WEB・モバイル2022.08.10

「nothing else」 他にはないシステムを実現し、 AIを人のために活かす会社「Noel」

名古屋
株式会社 Noel 代表取締役
Tomoyasu Takemura
竹村 智康

人流解析や感情の可視化など、先端技術を駆使した“使えるAIシステム”の開発を手掛ける株式会社 Noel。自社Vチューバー(バーチャルYouTuber)の「乃江瑠パスタ」も着実にファンを増やしています。今回は代表の竹村 智康(たけむら ともやす)さんに、最先端のAI開発に挑戦したいきさつや多彩なビジネス展開、今後の展望、クリエイターへのメッセージなどを伺いました。

営業からSE、そしてAIの世界へ

起業までのいきさつを教えていただけますか?

大学時代はまじめな学生ではなかったので就職活動のスタートも遅く、秋口にたまたま参加した就職フェアで見つけたカーセールスの仕事に就きました。人とのコミュニケーションが好きなので向いているかなと思ったのですが、けっきょく肌が合わずに2年半ほどで転職しました。
転職先の仕事はSE職。「将来を見据え、何か手に職をつけられる仕事を」と考え、選んだのがSEの仕事でした。過去にプログラミングの経験は全くありませんでしたが、学生時代に理系で学んだ考え方が役に立ちました。医療系のシステムインテグレーターで電子カルテ関連業務を中心に18年ほどのキャリアを積み、その頃に注目を集めはじめた「AI」の世界に興味を抱いて独学で知識を身につけ、2019年にNoelを立ち上げました。

なぜAIに興味を持たれたのでしょうか?

SEとして働いている時に猛烈に感じていたのが「何かひとつ最先端をいかなければ上にいけない」という思いだったんです。
また、組織で仕事をする中で“絶対に正しい”と思うことが通らない歯痒い思いも経験し、独立して自分の力や可能性を試してみたいという気持ちも抱いていました。それを叶える手段としてAIに目をつけました。

独学でAIを学ぶのは大変ではなかったですか?

学び始めた当時はAIに関する情報がとても少なく、インターネットや書籍から情報をかき集めて学んでいきました。カメラを使った文字解析のAI開発からスタートし、試行錯誤していくうちに「AI技術をものにできる!」と確信したんです。
その頃はちょうど社内がゴタゴタしていた時期だったという状況も手伝い、周到な事業計画などを用意することなく「会社をつくっちゃえ!」と勢いで起業しました。

会社名「Noel」に込められた思いを教えてください

「Noel」のネーミングは語感で決めたのですが、そこに「nothing else(他にはない)」という思いを込めています。
他にはない本当に必要なシステム構築をNoel独自の技術力で実現し、AIを人のために活かすのが、私たちが進んでいく未来です。

圧倒的な開発スピードと使いやすさを

御社が手掛けている事業を教えてください

現在は「システム開発」「AI開発」「エンターテインメント」の3つの事業を進めています。
システム開発では医療系のシステムを中心にお客さまに寄り添ったものづくりを行い、AI開発ではビジネスから医療分野までの多くのプロジェクトに参画しています。プロジェクトは多くを語れない研究段階のものが多いのですが、例えば大規模な病院で手術を行う執刀医と麻酔医、看護師などのチーム、機器類、手術室などのマッチングを自動で行うAIなどの開発も行なっています。AIは開発に高額なコストがかかるイメージがありますが、私たちは低コスト&低リスクの中小企業でも導入しやすい仕組みを独自開発しています。そしてエンターテインメント領域ではVチューバー(バーチャルYouTuber)の「乃江瑠パスタ」をプロデュースし、現在は13,000人超のフォロワーがいます。

各事業の強みも教えていただけますか?

システム開発ではレスポンスと開発スピードの速さを強みにしています。お客さまから「えっ? もう開発できたの!?」と驚かれることが多いです。
AI開発では、技術力はもちろん使いやすさを評価いただいています。AIの世界では、単発のアイデアが先行して既存システムへの組み込みがされていない事例が多い状況です。当社は“ヒトが使えるAI”の開発を積極的に進めることで、他社にはない価値の創造につなげています。また、大規模なサーバーやクラウドに依存しない小型のエッジコンピューターを活用した開発ノウハウも強みです。手のひらサイズのエッジコンピューターをオフラインで組み込むことでコストが下げられますし、情報漏洩のリスクも少なくなります。
エンターテインメント領域の強みは「乃江瑠パスタ」のキャラクターと継続性ですね。企業Vチューバーとして長期にわたる活動を続けている事例は非常に少なく、得意とする「歌ってみた」コンテンツの選曲にもオリジナリティがあります。今後も活動を続け、乃江瑠パスタを誰もが知る企業Vチューバーに育てていきたいですね。フォロワー数100万人を目標にしています。

現在、特に注力されているプロジェクトを教えてください。

AI技術では「人流解析」と「感情の可視化」に力を入れています。2022年夏にリリースしたAI×トラッキングサイネージ「Noel Pasta」では、カメラを取り付けたデジタルサイネージの前を通る人の性別や年齢、感情などをキャプチャリング&データベース化し、ターゲットに合わせた的確な情報の表示ができます。この「Noel Pasta」にもエッジコンピューターの活用ノウハウが生きています。
導入いただいている名古屋市の居酒屋「鳥まる商店」さまの事例では、店舗の前を通る人にさまざまな声かけをすることで集客に貢献しています。タブレットを使ったオススメメニューのレコメンドシステムも新たに開発中です。在庫状況や利率データとの連動で、戦略的なメニュー提案が可能です。
人流解析と感情の可視化は展示会でも活躍し、訪れる人々のデータを分析するなどマーケティングへの活用が期待されています。

最先端をカタチにする技術者集団

これから、どのような会社にしていきたいですか?

「Noelと言えば最先端」という強いイメージ付けをしていきたいですね。現在はAIに注力していますが、AI技術だけに固執しているわけではありません。すごい技術が新たに生まれたら果敢にチャレンジする予定です。
現在は10名ほどの少数精鋭の体制ですが、50名規模にしたいと考えています。組織としての体力をつけ、最先端の技術を追求していきたいです。
また、現在の受注主体のビジネスモデルから、オリジナル商品の発信を主体としたビジネスモデルへの転換を目指しています。新しいアイデアをカタチにし、それを自らの力で発信できる技術者集団であり続けたいです。

最後に、クリエイターにメッセージをお願いします。

仕事を通じてサウンドクリエイターやイラストレーター、動画編集者などたくさんのクリエイターさんと関わっています。私たちのようなSEの仕事にも、クリエイティブの要素があります。
クリエイターさんとの仕事を通じてよく感じるのが、その仕事ぶりにムラがあることです。組織に属するクリエイターさんに依頼する際はチームのバックアップがあるので安心感がありますが、逆に、責任感を持って高いクオリティを維持できる方にはおのずと仕事が付いてくるのだと思います。
クリエイターの資質として大切なのは「ゴールを見る力」だと感じます。自分の将来像や手がける仕事の完成図を想像する力を養うことで、仕事にいい影響が生まれると思います。
また、仕事として請け負ったとしても、あなたが手掛けた制作物は世に出るものです。クリエイターとしてのプライドを持って、常に高いレベルのアウトプットを目指してください。

取材日:2022年7月1日

株式会社 Noel

  • 代表者名:竹村 智康
  • 設立年月:2019年8月
  • 事業内容:画像解析AIシステム開発 / AI導入コンサルティング/ 医療関連システム / システムインテグレータ  AIトラッキングサイネージ(NoelPasta)開発及び導入 AIワークステーション(NoelSpec)開発販売 AI人流解析トラッキングシステム
  • 所在地:〒450-0003 名古屋市中村区名駅南一丁目28-26 宇徳ビル7階
  • 電話番号:052-526-8801
  • URL:https://www.noel-ltd.com/
  • 連絡先:https://www.noel-ltd.com/contact/

※掲載の社名、商品名、サービス名ほか各種名称は、各社の商標または登録商標です。

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