最先端の技術で幸せや感動を与える「仕事」 =「社会貢献」を目指して

東京
GZ-TOKYO (株式会社Zaxx 東京支社) 代表取締役 舘 英広氏
今回ご紹介するGZ-TOKYOは、名古屋を本拠地に、TVCM、企業ビデオ、プロモーションビデオ、番組など映像作品全般のフィニッシングワークを行うポストプロダクション、株式会社Zaxxの東京支社であるサテライトスタジオです。代表取締役の舘 英広(たち ひでひろ)氏は、名古屋と東京のオフィスを行き来し、音を手がけるミキサーとして現役で活躍しています。映像制作の全てをワンストップで行えるGZ-TOKYについてはもちろん、自らがクリエイターである舘氏が考えるクリエイターとその仕事について、さまざまなお話を伺いました。

現場の仕事を続けたい! クリエイターとしての仕事の危機が、起業のきっかけ

まずは、東京支社である「GZ-TOKYO」を設立されたきっかけを教えてください。

随分前から、映像業界では東京への一極化が進んでいます。それに伴い、名古屋のクライアントの東京進出が始まり、弊社も東京に支社が必要だと考え「GZ-TOKYO」を作りました。

では、母体となる「Zaxx」を設立されたきっかけを教えてください。

Zaxxを設立する以前は、コンサートのプロモート会社に勤めていました。その会社の一事業としてスタジオ事業を設立から13年ほど手がけ、その後、事業譲渡という形で事業を買い取ってできたのがZaxxです。

以前から独立志向はありましたか?

全然ありませんでしたね。僕はもともと技術出身で、オーディオのミキサーです。現場の仕事を続けていくために、道具としての箱が必要で作った事業です。その後、会社の都合でスタジオ事業が危機に陥り、ならば会社を作って事業を引き継ぎたいと思いました。自分の仕事に危機が訪れたことが、設立のきっかけです。

その危機がなければ独立していらっしゃらなかったと思いますか?

独立していないと思います。僕にとっては、クリエイティブな仕事を続けることにこそ意義があるので、どんな立場でもいいから現場の仕事を続けたいと思っていました。 専門学校を卒業してから1998年までの20年間、テレビ局の技術でミキサーとして仕事をしていました。当時、38、9歳でしたが、現場を離れて管理職になることを求められ、それが非常につらかった。「現場を続けたい」という気持ちが強く、現場を続けられる場を求め、先ほどのコンサートプロモート会社に入社をして新しい部署を立ち上げました。コンサート事業を行っていた会社に新しくポスプロ事業を始めることを提案して、そこへ就職し、スタジオを作ったことがそもそもの始まりですね。

舘様のために新しい部署が作られたのですか?

企業は、利益を出すことが目的ですから、当時同じテレビ局にいたスタッフ2人を引き連れ、これだけ利益を出すとプレゼンをして、事業部を立ち上げてもらったという形です。最初は、編集室1つ、MA(音声の編集室)1つ、3人で仕事をしていました。そこから1年半くらい経って、仕事も増え人も入ってきました。

独立後の現在は、社員の方は、どれくらいいらっしゃるのですか。

現在は37人になり、編集室は、名古屋5・東京3の合計8、MAが名古屋2・東京1の合計3、という規模の会社になりました。 当社の特徴は、技術出身の人間が経営陣であること。スタジオの設計等も取締役が手掛けています。

技術ひとすじという印象ですね。

18年くらい前、名古屋では、コンピューター編集をしているところがまだなく、東京に少しだけある程度の時代に、「今後はコンピューター編集の時代になるだろう」との予測から、いち早くコンピューター編集を始めました。技術者として一生を終えたいと思っているので、それが実現できるように、私自身常に、最先端の技術を意識して取り組んでいます。 今でも、それは変わっていません。当社では、16K映像も手掛けています。

撮影から音響効果まで、一気通関でできるスタジオ GZ-TOKYO

「Zaxx」と「GRAN」の頭文字に「TOKYO」を組み合わせた「GZ-TOKYO」。

「Zaxx」と「GRAN」の頭文字に「TOKYO」を組み合わせた「GZ-TOKYO」。

「GZ-TOKYO」の由来について教えてください。

「Z」は弊社Zaxx、「G」はGZ-TOKYOを一緒に運営する名古屋のGRANの頭文字です。Zaxxの「Z」とGRANの「G」で「GZ」に、そして東京のスタジオということが分かるように「TOKYO」と付けました。ニューヨークに作ったら「GZ-NEW YORK」にしよう、などという話もしていました(笑)。

では「Zaxx」の由来についても教えてください。

「AとZ」はアルファベットの最初と最後ですから、いただいた仕事を最初から最後まできちんと手掛けたい、 「xx」は、Extra Exceedの略で、最高のものを提供したいという思いで名付けました。

 
仕事を最初から最後まできちんと手掛け、最高のものを提供したいという意味を込めた「Zaxx」。

仕事を最初から最後まできちんと手掛け、最高のものを提供したいという意味を込めた「Zaxx」。

GZ-TOKYOは、映像制作のZaxx、撮影のGRAN、サウンドデザインのbeBlueが組んだスタジオということですが、一緒にやることになった経緯を教えていただけますか?

弊社Zaxxは、編集とMA(音の編集)、CG、その3つを手掛けています。撮影のセクションはありませんので、東京にワンストップでできる体制があった方がいいということで、撮影ができるGRANと組みました。編集室を作ろうとしたところ人が足りず、親交のあるbeBlueの社長に相談し、結果として3社で仕事をしている形です。他の2社と組むことで、撮影から音響効果まで全部がひとつのスタジオでできるようになり、それを売りにしています。3DCGまで全部できますよ。

御社Zaxxの事業内容について、くわしく教えてください。

主にCMの編集、合成、CG制作、MA等のフィニッシングワークを手掛けています。あとは映画のCG、VFX(視覚効果)です。企業VP、ミュージシャンのプロモーションビデオ、番組など、映像・音声に関わることほぼ全てに対応しています。さらに、CGを使ったプロジェクションマッピング、ヘッドセットモニターを着けて見るVR(バーチャル・リアリティ)の開発からコンテンツの提案なども行っています。

ジャンルも技法も映像に関することは全てですね。

僕は、システムが分かるので、映像を作るための機械の開発もしています。技術に関わることであればなんでもやっています。

「音の質」に興味を持った中学時代 人とは違う疑問を追及する好奇心が、今の仕事に

ミキサーである舘様が、音に興味を持たれたのはいつ頃ですか?

中学生の頃から、「音の質」に興味がありました。音がいい、悪いと言いますが、その正体が知りたい、というところから始まっています。疑問に思う点が他の人とは違うのかもしれませんね。たとえば、お茶を飲んでどうして温かいと思うのか、熱いと温かいの境目はどこかというようなことに疑問が沸くんです。そして、それを理屈で解決したいと思うんです。疑問に思ったことをそのままにしておけないので、分かるまで次に進めない。自分が得意なことでズルをしてはいけないと思っていたので、好きな数学のテストでも1問目が解けないと2問目に進めませんでした。そのせいで、テストの成績にはムラがありました(笑)。音の仕事も、こんなふうに疑問を解消するためにやっているという感じです。

好奇心が旺盛なのですね。

そうですね。スチームが出るドライヤーの仕組みを知りたくて、分解したこともあります(笑)。それは、会社の考え方にも反映されていて、最先端の技術を知ると当社でも関わりたいと思います。16K映像の仕事は世界初です。去年手掛けて業界で話題になり、東京でも有名になったという事象があって、それは、「GZ-TOKYO」が認められた瞬間だったと思います。そういうことが、すごく楽しいですね。人がまだやっていなくて、でもきっとみんなやりたいだろう、ということに取り組んでいきたいですね。

「GZ-TOKYO」を設立して良かったこと・苦労したことを教えてください。

苦労したことは、設立当初、仕事がすぐには来なかったことですね。東京では新参者ですから、仕事を依頼していただく難しさがありました。良かったことは、そんな時に知り合いから仕事をもらって、人とのつながりがすごく大事だと改めて分かったことです。このスタジオができたことで、社員も増え、プラスの回転をしてると思います。いろいろな実績を積むことでまた仕事が来る、いい循環に入ったという実感があります。東京に来てよかったなと思っています。

会社を運営する上で、特にどういったことを大切にしていらっしゃいますか?

まずは、「人」。どこまで行っても「人」ですね。スタッフがやる気になって、いいものを作るために何を用意したらいいか、機材なども含めた環境を重視しています。人間関係が上手く行くように、まめに面談をするなど、社員とのコミュニケーションには気を配っています。忘年会は、東京のスタッフも名古屋に呼んで、年に1回、全員が必ず顔を合わせる機会にしています。

名古屋と東京のスタッフが一緒に仕事をすることはあるのですか?

ありますよ。仕事の半分以上は指名で動いています。クライアントが名古屋と東京の両方で仕事をする場合があるので、スタッフは固定でついて回ることもあります。指名をもらえるようになること、みんなそこを目指してがんばっているんです。

普段から意識して見ることで磨かれるクリエイターの才能

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経営者でありながら、技術者(クリエイター)としてのお仕事を続けられているとのことですが、両立は大変ではありませんか?

現場の仕事は、指名があって求められる限り続けたい、そのためのスキルを磨く努力はしていきたい、と思っています。 ですが、誰でも自分では努力していると思っていますが、それは他人が決めることです。一生懸命やっていても相手に認められなくては意味がありません。ですので、それができなくなるまでは、現場を続けたいと思っています。

では、一緒に働く人に対して、会社としてどのようなことを求めますか?

難しい質問ですね(笑)。B to Bの仕事ですから、プロ対プロの中で信頼してもらえるように、真剣に仕事に臨んで欲しいと思います。プロ意識をちゃんと持って欲しい。望むことといえば、それに尽きますね。 プロとアマチュア、クリエイターとアーティストは違います。アーティストですと自分の思いを表現する。反対に、言われたままだけをやるのが、オペレーター。クリエイターは、その中間、クライアントのオーダーがあって、クライアントの思いを表現するのですが、そこにちょっとクリエイティビティを発揮して、自分のセンスを加えることでクライアントの思いを伝える、そこでやっと認めてもらえるのです。でも、やり過ぎるとそこまではいらない、となります。相手が望むことに、少しのプラスアルファで信頼されるのです。

それは、映像や音の世界だけでなく、すべてのクリエイターに当てはまることですね。 ご自身が、クリエイターでもある舘様ならではの言葉ですね。スタッフのみなさんにはどのようなアドバイスをしていますか?

「イメージが、全てだ。」と言っています。コンピューターが上手く使えても、頭の中のイメージが間違っていたらダメですよね。普段、生活する中で、どのように物を見ているかで才能が決まります。たとえば旅行先で花を見た時、ただきれいだと感じて終わるか、なぜきれいなのかと理由を考えるか、光の当たり方や葉のてかり具合を気に留めるか。そういったことをいつも意識しているかどうかでクリエイターの才能の真価が問われます。クライアントから何かを作りたいと言われた時、すぐにイメージを引き出せるかどうかが勝負ですから、いろいろな経験が大切なのです。遊びも、仕事と連動させながら経験できる人はすごく伸びが早いですね。本気でこの仕事をしたいなら、そういう風に物を見るようにしなさいとアドバイスしています。

今後の展望・夢などを教えてください。

会社の規模を大きくしたいと思っています。安定的に運営していける規模感にして、みんなが幸せになるように仕事の量を増やしていきたいですね。 そして、僕らの仕事は、最先端の技術を使って映画やCMで人に幸せや感動を与えることですので、仕事そのもので社会貢献ができるといいなと思っています。「会社=社会貢献」だと思っていますので、この観点から、社会貢献をきちんとした形でやれるにはどうしたらいいのかと考えています。自分たちが欲しいと思って買う物は、企業の社会貢献の形だと思います。僕たちは頭の中にイメージを作ることを仕事にしているので、それをもっともっと喜んでもらえる形で提供していきたいなと思います。

取材日:2015年11月19日 ライター:保坂久美

企業名:株式会社Zaxx

  • 代表者名 : 代表取締役 舘 英広(たち ひでひろ)
  • 設立年月 : 2011年9月
  • 資 本 金 : 700万円
  • 事業内容 : 番組及び広告等の企画、映像・音声制作、編集/3DCG・デザイン制作 デジタルサイネージ等の企画、映像・音声制作、編集 電子機器等のシステム設計・製作/プロジェクションマッピングの企画、 映像・音声制作、編集、システム設計・製作/上記に付帯する一切の業務
  • 所 在 地 : 愛知県名古屋市東区葵1-26-12 一光新栄ビル5階
  • UR L: http://zaxx.jp/
  • お問い合わせ : 上記HPの「お問い合せ」より

GZ-TOKYO(株式会社Zaxx 東京支社)

  • 設立年月: 2013年7月
  • 所 在 地: 東京都港区北青山2丁目7-26フジビル28 6F
  • URL: http://gz-tokyo.jp/
  • お問い合わせ: 上記HPの「コンタクト」より
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