Web事業で四国をサステナブルに!国内外とつながり四国に新たな経済循環を生む、四国スクラム戦略

愛媛
株式会社アイム―ビック 代表取締役
Kenichiro Morimoto
森本 健一郎

愛媛県松山市を拠点に四国のデジタル推進に注力するWebシステム開発会社・株式会社アイム―ビック。代表取締役社長の森本 健一郎(もりもと けんいちろう)さんは、「四国をサステナブルな島へ」を合言葉に、四国四県とベトナムに拠点を配置し、全国・海外からもWeb関連の仕事を集め、四国そのものを元気にしたいと考えながら事業を展開している。森本さんに、会社立ち上げの経緯や四国を巻き込んだ戦略の意図、展望などについて伺った。

文系出身からクラウドを駆使するIT企業を設立!顧客の声をきっかけに

起業にいたるまでのキャリアを教えてください。

大学の卒業を機に、のちに妻となる女性の地元・愛媛県へ、埼玉県から移住しました。
大学ではパソコンとは無縁のドイツ語を専攻していて、移住先の松山市は私の留学先だったドイツ・フライブルク市と姉妹都市を結んでいたので、「ドイツ語関連の仕事ができるといいな」と淡い期待を抱いていました。しかし残念ながら、そのような仕事は見つけられず、イベントコンパニオンを派遣する人材派遣会社に入社。1年ほど、営業職を勤めました。
当時はITバブル期真っ盛りで、自分の今後を考えた際に、「IT業界も面白そうだな」と思っていたところ、同じくITへ関心を持っていた相棒との出会いがあり、意気投合!2002年にTMスタイルという会社を2人で立ち上げました。「結婚式場をWeb上で見られるようなサービスができたら面白いのでは?」と考えていたので、主な顧客はウェディング関連会社でした。

アイム―ビック起業への経緯を聞かせてもらえますか。

TMスタイルを起業後、しばらくしてお客さまから「HPを作ってほしい」という依頼が増えはじめました。当時、地方の企業の多くは、ちゃんとしたHPを作っていなかったのです。次第にそのなかで「Webシステムを使ったサービスを作り、お客さまの課題を解決したい!」と思うようになりました。
当時、異なる業界に関心を持っていた相棒と話し合い、「一度きりの人生、やりたいことをしよう!」という結論にいたり、TMスタイルを起業して約1年半後、区切りをつけることになりました。
その後、2004年にシステム開発の会社「アイムービック」を起業します。ちなみに、社名のアイムービックは「愛・夢・BIG」の言葉を組み合わせた造語です。

アイムービックの業務内容や強みを教えてください。

Webサイト制作とシステム開発、保守がメイン業務です。
通販サイトとして知られるAmazonが提供するクラウドサービス「AWS(Amazon Web Services、Amazonのクラウドコンピューティングサービス)」を活用したWebサイト構築を得意としているほか、ローコストからハイコストまで、お客さまのご要望に応じて、幅広い価格帯でご用意することができる点が強みです。セキュリティと運用保守にも強く、お客さまへの要望に素早く対応する点も喜ばれています。
これらの強みがつながり、結果として、アイムービックの特徴である「ワンストップ体制」となりました。

地方から国内外を相手にするシステム会社として、心がけていること

愛媛だけでなく、海外に拠点を作ったり、海外メンバーを積極的に採用したりしているのは、どうしてでしょうか?

海外拠点に目を向けていた頃、愛媛だけでは戦力となるシステムエンジニアの数がなかなか集まりませんでした。そこで19年に、ベトナムを拠点としたサイゴン・テック(SAIGON TECH COMPANY LIMITED)を作ることにしたのです。
拠点先をベトナムに決めた理由は、親日であったことと、エンジニアの仕事の質、そして賃金とのバランスでした。 また、共同で立ち上げたサイゴン・テックのベトナム人社長Huyさんの人柄、日本語能力の高さです。「彼となら一緒に良い関係が作れそうだ」と信じることができました。
愛媛県の本社で採用している海外メンバーは、県の施策で行われた、海外のIT人材とのマッチング会で出会いました。今はネパール人とベトナム人、合わせて7人が働いてくれています。
今後、ヨーロッパやアメリカの日本企業から、仕事を請ける機会も増えるかもしれません。海外メンバーには、海外の会社との橋渡し役となる「ブリッジエンジニア」になってもらうことを期待しています。

会社として力を入れている、人事制度や人材教育について教えてください。

現在は、ただ人を増やすのではなく、一緒に頑張ってくれる若い世代を育てることで戦力の増強を図っています。自分がそうだったように、スキルゼロからでもやる気があれば、努力次第で有能なエンジニアになれますから。
そのため働く方のライフステージに合わせた制度設計や、人事評価制度の見直しなども行っています。また、価値観もコロナ以降大きく変わっていきました。常に「どうすればスタッフが働きやすく、やりがいを感じてもらえるか」と考えて、柔軟に制度を変化させています。

競争でも競走でもない、明るい将来を共創する四国を巻き込んだ戦略とは?「四国を元気にする」人材募集中

アイムービックの狙う、四国を巻き込んだ四国スクラム戦略について教えてください。

四国四県に拠点を展開していますが、これは競合他社を出し抜き、独り勝ちを目指しているのではありません。
私には、「四国をサステナブル(持続可能)な島にしたい」というビジョンがあります。具体的には、全国や海外から、四国に仕事や人材の流通を集めることで、「四国そのものを、経済的にも精神的にも、元気にしたい!」と思っているのです。
コロナ禍を経て、人々の価値観や仕事のあり方も大きく変化しました。IT業界は特にリモートでの仕事も増加し、「人の受け皿を増やせる=地元に雇用が増えるチャンス」だと感じています。
自治体の企業誘致といった制度も使いながら、香川・高知・徳島にも拠点を作りました。現在は、四国という地方に住みながら、首都圏や海外の仕事を請けられる、より効率的な仕組みを整えているところです。

これからの展望を教えてください。

四国をサステナブルな島にする目標達成のために、まずは人材の確保に注力します。これまでの経験から、現時点では一つの事業所につき30人がベストバランスだと感じました。30年までに、愛媛県に60人、香川・高知・徳島県に各30人のエンジニアを集めたいと考えています。
また、22年にアイムービックは「自社サービスは作らない」という方針にしました。というのも、受託開発会社は、お客さまから依頼を受けた仕事で成り立っている会社なので、とことんお客さまと受託した開発に向き合いたいと考えたからです。
しかし、自分達が信じる未来、地域を自分達で能動的に作りたいという想いもあり、同年に会社を持ち株会社化し、Nagayaホールディングス株式会社を設立。「四国にあるべき新しい事業体」を生み出す組織体制に移行しました。
今後、グループ経営を通して、様々なクリエイター、企業を巻き込みながら「共創する世界」を作りたいと考えています。

一緒に仕事をしたいクリエイターは、どんな方でしょうか?

自分で考えて行動できる方、常に技術や考え方を学び続ける向上心がある方、他者との違いを認め相手を思いやる心のある方を求めています。
組織に属していたとしても、属していなくても「自分のスキルで生きている」という責任感やプロ意識を持って、一つ一つの仕事に向き合ってほしいですね。
アイムービックでは、「四国をサステナブルな島へ」という合言葉のもと、四国を元気にするミッションやビジョンに共感し、ともに実現に向かえるエンジニアを募集中です。フルタイムでの働き方が難しい方であっても、リモートでの働き方や、パートといった限定社員さんといった働き方もあります。ご興味のある方はご連絡ください、社員一同お待ちしています!

取材日:2024年8月1日 ライター:山口 夏織

株式会社アイム―ビック

  • 代表者名:森本 健一郎
  • 設立年月:2005年8月30日
  • 資本金:2,000万円
  • 事業内容:映像制作、グラフィックデザイン、WEB制作、システム開発
  • 所在地:松山本社オフィス 〒790-0003 愛媛県松山市三番町6丁目3-4 松山パルビル5F
  • URL:https://www.eyemovic.com/
  • お問い合わせ先:050-5490-7401

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