WEB・モバイル2025.11.05

想いを聴き、形にする。“シームレスな伴走力”で地域とクリエイティブをつなぐ

香川
UMEWORKS合同会社 代表
Hisako Umesawa
梅澤 緋沙子

香川県のUMEWORKS(ウメワークス)合同会社は、経営戦略コンサルティングとクリエイティブ制作を“シームレス”に結び付け、企業や地域の「想い」を可視化する伴走型支援企業です。代表・梅澤 緋沙子(うめさわ ひさこ)さんが保育士時代に培った傾聴力と、中小企業診断士である事業パートナー・梅澤 大樹さんの経営視点を掛け合わせて設立されました。香川県を拠点に、中小企業や地域団体を対象とした情報発信や組織づくりのサポートを展開しており、「良いものを持ちながらうまく伝わっていない」お客さまの課題解決に力を注いでいます。そんな同社の代表である緋沙子さんの想いと戦略に迫りました。

傾聴力を生かしたキャリア戦略。保育士から Web制作へ

学生時代はどのような社会人を思い描いていましたか?

学生時代は長年続けたピアノと「子どもが好き」という気持ちを生かし、保育士になりたいと考えていました。念願が叶い、専門学校で保育士・幼稚園教諭の資格を取得したのち、保育士として就職しました。
結婚と夫の転勤にともない、保育士は退職。その後、約10年間子育てに専念していましたが、子どもが成長したタイミングで「自宅でできる仕事」をしようと、プログラミングを学んでWeb制作を始めました。

Webはどこかの会社に所属しながら制作されていたのでしょうか?

いいえ。企業に所属せずに個人事業主として3年間活動していました。自身の傾聴力を強みに、細やかなヒアリングで依頼者のニーズを引き出し、目的に合ったサイトを制作することを心がけていました。

強みとする傾聴力はいつ、身についたとお考えですか?

ひとつめは保育士時代です。小さな子どもたちは、自分の思いを的確な言葉で表現することは難しいです。だからこそ、仕草や表情から気持ちをくみ取る力が自然と身についていきました。
ふたつめは、香川県のオープンイノベーション拠点「Setouchi-i-Base」コーディネーターとしての経験です。フリーランス支援担当のコーディネーターとして参画し、今年で3年目となります。これまで250件以上の相談実績があり、これらの経験を通じて、より深い傾聴力とともに利用者の本質的な課題やニーズをくみ取る力が身につきました。
これらの経験を通して学んだのは、「相手の当たり前を疑い、本質を探る姿勢」です。お客さまにとっては当たり前に思える行動や技術の中にこそ、他の人には真似できない大きな価値や魅力が隠されていることが多いと考えます。

ヒアリングしていく中で意識されていることや工夫はありますか?

専門用語を避けながら、相手がイメージしやすい例で説明するようにしています。というのも、お客さまの世代や背景はさまざまなので、Webに関して理解が及ぶ範囲も人それぞれ。そのため、新しいお客さまとやりとりする時はすべての前提をリセットし、一人一人に合ったコミュニケーションをとることで誤解を防ぐほか、“ほんとうに作りたいものは何か”という本質に近づける対話を行っています。
また、お客さまに迷いが生じた際は一緒に立ち止まり、その“迷い”がどこから生じているのかを探ります。原点に立ち返る質問などを重ね、背中を押す形でサポートしています。

時代の変化に合わせた柔軟な支援ができる存在へ

なぜ合同会社を立ち上げようと思われたのでしょうか?

経営コンサルタントである夫と協力することで、より多くのお客さまの悩みを解決できると思ったからです。
個人事業主として活動する中で、多くのお客さまが「自社の強みは何か」「何を誰にどう伝えるか」といった課題を抱えていることに気づきました。その根本的な原因は、デザインや情報発信の課題ではなく、それ以前の“経営戦略”にあるという考えに至りました。
一方、私の夫は経営戦略の支援を行う中で、戦略を構築した後のデザインや情報発信の部分で、お客さまへのサポートが十分にできていないという状況がありました。
そこで、私たちがそれぞれの専門性を活かし、「経営戦略」と「クリエイティブ領域」の両面から一体的に支援できる会社を設立することで、より多くの課題をより的確に解決できると考えたんです。
そのため、2024年にUMEWORKS合同会社を設立しました。事業を長く継続し、時代の変化に合わせて柔軟に形を変えながら成長させていきたいですね。

“シームレスな支援”で香川県内の企業を支える

今はどういった事業を展開していますか?

現在は、経営戦略コンサルティング、Web制作・SNS運用を含むクリエイティブ支援、講師・セミナー登壇の三本柱で事業を展開しています。戦略立案と情報発信を往復しながら伴走する“シームレス”な支援体制が特徴です。

県内のお客さまが多いですか?

はい。主に香川県内のお客さまが中心ですが、オンラインを活用し、県外のお客さまからもご依頼をいただいております。

丁寧かつ親しみを持った伴走型支援で生まれる信頼

御社の強みはなんでしょうか?

「経営コンサルタントが在籍するWeb制作会社」という点が最大の強みです。戦略とクリエイティブを一体化し、課題の根本から発信までを行き来できる会社は、県内ではあまりありません。
また、さきほどもお話ししたようにお客さまに合わせたコミュニケーションがとれることも強みです。例えばWeb制作に関してお客さまとやりとりする際は、メリット・デメリットを整理して提示し、最終判断は必ずお客さまに委ねています。お客さまが判断しやすくするためにも「難しいWebをわかりやすく伝え、丁寧に対話すること」を心がけています。

高い傾聴力を持つ仲間と、多世代に対する支援企業へ

今後、UMEWORKSをどのように成長させていきたいですか?

弊社が手掛けたWebサイトに満足してもらえるお客さまを3年後までに着実に増やしたいです。お客さまの想いをWebで“見える化”することで、お客さまから「自分達らしいサイトができてうれしい」という言葉を引き出していきたいですね。特に「まだ発掘されていない魅力を持った層」を重点的に支援し、経営とクリエイティブの力を掛け合わせて地域全体の価値向上に貢献することが目標です。
また、定款に教育事業を盛り込んでおり、子ども向けのWebワークショップや高齢者向けのLINE講座など、多世代にデジタル活用を広げるプログラムも展開していく予定です。

UMEWORKSで新しいスタッフを募集する場合、どういう方と働きたいですか?

本質を聴き取り、難しいWebを分かりやすく伝え丁寧に対話できる傾聴力を持つ方とともに働きたいです。多世代に寄り添いながらデジタル活用をサポートする教育事業も視野に入れているため、学び続ける姿勢と柔軟なコミュニケーション力を持つ方とご一緒したいです。

最後に、UMEWORKS合同会社のつくりたい未来について教えてください。

香川・瀬戸内には優れたコンテンツを持ちながら伝え切れていない方が多く、その“伝わる設計”をともにつくることで、必要な人に必要な情報が届く地域の循環をつくっていきたいと考えています。

取材日:2025年7月29日 ライター:木場 晏門

UMEWORKS合同会社

  • 代表者名:梅澤 緋沙子
  • 設立年月:2024年12月
  • 資本金:100万円
  • 事業内容:経営戦略コンサルティング/Webサイト制作/SNS活用支援/各種デザイン制作/セミナー・講師登壇(デジタル活用/情報発信講座 等)
  • 所在地:〒760-0019 香川県高松市サンポート2-1 高松シンボルタワー タワー棟4・5階
  • URL:https://umeworks.co.jp
  • お問い合わせ先:https://umeworks.co.jp/contact/

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