「おっ」と思わせるクリエイティブを多才なメンバーとともに

仙台
株式会社インテグ 代表
Hirokazu Suganami
菅浪 ヒロカズ

仙台でも屈指のクリエイティブプロダクションとして名を馳せる株式会社インテグ。グラフィックからWeb、映像など幅広い領域を、ただ手がけるのみならず、クライアントの本質的な課題解決に迫るコンサルティング力を強みにしています。異なる強みを持つメンバーとともに顧客の「想像を超えるもの」、消費者を「おっ」と思わせるクリエイティブを生み出す同社。代表を務める菅浪 ヒロカズ(すがなみ ひろかず)さんに、同社の特長やクリエイティブに対する思いなど語っていただきました。

グループの一部署から出発し、徐々に領域を拡大

インテグさまの沿革を教えてください。

私自身が入社する以前の話になりますが、グループの総合広告代理店・株式会社ブレインのクリエイティブ部門が分社化する形で、2002年に設立されたのがインテグになります。グループ内での役割分担を明らかにすることが大きな目的だったようです。当時はまだ、広告業界界隈ではクリエイティブ・制作は媒体のおまけ的な扱いをされることが結構あったのですが、クリエイティブをきちんと一つの価値として出していこうという意図があったと聞いています。
当初はブレインからの仕事がほとんどだったのですが、現在ではクライアントとの直接取引などグループ外からの仕事も増えています。

菅浪さんのインテグ入社までの経緯を教えてください。

子供の頃から、絵を描いたりモノをつくったりするのが好きだったので、将来はそういった仕事に就きたいと思っていました。新卒でデザイン会社に入社し、飲料会社や自動車メーカーなどさまざまなクライアントの広告やブランディングに、デザインやディレクションで8年ほど携わってきました。
そこで経験を積んだあと、クリエイティブを強化したいとお誘いをいただき、04年にインテグに入社しました。当時、クリエイティブ・エージェンシーという言葉をよく耳にするようになった時期で、クリエイティブに重心を置いて戦略策定・実行まで携われる仕事ができるのではないかという可能性を感じたことが大きかったですね。

どういった経緯で代表になられたのでしょうか?

インテグ入社後、グラフィックをはじめ、Webや映像などのクリエイティブに携わってきましたが、11年の東日本大震災のあと、広告がほぼすべてストップする事態に陥りました。そのときに、東京の大手広告代理店から声をかけていただき、デジタル系の外国企業と合弁で立ち上げた会社に1年ほど出向する機会があり、そこで、グローバル案件や最前線のデジタル施策などの実務を通して勉強でき、非常に大きな経験を積めましたね。
そして、21年7月に、グループ全体として、若い世代に中心を移していくという方針の下で、チャレンジの機会をいただき、代表に就任したという流れです。

異なる強みを持つメンバーで幅広いクリエイティブを担う。ジャズフェスのユニークなアイデアで、仙台広告賞受賞

インテグさまの社員数とその構成を教えてください。

現在10人で、総務・人事管理などを担当する1人以外は、皆クリエイターになります。それぞれがグラフィックやWeb、映像、など得意とする分野を持っていますが、1人1人が案件のディレクションまで担うディレクターです。案件に応じて、メンバー同士が有機的に連携していくイメージですね。私自身も、経営・管理業務はありますが、まだまだ現役のプレイヤーとして、メンバーと一緒にクリエイティブ業務も行っています。専門の営業職は置いていないのですが、今度新たに企画に強いプランニングディレクターが加わるので、新たな動きも起こしていきたいと考えています。

インテグさまの強み、特長を教えてください。

ブランディングから販促、広告まで一貫してサポートできるところですね。そして、アナログからデジタルまで、WebやSNSまでをトータルでサポートできるのは強みだと思います。大抵の制作会社だと、グラフィックに強い、Webに強いといった具合に通常分かれますが、そこを一貫してできるのは大きいと捉えています。それができるのは、それぞれに異なる強みを持ったメンバーが集まっているのもありますが、デザイン・制作を個別の仕事ではなく、「ビジネスにどうコミットするか」を常に考えられているからではないでしょうか。ポスター一つとっても、徹底して企画から考えられるのも大きいと思っています。
また、週1回勉強会を開いて、メンバーでデジタルに関するナレッジをシェアしています。当社ではコロナ禍が始まってすぐにテレワークに切り替えましたが、話し合いをより密にするには直接のコミュニケーションが必要と考え、週1回出社にしました。コロナ禍でオンライン会議ツールが発達したことや、業態的なこともありますが、それでも十分にやれていますね。

インテグさまの携わった案件の具体的な事例を一つ教えてください。

コロナ禍が始まった年の定禅寺ストリートジャズフェスティバルでのプロモーションでしょうか。仙台の秋の風物詩になっている一大イベントなのですが、30周年を迎える21年はコロナ禍でリアルでのイベントが一切できなくなっていた状況でした。仙台の文化として根付いているイベントですし、ボランティアなど援助が大きいこともあり、途絶えさせずに継続させたいということで、29周年と30周年のはざまの「29.5」周年と位置づけ、プロモーションを企画。YouTubeでのオンラインイベントをはじめ、ステッカーやスマホスタンド、Tシャツなどの公式グッズを制作し、特設サイトでの販売などを通して、「29.5」を盛り上げることに成功しました。無事翌年22年に、従前からはかなり規模が縮小したもののリアルでのイベント開催につなげられました。「29.5」の一連のプロモーションは各所から高い評価も受け、仙台広告賞も受賞しました。

定禅寺ストリートジャズフェスティバルでの「29.5th」プロモーション
https://creative-integ.jp/project/jsf/

顧客の「想像を超えるもの」を目指す。クライアントに伴走する動きを強化

「クリエイティブが心を動かす」というパーパスなどは、菅浪さんが代表になられてから制定されたのでしょうか?

そうですね。以前からこういった理念的なものはあったのですが、代表になったタイミングで自分の言葉にしてメンバーと共有したいと思い、制定しました。
パッケージデザインやロゴなどにしても、こういうものをつくりたいというお客さまの考えがあると思うのですが、その想像を超えるものをつくっていきたい。そのうえで、それを見た消費者の方も「おっ」と思うもの、ハッとさせられるようなものをつくっていきたいという思いを込めています。
広告、宣伝は人と人とのコミュニケーションですから、その心を動かしていくのが私たちの務め。特に、「が」というところがこだわった部分で、クリエイティブという当社の専門性を強調し、我々のアイデンティティを表現するものにしました。そのほか、ビジョン、ミッション、バリューを制定して、メンバーが仕事への考え方や姿勢を共有し、拠り所となる言葉を定めました。

今後の事業展開について教えてください。

受託で広告制作を請け負う仕事はベースでやっていきながら、よりクライアントに本質的なところで向き合って長期的にサポートしていく動きを強化したいと考えています。今後、ブランディングの長期戦略に携わっていきたいと考えているなかで、SNSの運用サポートを一つの事業として確立しようと動いています。無料で情報発信ができるSNSは現在ブランディングやプロモーションに欠かせないツールとなっていますが、長く続けられない、その専任の担当者を継続的にアサインできないというのが多くの企業の実情です。そこで、私たちがプロとしてサポートしながら、そのノウハウをお客さまに蓄積できるようなシステムの開発を、市の助成金もいただいて進めています。
また、ブランディングを行う際に、ロゴをはじめとしたデザインの変更などを、社長や会長の鶴の一声で決まったものの、社員がついてこられないというケースが多く見受けられます。そこで、社員の方にも課題の認識や、新たなブランドの浸透を図るためのワークショップを行ったりしているのですが、そういったワークショップの企画・運営なども、今後一つの事業として、確立させていきたいですね。

今後、インテグさまとしてどのようなクリエイターと仕事をしていきたいですか?

ユニークな発想を持つ創造的な方ですかね。あとは、誠実な方。情報が使い捨てになっている時代なので、誠実に本質に向き合って、企画やデザインができるような方と仕事をしていきたいです。クライアントのビジネスに貢献するのはもちろんですが、面白い仕事をしていきたい。ただ正しいことを出していくだけの仕事は割とすぐできると思うのですが、人が本当に求めているのはそこじゃないという気がしています。我々もクライアントもプロセスから楽しめて、それを受ける消費者にも面白がってもらえるような、そんな仕事をインテグは追求していきたいですね。

取材日:2023年10月13日 ライター:高橋徹

株式会社インテグ

  • 代表者名:菅浪 ヒロカズ
  • 設立年月:2002年6月
  • 事業内容: ブランディングデザイン、CI・VI、UX・UIデザイン、WEBデザイン、動画/映像企画・制作、会社案内、学校案内、TV・ラジオCM企画、グラフィックデザイン
  • 所在地:〒981-0933 宮城県仙台市青葉区柏木2-2-7
  • URL:https://creative-integ.jp/
  • お問い合わせ先:022-344-9313

日本中のクリエイターを応援するメディアクリエイターズステーションをフォロー!

風雲会社伝をもっと見る

TOP