いいコンテンツを作るのに 大事なのは「見極め」

大阪
有限会社Buzen 代表取締役 中武 善夫氏
幅広いデザインフィールドでWeb制作の実績を持つ有限会社Buzen(ぶぜん)。仕事への信念と努力を惜しまない代表取締役の中武善夫(なかたけ よしお)氏に、Webサイト制作創世記の頃の苦労話から、今後の展望までを伺いました。温和な風貌と話し方からは、想像できない異色の経歴にも驚かされました。

ホームページが作れるというだけで重宝された時代に、独立。

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起業された動機は?

もともとはグラフィック制作をメインにしてたのですが、Webがそれほど世の中で知られていない1998年頃にWebサイトを見て、これからはコレだと思いました。当時のWebサイトは現在ほど難しいスキルを必要としておらず、Webデザイナーも少なかったので、ホームページが作れるというだけで重宝されたんです。独立するなら今しかないと思いました。

デザインの仕事はいつから?

実は若い頃、ヤンチャして作った借金を返すために、17才でカツオの一本釣りの遠洋漁業の仕事に就いたんです。 下っ端でこき使われて厳しい労働だったんですが、3年間で借金も返済して大阪で就職、その後、作る仕事がしたくてデザイナーに転向したんです。

意外な経歴をお聞きして驚きました。

この話をするとみなさん驚かれます。(笑)

Buzen(ぶぜん)という社名の由来は?

実は自分の名前からなんですが、会社を立ち上げるとき、よくある中武企画と付けたくなかったんです。でも、ふと苗字の最初と名前の最後を隠すと武善(ぶぜん)と読めることに気づいて、これならいいなと思って社名にしました。

2か月で300社に営業、それでもWebの仕事はナシ。

独立されてWebの仕事は順調だったのですか?

いえ、全く。(苦笑)世間ではインターネット回線ですら一般的ではなくWebサイトの存在自体がまだまだ知られてないため、立ち上げ当初は仕事がまったくない状態でした。

どのように開拓を?

グラフィックの仕事はあったのですが、Webの仕事は全然なくて。300社くらい飛び込み営業をしました。起業関連の情報誌で特集されてるWebの記事を見せて、理解してもらったり。そんなところからのスタートでしたが、ベンチャーキャピタルの掲示板に電子カタログの企画を掲載したところ、問い合わせがあり、電子カタログの仕事をいただきました。当初の企画ではなく、アニメーションで作りたいという依頼でしたが、アニメーションだと技術、コスト、時間の面でかなり難しかったので、Flashを使った動画でプロモーションツールを制作しました。この仕事がきっかけとなり仕事が入るようになりました。

Flash制作が強みに?

そうですね。当時、動画で看板を上げている会社は制作費が高かったんですね。1秒単価にすると5,000円くらいの見積もりになってました。そこで伝えたい事を変えずにFlashに置き換えて制作することで1秒単価3,000円でも十分収益になりそこそこの売上げになりました。

専門学校の講師で拡がる人のネットワーク。

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実制作で勉強しながらスキルアップされていったのですね。

そうですね。Web制作の仕事から専門学校の講師をやらないかと声をかけていただいて、WAOクリエイティブカレッジで3年ほど非常勤講師をやらせていただきました。またそれも営業活動の一環となり、生徒や学校からお客さんを紹介していただきました。

どのような授業をされていたのですか?

私はWebサイトの制作と運営におけるマインドの部分を教える『eプランニング』という講座を持っていました。当時のWeb系の専門学校は技術だけに偏ったデザイナーを育成している事が多かったのですがeプランニングではWebサイトを制作するための目的や目標を軸に、どのような立ち位置で展開するのかといった「何のためにWebサイトを作るのか」というマインドの部分を掘り下げた講義を行ってました。

いいコンテンツを作るのに大事なのは「見極め」

中武社長が考えるコンテンツづくりとは?

いいコンテンツを作るのに大事なのは「見極め」だと思っています。手法ではないんです。最終目標が何か。何のための行動を起こそうとしているのか。それを考えると必ずしもWebにあてはまらない場合もあるんですよ。

それは、どういう場合ですか?

目的によっては、別の方法がいい場合もあるわけですよ。その辺りの見極めができるかできないか。これは私たち作り手だけではなく、お客さまやWeb担当者にも必要なことだと思います。 なので、Webサイトを作っても成果が上がらないと思う場合は、はっきり言う場合もあります。

Webサイトは作ってからがスタートと言いますが。

そうです。最近のWebサイトはGoogleに支配されてるようなところがありますから。(笑)Googleをどれだけ理解できているかは重要なポイントになってきますね。そこの要望も大きいですね。Webは生き物と言われるように常に変化しますし、どれだけいいモノを作っても100%のモノはできないですから。

自社サイトも運営されていますが、どういったサイトですか?

Web制作会社として検証の意味も含めた自社のECサイトを運営しています。今年1月にオープンした『WANKOショップ』は、後発となるペットグッズのECサイトなんですが、物販だけでなくコンテンツからの集客と広告収入、将来的にはペットオーナーが集えるコミュニティサイトへ発展せたいと考えています。

制作に携わる人が楽しく理解しながらスキルアップできるような コンテンツを持ちたい

今後の展望について、どのようにお考えですか?

もちろん「制作」をメインに考えていきますが、制作に携わる人が楽しく理解しながらスキルアップできるようなコンテンツを持ちたいと思っています。 現場の人間でも企画から制作まで全てを理解している人は少ないと思います。仕事が細分化されているため局所的な提案しかできない人が増えているのも事実ですし、何より総合的に全体を把握して情報を拾い上げるスキルは今後最も必要とされると思います。

幅広い知識と視野で制作に関わる方が問題点も見えてくるということですね。

Webに関する知識を得ることはコスト削減にもなり、費用対効果の面でも高くなりますからね。 お客様にはいつも価格以上のサービスを提供してしまうんですよね。 これからもお客さまとはお互い理解した上でいっしょにいいモノを作っていきたいと思っています。

取材日: 2015年8月19日

有限会社Buzen

  • 代表取締役:中武 善夫
  • 創業:1999年4月
  • 設立:2004年7月
  • 資本金:3,000,000円
  • 事業内容:Webサイト企画提案、構築、制作、管理運営 マルチメディア(ビデオ、CD-ROM、DVD)企画提案、制作 ホスティングサービス代理業務 広告媒体制作 CGデザイン
  • 所在地:大阪府大阪市北区東天満1丁目11-12大北ビル301
  • TEL:06-6357-0778
  • FAX:06-4800-7732
  • URL:http://www.e-buzen.com

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