WEB・モバイル2023.03.08

趣味だった写真とデザインで企業を“テダスケ”!新事業でカメラマンの需要拡大へ

名古屋
テダスケ合同会社 代表社員
Tada Junichi
多田 淳一

写真撮影を中心に、デザイン、デジタル施策、店舗コンサルティングなど幅広いサービスを展開し、新規事業にもチャレンジしている、名古屋のテダスケ合同会社。起業は「縁遠いものだった」と話す代表の多田 淳一(ただ じゅんいち)さんは、ある出来事をきっかけに営業職のサラリーマンからクリエイターに転身しました。そのいきさつや名古屋を拠点にビジネス展開する理由、今後のビジョン、クリエイターへのメッセージなどを伺いました。

「趣味を仕事にしたい!」。その想いが原動力に

独立までのキャリアを教えてください。

大学は経営学部を出て、社会人になってからは通信や物流、商社などさまざまな業界で営業の仕事をしてきました。しかし働いているうちに、会社のしきたりに矛盾を感じるようになり、フットサル仲間がフリーランスで活躍したり、起業を志したりする姿に触発されて「自分も何かやってみたい!」と感じるようになりました。

起業マインドは元々お持ちでしたか?

サラリーマン時代には「社長になりたい」とか「起業したい」という気持ちは全然なく、会社設立も縁遠いものだったのですが、「大好きなデザインやカメラの趣味を仕事にしてみたい!」という想いは持っていました。それまでもフットサルチームのユニフォームデザインやホームページなどを頼まれることがあり、無償で制作を行っていました。

フリーランス5年目で法人化に舵を切る

どのような形で独立されたのでしょうか?

「まずはやってみよう」と、営業の仕事を続けながら個人事業主としてデザインや写真撮影の請負をスタートしました。結婚式の二次会撮影が最初の仕事依頼でした。
今考えると、当時持っていたカメラなどの機材は頼りないものばかりでしたが、ありがたいことに徐々に仕事が増えていきました。特に撮影の依頼が多くなってきたのでフリーランス5年目の2021年、思い切ってテダスケを立ち上げました。登記の手続きも、電子約款以外はすべて自分の手で行ったんです。

法人化の手続きをご自身で行ったことで、何か違いが生まれましたか?

いざ手続きをしてみると、法務局をはじめ税務署や年金事務所にも行く必要があり、とても大変で。その大変さを乗り越えたことで、会社を続ける覚悟と愛着が生まれたと思っています。
また、個人事業主では契約を結べない大手企業との取引も増えたので、法人にして良かったと感じています。そのぶん責任も増えるので、「いいかげんなことはできないな」と自身への戒めにもなっています。法人化したことで「社会から見られている」という感覚が強くなった気がしますね。

名古屋で起業されたことにも何か意味がありますか?

仕事で東京に出張することも多いのですが、生まれも育ちも名古屋エリアなので地元で起業することにしました。仕事の8割近くは名古屋エリアです。
名古屋にはカメラマンが集まるコミュニティーがあり、助け合える環境が整っているのも魅力の一つですね。

自分の価値は、企業の手助けにあると気づいて

会社名「テダスケ」の由来を教えていただけますか?

個人事業主の時代は「T.A.D.A.クリエイティブ」という屋号で活動していました。友人から「オシャレな感じは伝わるけど、何をしている会社かよくわからないよね」と言われていました。だから、法人化の際には別の名前を付けようと考えていました。
いろいろ考えているうちに、自分ができることや企業価値は「企業の手助け」だと感じるようになりました。画数を調べてみてもすごく良かったので「これは運命だ!」と思い、テダスケにしました。
ちょうど当時は「ラクスル」や「マクアケ」など片仮名4文字のサービスが注目を集めていたので、その時代の雰囲気も後押しになりました。

御社が手がけている事業を教えてください

デザインや写真撮影をはじめ、店舗オープン時のコンサルティング、IT関連、教育・学習支援業など、私が提供できる幅広いサービスを展開しています。
個人事業主の頃はWebサイトの制作依頼が多かったのですが、現在は写真撮影の依頼が増え、大手の子ども向け写真スタジオや幼稚園イベントに同行しての写真撮影などをメインに手がけています。
この仕事をするまでは子どもはちょっと苦手かなと思っていましたが、実は子どもが好きだったんだという発見がありました。子どもたちも、私をアニメのキャラクターのように感じて懐いてくれているようです(笑)。

多方面にわたる仕事はどのように広げていかれたのでしょうか?

はじめの頃は、とにかく経験や事例を増やすことが大切だと思って採用ポータルサイトなどでカメラマンを募集している企業にどんどん営業をかけていました。そこで出会った別のカメラマンさんと仕事を融通し合っているうちに、仕事がどんどん広がっていきました。
断られても全然へこたれない、サラリーマン時代に培ってきた営業の経験が生きたのかもしれませんね。

レスポンスとスピード感を大切に、課題解決に導く

御社の強みはどんなところにありますか?

現在はカメラの仕事をメインに行っていますが、自身が対応できる領域が広いので相談いただけたら悩みや課題を一括して解決できるのが強みだと思っています。
例えば名古屋にあるアイリッシュパブのお客さまの場合は、オープン時のオーディオビジュアルの選定からIT環境のコーディネートまで、店舗演出のコンサルティングのような仕事を手がけました。
ほかの飲食店さまではWebサイトやTシャツ、ステッカーまで、販促をトータルで手がけたこともあります。もし私ができないことでも、これまでのノウハウを生かして外部連携で解決に導いています。

日々のお仕事で心がけていることは何ですか?

ビジネスの流れを止めることがないよう、コミュニケーションのボールを自分の手元にずっと置いておかずに、レスポンスにスピード感を持って返すことを常に意識しています。
フットサルチームに仲間からすごく慕われている方がいて、その方はLINEの連絡一つとってもレスポンスがすごく早くて丁寧なんです。些細なことかもしれませんが、それが人間関係にすごく大事なことだと気づいて実践しています。
ビジネスの現場でも、仕事ができる方ってレスポンスが早い方がとても多いですよね。

仕事で手応えを感じるのはどんな時ですか?

やはり、いい写真が撮れた時ですね。撮影した写真を見返している時に、いい写真を見つけると「この仕事をしていてよかったなー」とうれしくなります。

新たなサービスの開発で、みんながハッピーな状況を

これからのビジョンを教えてください。

現在メインにしているのは現場に行くのが前提の仕事ですし、撮影対象の子どもたちは元気いっぱいなのでずっと現役で続けるのは難しいと思っています。撮影を依頼されるプレイヤーのポジションから、依頼するポジションに移っていく計画を立てています。
具体的には、これまでメインで行なってきた子ども向けの撮影ではなく、ご高齢者に向けた撮影サービスの立ち上げ準備を行なっています。今は実証実験や資料づくりの段階で、サービス内容のブラッシュアップに取り組んでいます。
これまでにないサービスによってカメラマンの仕事全体に新たな需要が生まれれば、みんながうれしい状況が生み出せます。子ども向けの撮影は繁忙期とそれ以外の差が大きいため、その落差を埋める対策にもなると考えています。
「会社を大きくしたい!」といった想いはありませんが、新たな事業が軌道に乗り、社員を募るタイミングになったら合同会社から株式会社への転換も視野に入れています。

クリエイターとしての価値を上げる一歩を

最後に、世の中のクリエイターにメッセージをお願いします。

昨今では、フリーランスのクリエイターに優しい時代になってきていると感じます。かつての私のように今までの仕事との並行でもかまいませんので、まずは一歩を踏み出すことが大切だと思います。すごく実力があるのに、踏ん切りがつかない方もたくさんおられるのではないでしょうか?
また、クリエイターとして、1円でも10円でもいいので「お金に換える」ことを意識して動いてみてください。私も昔は友人からの依頼を無償で受けたりしていましたが、ためらわずにお金に換えるアクションをすることで、その仕事へのモチベーションも責任感も大きく変わります。自分の作品への価値も、そこから生まれてくると思います。

取材日:2023年1月26日

テダスケ合同会社

  • 代表者名:多田 淳一
  • 設立年月:2021年6月
  • 資本金:100万円
  • 事業内容:サービス業(マスコミ・広告・出版)、IT・インターネット関連、コンサルティング業、教育・学習支援業、飲食店・宿泊業
  • 所在地:〒464-0012 名古屋市中区千代田2-2-34 真野ビル401
  • 電話番号:052-766-7033
  • URL:https://tedasuke.info
  • お問い合わせ先:https://tedasuke.info/contact-us/

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