グラフィック2023.03.08

総合広告業で生活に彩りを!寄りそう“利他主義”で、人と街をつなげる

新潟
株式会社プログレックス 代表取締役
Isao Maruyama
丸山 功

2019年に創業50年を迎えた広告代理店の株式会社プログレックス。新潟を拠点とする同社では住宅雑誌「住まいNET新潟」を創刊し、住宅業界に新しい風を吹かせています。代表取締役社長の丸山 功(まるやま いさお)さんは、顧客だけでなく、同業者、社員にも寄りそう利他精神で、飲食業や住宅会社紹介事業なども展開。歩みを止めず、新しい事業に挑戦する際の思い、一緒に働きたい人材などについてお伺いしました。

「人と街をつなぐお仕事」。社員の可能性を信じ、営業ノルマはなし!

丸山さんは何代目の社長さまですか?

4代目です。高校を卒業後、約6年半の間で2、3社を渡り、1990年にプログレックスの前身である有限会社多摩広告に入社しました。当時は、私を入れて4人という非常に小さな規模でしたが、合併などを経て、徐々に規模を拡大しました。私が代表となった2009年からも人が少しずつ増え、現在は15人の仲間と一緒に仕事をしています。

御社の業務について教えてください。

人と街をつなぐお仕事をさせていただいています。会社の立ち上げ当初は、紙媒体やテレビ、ラジオといった電波媒体を対象とした広告代理店という色が濃かったですね。
リーマンショック以前は、人材派遣を対象とした求人業を主軸においていた時期もありましたが、住宅メディアを自社で持つようになってからは、業務の主軸をシフトしました。紙面のみならず、住宅に関わる総合的なサービスを現在はお届けしています。

丸山さんの経営方針を教えてください。

「とにかく周りの人に感謝し、大切にしながら仕事をしてほしい」と一緒に働く仲間たちには言っています。また、全員みんなが好きなスタイルで仕事をしてほしいという思いもあります。ですから、弊社には営業ノルマというものがありません。好きなスタイルで売り上げを立ててくれて構わないけれど、利益の3分の1はみんなで配分して、分け合おうという形態をとっています。「いつかはみんなそれぞれが社長となってもらいたい」「利益を上げる仕事というものを今のうちから身近に感じてもらいたい」。そんな思いからこの形態を取るようになりました。
そしてやりたいことがあった時は、営業でもデザイナーでもうちから会社を立ち上げて社長になってほしいのです。そんな時に他人である社長から課せられたノルマがあったら「これが嫌だから転職・独立しよう」と、マイナスの意味での動きになってしまう可能性もあります。ノルマが絶対にいけないなどの気持ちは決してありませんが、その先にある可能性を考えて、私はノルマをなくしました。

利他精神で顧客と工務店つなぐ場を。住宅誌で「ワクワクを届けたい」

現在、御社の主軸となっている出版業、「住まいNET新潟」について教えてください。

そもそも弊社は、先述のように求人・人材派遣的な事業を軸にしていました。しかし、今後の会社のことを考えると、より会社の基盤を安定させる必要があり、これと双璧をなす事業が必要だと思うようになりました。策を練っていたところ、当時の事務の女性が住宅雑誌のフランチャイズの話を見つけてきました。私自身、住宅設計で失敗した経験を持っていたため、失敗しない住宅設計の専門誌づくりを始めることにしました。それが06年のことです。

競合他誌もあった中で立ち上げた新規媒体の反応はいかがでしたか?

当時、工務店を紹介するカタログ形式の雑誌はありましたが、僕たちが目指したのは、家づくりのワクワク感が増長する雑誌でした。住まいの隅々までのこだわりと工夫、設計上のポイントなどが文章と豊富な写真で分かり、暮らしぶりが読めば分かるというものを目指しました。
何号か出していくうちに、工務店さんたちからの反応が変わってきたのが分かりました。とある工務店さんからは「おたくの雑誌が素敵だから、載せる物件も素敵じゃなきゃいけないと思うようになった」というお言葉をいただきました。デザインや文章のクオリティを上げて、読者の方にワクワクしていただきたいという思いが、工務店の方にも伝播したようにも思え、非常にうれしかったですね。

17年には「住まいNET新潟ラウンジ 鳥屋野」、19年には「住まいNET新潟ラウンジ 長岡」を立て続けにオープンされました。その思いを教えてください。

僕たちの仕事は人の暮らしをよくしていくためのものです。そう考えた時に、よりお客さまに寄り添う形のサービスの必要性を感じ、工務店さんと住宅を建てようとお考えの方をつなぐ、無料で利用できる場所をつくることにしました。
始めようと考えた当初、そのようなサービスを行なっている企業がありませんでしたから、工務店の方にはとにかくお願いして、参加していただきました。それまでの住まいNET新潟で築いたいい関係性があったから、可能になったことですね。

なぜ、無料にしたいと考えたのですか?

利他の精神です。目先の儲けを考えるのではなく、巡り巡って最終的に自分たちのところに儲けがかえってくればいい、というものです。今では多くのお客さまにこの場所を利用していただき、多くの成約につながる場所となっています。

衣食住への関心から飲食店にも挑戦。ダイレクトなお客さまの反応が醍醐味

19年には飲食部門を立ち上げられました。飲食部門誕生の経緯を教えてください。

住まい事業を始めてから、より人の生活に根ざした事業を行いたいという思いが強まりました。いわゆる衣食住ですね。そんな矢先、たまたまご縁をいただき、飲食店を譲り受けることになり、本腰を入れるために事業化したという形です。現在は、2人の仲間が陣頭指揮をとり、新しい挑戦をしています。

未知の世界での挑戦、難しい部分もたくさんあるのではないですか?

これまでのBtoBスタイルとは異なり、飲食はBtoC。お客さまの声が直接飛んできます。だからこそ、早期の対応が求められるので、瞬発力がさらに問われるようになりました。
一方で、うれしいことも直接体験できます。僕もたまにレジに立つことがあります。以前、お客さまがお帰りの際に「このロゴ、素敵ですね」とお店のロゴを褒めてくださったことがありました。実はこのロゴは弊社のデザイナーが制作したものでした。一生懸命に考えて、デザインしたのを間近で見ていましたから、自分のことのようにうれしくなったのを今でも覚えています。

ロゴのコンセプトを教えてください。

店名でもあり、切れ目なく長く続くことのたとえでもある「うしのよだれ」をロゴに落とし込みました。色味もシンプルで牛をイメージできるモノトーンになっています。また、よく見ると平仮名の「う」でもあるんです。シンプルでわかりやすく、個人的にもとても気に入っている弊社デザイナーの作品ですね。

必要なのは「自分がやる」という気概。新しい街づくりにも挑戦したい

現在、御社にはどのような人たちが在籍していますか?

平均年齢は40代前半で、ほとんどが新潟出身。15人が在籍しています。女性の在籍率も多く、半数は女性が占めています。来春採用の新卒者も女性と、徐々に女性の率が高くなってきています。

今後、どのような新事業展開をお考えですか?

不動産業です。新築を考えていらっしゃる方に土地をご紹介して、好みの工務店さんもおつなぎする。そうすることで、スムーズな流れが生まれ、家づくりも円滑に、もっと便利に行えるようになるのではないか、と思っています。可能であれば、統一した雰囲気の住宅が立ち、さらに生活に寄り添える弊社のスポットなども点在するような、新しい街がつくれたら最高ですね。

新しい事業を展開する上でも新たな人材を求めているのですか?

はい、求めています。でも、職種やスキルは具体的にイメージしていません。ほしいのは、「自分が社長になる」という思いです。自らが企画し、事業にしていくような気概のある方を求めています。現在もそうですが、弊社は社内ベンチャーを特に推奨しています。「やりたいことがあったら、声を挙げて。会社で事業としてまずは立ち上げるから」と一緒に働く仲間たちに常に言っています。弊社で既存の事業でなくてもいい。やりたいことを実現したいという強い思いのある方と一緒に働きたいですね。

取材日:2023年1月25日 ライター:コジマタケヒロ

株式会社プログレックス

  • 代表者名:丸山 功
  • 設立年月:1970年11月
  • 資本金:1500万円
  • 事業内容:総合広告業
  • 所在地:〒950-0993 新潟県新潟市中央区上所中2-19-10
  • URL:https://www.progrex.co.jp/
  • お問い合わせ先:025-280-0555

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