届けたい想いを、正しく、深く。沖縄の人気YouTuberを支えるWeb制作会社が貫く提案の掟

沖縄
株式会社SITY 代表取締役
Gentaro Tsutsumi
堤 玄太郎

時事問題に切り込む沖縄発の人気YouTuber「せやろがいおじさん」をご存知ですか?せやろがいおじさんの裏方として動画制作を手掛けているのが、株式会社SITY(シティ)の代表取締役・堤 玄太郎(つつみ げんたろう)さん。デジタルマーケティング企業を経てフリーランスとして活躍した後に起業し、Webや動画制作から運用まで、一気通貫のサービスを提供しています。顧客第一主義の経営哲学と自由度の高い組織運営を通じて、社内外に強固な信頼関係を築き続ける堤さんの思いに迫ります。

時代の流れを読み動画制作に着手し、人気YouTubeチャンネルをディレクション

ご出身は京都だと伺いました。沖縄に移住された経緯から教えてください。

個人でアフィリエイトをやっており、Webマーケティングをもっと追求したいと思うようになりました。それから株式会社PLAN-Bという大阪のデジタルマーケティング企業に入社し、ディレクターとして働くようになりました。
2年ほど経った頃、その会社が沖縄に支社を立ち上げることを知り、真っ先に転勤を希望しました。

思い切ったご決断ですね。なぜ転勤を決意したのでしょうか?

レゲエなどの音楽が好きだったことから南国に漠然とした憧れを抱いていたからです。あまり深い理由ではありません(笑)。
沖縄でしばらく働いたのち、今度はカンボジア支社に転勤になりました。任期明けは大阪本社に戻る話もあったのですが、沖縄での暮らしが非常に気に入ったため、退職して沖縄に残ることに。
会社の計らいでお客さまをそのまま請け負うことができ、フリーランスのWebディレクターとしてスムーズに活動を始めることができました。また、当時はYouTuberのHIKAKINなどが流行り始めて間もない頃で、これからは動画の時代が来ると感じ、Web制作と並行して動画事業も始めました。

沖縄で有名なYouTuber「せやろがいおじさん」の映像を手掛け始めたのもその頃ですか?

そうです。せやろがいおじさんことお笑い芸人の榎森耕助(えもりこうすけ)さんとは、以前の職場で彼がアルバイトをしている頃からの付き合いです。当時の彼は沖縄のお笑い大会で4連覇するほどの実力の持ち主でしたが、お笑いだけでは食べていけない状況でした。彼自身も売れたいと模索しており、何か役に立てるかもしれないと、一緒にYouTube動画を作り始めたのです。
幸運にもバズることができ、一気に知名度が上がりました。今では彼の名は全国区になってきており、弊社が少しでもそのお手伝いができているならうれしい限りです。

より良いクリエイティブのために、健全な経営へシフトチェンジ

フリーランスとして活躍されていたようですが、どのような理由で起業にいたったのでしょうか?

起業を絶対にしたかったというわけではなく、売上が1,000万円を超え、税金や会社の信用度の観点から株式会社にした方がメリットがあると感じたからです。
また、独立してからフリーランスのデザイナーやコーダー、ライターなどの仲間と一緒に仕事をしていたので、私が会社を立ち上げて雇う形にした方が皆にメリットがあると感じたことも、起業した理由の一つです。

会社を設立してからは業績面は順調でしたか?

最初の数年は苦労しました。というのも「お客さまのために」という気持ちから、採算を考えずに価格をできるだけ低く設定してしまっていたのです。当然利益はほとんど出ません。とにかく量で挽回しようと、どんな仕事でも引き受けていたところ、忙しいのに儲からないという悪循環に陥り、スタッフも私も心身ともにボロボロになりクリエイティブも低下しました。そこでようやく、健全な会社運営のためには最低限の利益が必須だということに気付き、一つ一つの案件に対して利益もクオリティも追求しようと決意しました。
私自身、経営者として非常に未熟だったので財務などを勉強し、ようやく健全な経営ができるようになってきました。

そのような状況から現在までの事業は一貫して、Web制作やマーケティング、動画制作になりますか?

そうですね。Web制作、動画制作を軸に、企画・制作・運用まで一気通貫で行える点が弊社の強みです。基本的にはお客さまの課題解決、目的・目標に応えるということを一番大事にしているので、手段はさほど重要視していません。
例えばお客さまから「TikTokをやりたい」「こういう動画が流行っているから作りたい」という話をいただいたとしても、メリット・デメリットを考慮したご提案をさせていただくため、当初のご希望から変わることも多々あります。

スタッフを信じ、ゴールをしっかり共有すれば、過度な管理や統制は一切不要

企画提案の際に、特に心がけていることはありますか?

「誰に、何を、どうやって届けたいのか」を明確にすることを大切にしています。目的が曖昧なケースも多いため、お客さまとしっかり話し合ってから企画を組み立てています。
また、弊社のお客さまは沖縄の企業が多いことから、常に沖縄のさまざまな業界の市場に対してアンテナを張っています。

スタッフに対するマネジメントについても、心がけていることはありますか?

干渉を最小限に留めることを心がけています。完全リモートワーク体制のもと、勤怠管理として打刻と休憩時間の記録は必須ですが、業務プロセスの監視や詳細なチェックは実施していません。

そのような手法を採用する理由を教えてください。

「顧客の目的を達成すること・課題を解決すること」を最優先に掲げており、それに向けてであれば手段や方法はスタッフの裁量に委ねた方がいいという判断からです。統率型のマネジメントは行わず、全スタッフが同じ方向を見て、自発的に集結している状態を目指しています。
同じ方向性を共有するために、フルリモート下でも適切なコミュニケーションをとるように心がけています。日常的な対話だけでなく、個人面談を3カ月に1回実施しています。仕事の悩みやキャリア志向などは、改まった面談の場でないと相談しづらいものです。
また全体会議も定期的に開催しており、会社の売上推移や利益状況、新規事業の取り組み、今後の展開予定など、会社の内情はすべて開示しています。赤字状況についても率直に伝えており、透明性を重視した経営を心がけています。興味深いことに、そうした情報を共有してもスタッフの反応は「変わらない」か「やる気が向上する」のいずれかで、ネガティブな反応を示す人はほとんどいません。良い人材に恵まれていると感謝しています。

スタッフの裁量に委ねているとのことで、会社を離れて起業・独立する方も増えそうですが、お考えをお聞かせください。

実際に独立するスタッフは多く、以前は13人の正社員が今では5〜6人まで縮小しました。しかしそれほど問題ではないと私自身は考えており、積極的に独立を推進しているほどです。独立したメンバーには、必要なタイミングで業務委託として協力を求められますし、継続的に同一チームとして協働できるいい関係性を築けていると自負しています。

人材育成についてはいかがですか?

実のところ、体系的な教育制度を整備してはいません。そのため、手厚いサポートを求める方には不向きかもしれませんが、自律性と自由度を求める方には非常に適した環境であり、そのようなスタッフは長期にわたって活躍しています。

日々全力で仕事に取り組むことが、沖縄への貢献につながる

今後の展望を教えてください。

正直申し上げると、従来的な長期ビジョンは設定していません。お客さまの課題解決に日々全力で取り組んでおり、その過程で私たち自身も成長させていただいているという認識です。それらを通じて得られる学びや成長こそが、弊社の発展の原動力だと考えています。
強いて将来への目標を挙げるとすれば、私自身も弊社も温かく受け入れてくれた沖縄に何らかの形で恩返しをしたいという気持ちがあります。大規模な社会貢献は難しくとも、目の前のお客さまや従業員の幸せを第一に考えた経営を続けていくことが、私なりのビジョンだと捉えています。

最後に、どのような人材と一緒に働きたいと思いますか?

カリキュラムやマニュアルを用意していない自由度の高い職場なので、自発的に考えて行動できる方を求めています。お客さまを最優先に考え、お客さまの立場に立って何を重視すべきか、最適解は何か、コストパフォーマンスも含めて総合的に判断し、不要な提案は行わず、真にお客さまの役に立てる存在になることを目指しています。このような価値観を共有し、実践できる方であれば、経験・未経験を問いません。本人の意欲と成長意欲に応じて、段階的な業務への参加をサポートしていますので、意欲ある方にはぜひ参画していただきたいですね。

取材日:2025年6月17日 ライター:仲濱 淳

株式会社SITY

  • 代表者名:堤 玄太郎
  • 設立年月:2020年1月
  • 資本金:100万円
  • 事業内容:Webサイト制作、Webサイト・SNS運用、動画撮影・編集、運用
  • 所在地:〒901-0152 沖縄県那覇市字小禄1831番地1 沖縄産業支援センター411-1号室
  • URL:https://sity.love/
  • お問い合わせ先:

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