「好きこそものの上手なれ」で分業化、極めるデザイン。顧客の悩みを解決=「code4」

仙台
株式会社code4 (コードフォー) 代表取締役社長
Hideto Kashiba
柏葉 秀人

宮城県仙台市の株式会社code4(コードフォー)は、デザインに特化して、Webサイトなどを制作しています。代表取締役社長の柏葉 秀人(かしば ひでと)さんは、会社員、会社役員、フリーランス、会社社長のそれぞれの立場でデザインに取り組むなか、常に「デザインが好き、デザインを中心に仕事をしたい」という原動力がありました。「誰でも好きなことをやり続ければ得意になっていく」という信念を持つ柏葉さんから、クリエイティブな仕事をする上で何が必要なのか、どう取り組むべきかをお伺いしました。

DTPからWebデザイナー、そして会社設立とデザインへの思いを形に

起業する前に会社員とフリーランスをご経験されているとうかがっていますが、もともとWebデザイナーのお仕事をされていたのでしょうか。

私は宮城県登米市の出身で、仙台市の専門学校でデザインを学んだ後、会社員として印刷物などをデザインするDTPデザイナーをしていました。ただ、紙のデザインに限らず新しい技術も学びたいと考え、退職。職業訓練校のWebデザインスクールに3カ月ほど通い、卒業後はフリーランスのWebデザイナーとして独立しました。
2014年ごろに独立した直後は、まったくお客さまがいなかったため、異業種交流会のような集まりに出かけていましたね。そこでいろいろな方に営業をして、知り合った方々のホームページやWebデザイン、名刺、パンフレットなどの制作をしていました。 その後、フリーランス時代に知り合った方に誘われて17年に役員として会社に入社しました。

役員として入社した会社は、どのような会社でしたか。

Webサイトやアプリ、システムを制作する会社でした。開発の拠点はインドネシアにあり、インドネシア人のメンバー5人ほどと英語でやりとりをしていました。
現在、その会社は日本人のメンバーも増え、規模が大きくなっています。私はデザインを中心に頑張りたい思いが強くなったことから、20年の春ごろに辞めてフリーランスに戻りました。

法人化のきっかけを教えてください。また、フリーランス時代と比べた会社設立後の変化、メリットはどのようなことがありましたか。

フリーランスに戻った当初は、法人化を考えていませんでしたが忙しく働く中で、節税面を考え、法人化しました。
ただ今考えると、法人だからこそ発注や紹介をいただけることも多く、その点は大いにメリットを感じています。また、法人化したことで、自分自身の意識も変わり、会社としての責任感が生まれました。

オールジャンル全力で取り組み、お客さまの困りごとを解決する「code4」に

社名「code4」に込めた意味を教えてください。

私は刑事アクション映画が好きなのですが、このジャンルの映画の中でよくあるシチュエーションをもとに名付けました。例えば、容疑者を逮捕した後に、協力のために集まってきた仲間たちに解決した旨を伝える暗号として、無線で「code4」と伝えます。
弊社も、会社の悩みや困っている状況を、デザインを通じて解決して「code4」にできたら、という思いで名づけました。

御社の得意な業種、分野などを教えてください。

弊社はデザインに特化しています。Webサイトの制作をトータルで受けて、私がデザインを担当してパートナーにコーディングなどを依頼する場合もありますし、プロジェクトの中で、ディレクターとやり取りをしながら私がデザイナーとして入る場合もあります。
分野や業種に関係なく、どのジャンルにも対応できるように努めています。お客さまの意向を形にしたその先で、お客さまとエンドユーザーに喜んでいただくことが一番だと思っています。

御社の強みを教えてください。

Webサイトだけでなく、アプリやロゴ、イラストなど幅広く制作できることが強みだと思います。仕事はWebサイトのデザインが一番多いですが、アプリや印刷物、ロゴデザインやイラストの制作、キービジュアルのグラフィックなど、求められるものに対してトータルで対応しています。
中でも、動画やイラストなどを使った動きがあるWebサイトを制作できるのはかなりの強みだと思っています。自社のWebサイトのイラストは、自分で手書きで一コマずつ描いたものをアニメーションにしています。
また打ち合わせでは、デザイナーである私がその場でデザインのイメージを描きおこしながら、「こういうデザインはどうですか」と提案できます。事前にイメージのすり合わせが可能なため、そういった点も重宝していただいているようです。

「好きこそ物の上手なれ」。「好き」を極めるメンバーの分業でクオリティを高める

良いデザインをつくるために心掛けていることやノウハウはありますか。

クライアントが求めているものは、仕事以外の会話や趣味などにヒントがある場合もあるので、しっかりコミュニケーションをとります。
また、Webサイトやアプリの構成はじっくり考えますが、デザインに関しては結構直感が大事。どこかでインスピレーションを受けて、それを形にして提案しています。 例えば、映画や漫画、絵、テレビなどから文字の出し方やストーリーのもっていき方などを学び、自然と仕事につなげている部分があると思います。勉強しているつもりはなく、好きだから自然とそういうものがインプットされて、打ち合わせのときなどにアウトプットされている感じはしています。

「『仕事は楽しい』を追求し、『デザインが好き』だからこそできるクオリティ」というHPの言葉について詳しく教えていただけますか。

私は「好きこそものの上手なれ」という言葉が一番好きで、誰でも好きなことをやり続けると得意になっていくと思います。
私はWebサイトを制作していますが、Webデザインまでやって、コーディングはあまり好きではないので、想定した動きをちゃんと再現してくれる腕のある方、例えばフリーランスのエンジニアや会社の方におまかせしています。好きなことだけに集中し、苦手な部分は信用できるデザイン部門におまかせすることでデザインのクオリティを高めていけていると感じています。
今後人を雇って、会社を大きくする場合も、その体制は崩さず、スタッフが得意な分野、好きなことを分業で進めながら、いいものを楽しくつくっていければなと考えています。

これまでお客さまと一緒につくったデザインで印象に残っている作品やエピソードがあれば教えてください。

思い出深いのは、高所作業を行う建設会社のWebサイト制作ですね。3Dアニメーションの動画をつくってほしいという要望をいただきましたが、そのときは3Dを扱った経験がなくて。考えた結果、以前取引があった海外の会社に3Dデザインの部署があったことを思い出し、依頼しました。
細かい修正を重ね、最終的にお客さまが満足する動画ができました。いまだにそのお話をしてくださるほどです。海外の人もからめて面白い動きができましたし、いい経験になりました。

そのときのように、難しい仕事に挑戦するときに意識していることはありますか。また、つらいと感じたときはどう乗り越えていますか。

難しいことに挑戦すると、つらいこともありますが、終わった後にはお客さまに喜んでいただけます。また、それらの経験や知識が自分の中に蓄積されて、ほかの案件で生かすことができます。そういった経験が、困難な壁を乗り越える糧になっていますね。おかげで、今は楽しいと思う仕事ができています。ただ、どうしても合わないとかネガティブになりそうな場合は、排除することのも一つだと思います。
クリエイティブ業界は夜遅くまで仕事をすることが多く、つらくて辞める方もいます。私は、無理をせず決まった時間に仕事をすることで、家族との時間をしっかりとったり、筋トレや散歩などをしたりすることで、心のバランスをとるようにしています。おかげで気持ちがポジティブになりますし、アイディアが生まれることもあります。

デザインへの特化を武器に、働く場としても魅力ある会社に

今後の会社の展望・目標と、それに向けての課題や具体的な取り組みなどを教えてください。

いろいろな会社とお付き合いが広がる中で、同時に何件ものお仕事いただく場面が増えてきています。現在、デザインの実作業は私1人なので、社員や専属のフリーデザイナーを増やし、会社の規模をもう少し大きくしていきたいです。以前会社を立ち上げたときのように、海外のクリエイターの方の協力を得るのも一つの手かもしれません。
そして、さらに仕事が得られるように「デザインに特化した会社」として認知されるようになればと思っています。ただそのためにも、弊社で働きたいと思われる体制や環境をどんどんつくっていく必要がありますね。
Webデザイナーやイラストレーターの方は後に独立する傾向にあるようです。例えば専門学校を出て弊社に入社して勉強して一人前のデザイナーになって飛び立っていただく、そのときに「すごくいい経験ができて、いい勉強ができた」そんな会社でありたいと思いますね。

Webデザインを志す若い方へのメッセージをお願いいたします。

今は簡単にWebデザイナーになれるかのような広告も見ますが、短期間学校で基礎を学んだだけではなれませんし、職に就いても想像と違う厳しさで辞めてしまう人も多いです。
技術的なことより、まず本当に突き詰めてデザインを好きになることが一番大事だと思います。デザインを好きであり続けると目につくもの一つ一つが自分の中で楽しい勉強につながると思いますし、どんどん技術や知識が蓄積されると思います。

取材日:2023年4月19日 ライター:佐藤 由紀子

株式会社株式会社code4 (コードフォー)

  • 代表者名:柏葉 秀人
  • 設立年月:2022年4月15日
  • 資本金:1000,000円
  • 事業内容:webサイトデザイン / 制作 / ディレクション/アプリデザイン / 制作 / ディレクションDTP / グラフィックデザイン/ 映像 / 動画企画 / 制作 ロゴデザイン イラスト制作 その他クリエイティブ業務
  • 所在地:〒980-0021 宮城県仙台市青葉区中央2-2-10 仙都会館 5階
  • URL:https://code4.co.jp/
  • お問い合わせ先(メールアドレス):hello@code4.co.jp

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