WEB・モバイル2022.12.21

目指すは“日本一”のクリエイティブ集団、「お客さまの笑顔に出会えたときが一番うれしい」

大阪
コウヘイデザイン株式会社 代表取締役
Tanaka Kohei
田中 耕平

大阪府と東京都に拠点を構えるコウヘイデザイン株式会社は、デザイン事業を中心にムービー制作・Webマーケティング・ブランディングなど多種多様のクリエイティブ分野を手掛けています。「お客さまの笑顔に出会えたときが一番うれしい」と話す代表取締役の田中 耕平(たなか こうへい)さんは、「お客さまファースト」を信念としており、単なる制作会社ではなく、より包括的な企画・提案をしていくことが大切だと考えています。そんな田中さんに、事業を立ち上げた経緯から事業内容、今後の展望などについて話を伺いました。

会社員時代に言われた思いがけないひとことで独立、独学でデザイン学ぶ

コウヘイデザインを立ち上げるまでのキャリアについて教えてください。

独立するまでの私は、関西にある企業の広報宣伝部に勤務していました。そこで、いろいろな広告制作やPR業務に約3年間携わっており、広告代理店と一緒に仕事をしたり、記者クラブでの会見準備をしたりするなど、さまざまな業務に関わってきました。
あるとき、アートディレクターの見よう見まねで作った制作物が広告代理店の人の目に留まり、「独立したらどうか」と勧められたんです。もともと母が服飾デザイナーをしていた影響でデザインには興味があり、そこから独学で勉強し、2002年に独立しました。

いずれは会社を立ち上げたいという思いはお持ちでしたか?

勤務していた企業は、関西では大手といわれているところでしたから、退職を決めたときには周りも驚いていました。しかし私自身、おおよそ将来の予想がつく会社員は性に合わないと感じていた部分もあり、心のどこかで「いずれは独立したい」という気持ちはあったかもしれません。

会社設立に当たって、当時の思いを聞かせてもらえますか?

独立から4年後の2006年に法人化し、3人のスタッフでスタートしました。当時からものを考えることが大好きで「いろいろな楽しいことを考えられる会社にしたい」という思いがずっとありました。
社名は、祖母が付けてくれた自身の名前「耕平」から名付けました。幼少期から両親が共働きで、「おばあちゃん子」だったこともあり、「祖母が付けてくれた自身の名前を大切にしたい」との思いを込めています。

我々は「アーティスト」ではなく、商用美術を作る「クリエイター」

現在の事業内容について教えてください。

弊社は、Web・グラフィック・動画・Webマーケティング・ブランディング・スペースデザインなど、クリエイティブ全般の事業を展開しています。あくまでも顧客第一主義の観点で、お客さまが求めるものと我々のノウハウを融合させたクリエイティブを提供していくのが使命であると思っています。
例えば、Webサイトを制作するに当たっては、「なぜこういうデザインになったのか」「目的は何か」といった本質を考えた上で提案し、運営面においてもSEO対策やスマートフォンでの見せ方など、商材やメーカーに合わせて包括的に提案しています。

クリエイターとして田中さんが常に心掛けていることはありますか?

我々は「アーティスト」ではなく、あくまでも商用美術を作っている「クリエイター」であり、デザインはその手段に過ぎないという点です。お客さまの目的に最短で到達させるために、グラフィック・ムービーなどを手段として用い、全体的にクリエイティブしていくことが大事だと考えております。

多彩な業種領域は、どのようにして拡大していったのでしょうか。

私自身、特定の業種へのこだわりはなく、単純に「面白い」と思えば、はじめての分野であってもチャレンジするため、幅広い領域への拡大ができたのではないでしょうか。会社員時代から自社のWebサイトを見よう見まねで作ってみたり、独立して間もない頃に自分でCM動画を作ってみたりしてきた経験があるからこそ、さまざまな業種に対応できていると自負しております。特に、前職の広報宣伝部で学んだことが全て生かされており、今思えば「よくその部署に異動させてくれた」と感謝しています。

医療・美容・メディアなどの専門分野にも対応、大阪・東京の2拠点で業務完結

医療・美容・メディアなどの専門的な知識が必要な業界を取り扱っていますが、業界ごとに担当が分かれているのですか?

医療に関しては、薬事法などの専門的な知識を扱うため、知見のあるスタッフが対応しています。専門性の高い医療分野に対応できるのは、弊社のアイデンティティの一つであると考えています。
美容・メディアについては、私自身が勉強して知識を入れています。現在、スキンケアのメーカーとのお付き合いがありますが、当初はスキンケアについての知識が全くなく、「これなら任せてもらえる」と自信が付くまで、その分野への理解を深めていくところからスタートしました。

大阪・東京の2拠点にオフィスがありますが、デザイン事務所の中で全国展開されているのは特徴的ですね。

実は、最初は大阪・名古屋を拠点にしていたんです。しかし、名古屋は大阪から近いことから東京に拠点を移し、その後、九州地方のお客さまに安心いただけるよう、福岡にサテライトオフィスを作りました。
現在は、大阪・東京の2拠点でほぼ業務完結しています。スタッフは、大阪が4人、東京が1人、私を入れて計6人という少数精鋭で、リモート上でデータを行き来させながら制作物を一緒に作り上げています。

「お客さまの求める本質を包括的に提案」、顧客第一主義を貫く

御社の強みをひとことで言うと?

顧客第一主義の観点で、お客さまの求める本質を包括的に提案していく、これがコウヘイデザインの強みです。「三方良し」という言葉があるように、売り手と買い手ともに満足し、社会貢献できるのが理想のビジネスです。我々だけ良くてもだめだし、お客さまだけ良くてもだめです。常に消費者がいることを考え、本質をついた提案を忘れずにやっていくことを心掛けています。

田中さんがこの仕事をしていて良かったと感じるのはどんなときですか?

やはり、お客さまの笑顔に出会えたときが一番うれしいですね。どんな疲れも一瞬で飛んでいきます。直近では、ある女優さんを起用したムービー撮影があったんですが、これが精神的にも肉体的にも大変だったんです。自分の中で「制作物は、用意が9割、本番が1割」と考えていることもあり、制作側と昼夜問わずさまざまやりとりし、スタッフも無理を承知でついてきてくれましたが、これがけっこうハードで……。そんな中、撮影が終わった後のセレモニー的な場面で、関わってくれた皆さんから「耕平さん! お疲れさまでした」と労っていただいたんです。そのときは、本当に涙が出そうになりました。どのプロジェクトにおいても、最後に胸が熱くなる仕事って最高です。今回は外部のスタッフでしたが、今度はそれを社内で共有していける会社に築き上げていきたいですね。

10年後には「日本一」のクリエイティブ集団に

今後、どのような会社にしたいですか?

10年後には、「日本一」のクリエイティブ集団にしたいと考えています。「日本一」というと、大げさに感じられるかもしれませんが、そこを目標にしないと会社の成長はないと思うんです。そこで、「新生・コウヘイデザイン」を目指し、増員含めさまざまなリスタートを考えております。旧態依然ではどうしても淘汰されていくため、常に新しいことに挑戦していきます。「トップの意見が100%」ではなく、スタッフが意見を発信しやすい環境を作り、「日本一働きやすい会社」を目指していきたい。現在のフェーズでは、「どうすれば働きやすい職場になるか」をみんなで一緒に考えていきたいです。

現在抱えている課題はありますか。

人材面での育成、教育の部分です。今の体制だと、どうしても指示待ちになることが多いため、スタッフ自ら行動できる環境作りをしていかねばなりません。これまでは忙しさにかまけて教育面での体制がきちんとできていなかったため、その反省点を生かし、私が持っている知識や経験をスタッフに共有する場を作っていこうと考えています。

一緒に働きたいのは「自身がクリエイティブである」との自覚を持つ人材 

一緒に働くスタッフに対して、どのようなことを求めていますか?

いろいろなことに関心を持って勉強してもらい、どの部署に配属されても建設的な議論ができるよう、一人一人に「経営者マインド」を持っていただきたい。それによって、ここで働く意義が出てきますから、そこはシビアに考えてもらいたいです。とはいえ、会社員としての義務や権利も主張いただき、会社側とスタッフ側がバランスの良い関係を保っていくことも大切です。

今後、どんな人を採用したいですか?

ベンチャーマインドを持った前向きな人、自分の考えを明確に持っている人と一緒に働きたいです。現在、クリエイター以外に営業職も募集しており、営業職においても「自身がクリエイティブである」との自覚を持っていただきたいです。受動的ではなく能動的に数字を立て、お客さまが望む舞台を実現していける思考といったところでしょうか。例えば、経理職においても、「どうすれば効率良く経費節減できるか」を考えるために、クリエイティブマインドを生かしていただきたいです。

自己研鑽を忘れず、自分の考えを持っておくことが大切

クリエイティブを通じて、世の中に発信していきたいことはありますか?

実は今、サポート事業にも力を入れており、企業に訪問してPR業務や経営理念の策定などを一緒に考えています。経営理念というのは、会社の経営の根幹に関わってくるところであり、困ったときに社員のよりどころになる法規的なものです。しかし、多くの企業では、自社の経営理念は何かと聞かれても、答えられない人が多いのが実情です。そこで、弊社では現在、自分たちで認識して作っていくプロジェクトに取り組んでいます。クリエイティブというのは、デザインだけではありません。我々ができるクリエイティブ全般の思考や作品を、日本のみならず世界中の人々に向けて発信していきたいと考えています。

これからクリエイターを目指す皆さんにアドバイスをお願いします。

クリエイティブの仕事を続けていくには、自分の意見や思いがなければやっていく資格がありません。そこで、ふたつのことをぜひ心掛けていただきたいです。ひとつは、自己の研鑽を忘れてはいけないということ。常にアップデートし、しっかり勉強していただきたいです。もうひとつは、自分の考えを必ず持っておくこと。受け身ではなく、自身の意見や思いを積極的に発信していくことが大切です。シンプルですが、このふたつさえあれば、あとは何とかなります。弊社では現在、一緒に仕事できる仲間を募集しています。何か面白いことを作っていきたいと思っている人がいたら、ぜひお待ちしております。

取材日:2022年11月8日 ライター:堀内 優美

コウヘイデザイン株式会社

  • 代表者名:田中 耕平
  • 設立年月:2006年8月
  • 資本金:1000万円
  • 事業内容:Web広告、ポスター、パンフレット等各種媒体の広告デザイン・制作
  • 所在地:
    大阪オフィス 〒541-0053 大阪府大阪市中央区本町4-4-17 アート本町ビル1階
    東京オフィス 〒150-0034 東京都渋谷区代官山町9-10 co-lab代官山
  • URL:https://kouhei-design.jp/
  • お問い合わせ先:06-6251-2540 https://kouhei-design.jp/contact/

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