku60.com/contact/

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