WEB・モバイル2022.09.07

クライアントの運営チームに入りこみ、自走できるマーケティング人材の育成までを支援

仙台
ワンダーデバイス株式会社 代表取締役
Toshifumi Sato
佐藤 利録

Webマーケティングに精通し、さまざまな施策の企画立案から実行支援にとどまらず、クライアントのマーケティング人材の育成までをも担っているワンダーデバイス株式会社。

同社の代表・佐藤利録(さとう としふみ)さんに、業界でもユニークなクライアントのマーケティング人材教育サービスや、そこに至るまでの創業からの事業展開の経緯などについてお話を伺いました。

地域に眠る素敵な商品を全国に届けるため、Webマーケティングの会社を起業

創業までの来歴を教えてください。


学校を出た後に、住宅メーカーを経て、美容室を­­経営する企業に入社し18年間、店舗の経営を管理するマネージャーを務めました。現在ではグループ全体で50店舗、800名規模にも及ぶ企業ですが、私が採用された当時は、事業拡大を目指してマネージャー職を初めて募集するタイミングでした。

そこでは、出店時の店舗開発からブランディング、従業員の採用活動、各種広告やプロモーションを駆使した集客など、幅広く手がけていました。マネージャー業務を通じて成功事例を積み重ねられたことが、現在のビジネスの基盤にもなっていますね。その後は、牛タン専門店に教育担当として約2年勤めた後、2020年にワンダーデバイスを設立、創業しました。

起業する具体的なきっかけなどはあったのでしょうか?


起業へのきっかけとなったのは、牛タン専門店で教育担当をしていた時に、現在のWebマーケティングチームの責任者でもあるパートナーと出会ったことですね。

私自身、美容室を経営する会社時代には店舗の集客を、Web・フリーペーパーのクーポンメディア、CM、チラシ、SNSなどを掛け合わせることで、集客での成功体験を多く積み重ねてきましたが、経験則によるところが大きく、うまく言語化できていませんでした。しかし、牛タン専門店のECサイト立ち上げメンバーとして入社してきたパートナーは、個人でオリジナルブランドを立ち上げてECサイトで販売していた経験や、大手Web制作会社のデジタルマーケティングを担当する部署で教育担当を務めてきた経験のある者でした。その者は私が経験で培ってきたものを、ロジックで説明できたんですね。その時に、「このパートナーと組めばWebマーケティング支援で事業展開ができる」と明確にイメージできるようになりました。

また、私は南三陸町の出身で、地元は東日本大震災で大きなダメージを負ってしまいました。時間の経過とともに、復興に向かって頑張る事業者の数も増えていくのを目にする中で、素晴らしい商品・サービスを持っているのに、必要としている人に届ける力が不足しているように私には見えたんです。であれば、Webを活用して、まだまだ地域に眠っている素敵な商品を、より多くの消費者に届ける支援がしたいと思いました。

基本的に、集客をして、顧客単価を上げて、リピートしてもらうというサイクルは、どの商売でも共通するものだと考えています。その仕組みと私たちの経験やスキルを組み合わせて活用すれば、Webで構築していくお手伝いができると確信し、起業しました。

メンバーがクライアントの運営チームに入り、人材の教育まで手がける

現在の事業内容について、詳しく教えてください


Webマーケティング事業を主に行っています。とはいえ一口にWebマーケティング支援といっても、実際にやっていることはさまざまです。サイトそのものの制作や改善、記事の作成、広告の運用、メルマガの作成、SNSの運用など、数多くの施策がある中で、Webで売上を上げるために必要なことならなんでもやる、というスタンスで取り組んでいます。クライアントによっては、施策を一部切り出して、特定の施策を委託されるケースもありますが、メンバーがクライアントの運営チームに入って、チームのメンバーに寄り添いながら、やるべきことを指導して、目標まで導いていく方法をとるケースもあります。そういったクライアントの人材教育まで行えるのが弊社のユニークなところであり、大きな強みです。

クライアントにはどのような形でご提案することが多いのですか?


クライアントの現状や予算などに応じてではありますが、大きな予算をかけて運用をまるっと委託していただいたとしても、契約期間が終われば、上がっていた成果もゼロに戻ってしまいます。ですので、私たちはクライアントの社内に運用チームをつくっていただき、ノウハウを学んでもらうことで「契約期間が終わっても、自走できるチームをつくっていきませんか」という提案をメインに行なっています。

そうした弊社独特のサービスに同意いただくクライアントが非常に増えていますし、地域を超えて、全国から相談をいただくことも増えていますね。ありがたいことに、新規の案件は、お客様からご紹介をいただいたお客様がほとんどです。

チームに入り込むといっても、コロナ禍の今は、リモート環境がメインとなっているのでしょうか?


はい。コロナ禍で事業を進めてきたので、ほとんどがリモート環境ですね。当初、定期的な訪問を希望していたクライアントもほぼリモートに切り替わりました。私も当初は、やっぱり商談は対面でなければと思っていましたが、実際にZOOMのようなオンライン会議ツールや、Slackのようなチャットツールを使っていると、特に不利益を感じることもありません。また、チャットでやり取りすれば、文字が記録として残るので、言った、言わないのトラブルがなくなるのは大きなメリットだと感じています。クライアントも、現場の若い社員の方々にはほとんど抵抗なく使っていただいていますね。なにより、場所や移動時間にとらわれることなく、ビジネスができるようになったことは、Webでなら場所や時間にとらわれず売上を上げられるという大きな証明になりましたので、クライアントへの説得力もより増したように思います。

メンバーと想いを共有し、理念重視の経営を貫いてゆく

美容室関連事業も手がけられていると聞きました。


現在7名の社員が、Webマーケティング事業に取り組んでおり、それがメインの事業です。またそれとは別に、18年間美容室を経営する会社でマネージャーとして働いてきた私の経験を生かして、美容室の経営コンサルティングも行っています。今でも、数字を見れば、人材から、単価から、材料から、どこをどういじれば売上が上げられるかわかりますし、おおよその美容室であれば、売上を上げられる自信を持っています。また最近では、美容商材を開発している会社からも「どう美容室に売り込んでいけばよいか」と相談をいただいて、マーケティングのお手伝いをしています。私自身、「ヘアースタイルで人生は変わる」と本気で思っていて、美容室業界が大好きなんですね。今後は、Webマーケティングとシナジーのある事業も構想しています。

今後、会社の展望はどのように考えていらっしゃいますか?


おかげさまで、断らざるを得ないほどのご依頼をいただいており、より多くのご依頼に応えられる体制をつくっていきたいと考えています。しかし、マーケティングのスペシャリストとしての仕事を提供できなければ意味がありませんので、むやみに規模を拡大しようとは考えてはおりません。「良い商品、サービスを拡げていきたい」という会社やオーナーの想いに応えていくのが創業からの理念でもありますので、仕事を選択する基準も、予算の多寡だけではなく、「この会社、このオーナーの役に立ちたいと思えるかどうか」に重きを置いています。社長としては、もっと予算にシビアになる必要があるのかもしれませんが、理念を曲げずにいきたいと思っていますし、それはメンバーたちとも共有しています。

今後、どのようなメンバーと仕事をしていきたいと考えていますか?


一番に重視しているのは想いですね。どのような仕事をしたいのか、仕事を通じてどのように成長したいのか、採用面接ではそういった想いを測るようにしています。
そして、素直さも重要です。例えば、画像加工ソフトや動画編集ソフトを扱えるというのは、弊社でもすぐに生かせるスキルですが、スキル自体は後からいくらでも教えていくことができます。その時に、教えたことを吸収して、自分のものにしていくためには、素直さは欠かせません。また、今必要とされるスキルも、今後AIが発達することで、数年後にはAIに任せてしまう業務も多くなっていくのではないかと考えています。必要とされるスキルが変化していく時代にあっては、それを柔軟に取り込んでいく素直さは重要な資質ではないでしょうか。

取材日:2022年8月18日 ライター名:高橋 徹

【会社概要】
・会社名:ワンダーデバイス株式会社
・代表者名(かな):佐藤 利録(さとう としふみ)
・設立年月:2020年6月
・事業内容:マーケティング事業、SNS運用代行、ホームページ制作、メディア事業、インターネット広告事業、美容室マネジメント事業
・所在地:〒982-0011 宮城県仙台市太白区長町8-11-20高橋ビル1-401
・HP: https://wonderdevise.co.jp
・お問い合わせ先:https://wonderdevise.co.jp/contact/

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