WEB・モバイル2022.01.05

スペシャリスト集団が生み出す“圧倒的な価値”で世界に挑む!

松山
株式会社クロスコミュニケーションズ代表取締役 
Tomotada Yamaguch
山口 智忠

ホームページやECサイト制作からスタートし、今ではWeb事業全般をワンストップで手掛ける株式会社クロスコミュニケーションズ。愛媛県松山市を拠点に、全国そして世界へと発信を続けてきました。代表取締役の山口智忠(やまぐち ともただ)さんは、学生起業家や商工会議所の経営指導員など多彩な経験の持ち主です。今回、起業の経緯や会社の強み、今後の展望などをじっくり伺いました。

 

商工会議所を退職して武者修行。人脈を築き起業へ

 

これまでのキャリアを教えてください。

大学生のときに学生起業家を育てるプロジェクトに参加し、半年間ほど商店街の空き店舗を利用して商売を体験しました。プロジェクト終了後は、学生が中心となって支援団体を立ち上げ、商工会議所も巻き込んだ商店街の活性化事業として継続。そうした活動を通して、商売の秘訣など貴重な学びを得られました。

大学卒業後は大手企業に就職を考えましたが、当時は就職氷河期でもあり、志望する会社には入れませんでした。そんな折り、商工会議所の方が「まだ就職が決まっていないなら、商工会議所で募集をしているから試験を受けてごらん」と声をかけてくださり、たまたま飛び級で受かることができたんです。

それから2年ほど、経営指導員として四国青年部の担当をさせていただくなど、さまざまなことを勉強させてもらいました。ただ、学べば学ぶほど行政と経営者の立場に溝を感じ、このままでは自分が思うサポートはできないと思うことも増えていきました。

どのような溝を感じたのですか?

ある日、ベテランの経営者さんに対して、キャッシュフローや従業員数などの説明をしていたとき、「君は人を見ず、数字だけで話をしている。商売のイロハも知らないのに上から目線で机上の空論を語るな」と怒られたことがありました。

学生時代からお世話になっている商店街の方々に、いつか恩返しをしたいという気持ちで商工会議所に入ったのですが、当時の自分はいわゆる頭でっかちの状態だったんだと思います。

その一言で勉強と実践はまったく違うことを痛感し、「このままの自分ではいけない」と退職を決めました。そして経験を積むため、武者修行に出ることにしたんです。

とにかくあらゆる業種業態に飛び込み、必死になって仕事の経験を積みました。時間もなかったので、無我夢中でしたね。おかげで本当にいい先輩方に出会えて、たくさんの経営者の方々にご指導いただきました。

武者修行時代の人脈が、御社の今を支えているのですね。

それもありますが、やはり学生時代から始めた人脈作りの活動が大きいのだと思います。大学生の私には商売に必要な「ヒト・モノ・カネ」がありませんでした。その代わりに、情報を対価に変えようと思いました。情報を手に入れて、いろいろな人脈を広げようと思ったんですね。新しい情報を持っていれば感度の高い人に会えて、人脈も増えていきますから。

そこでまだLCCもない当時、わざわざ飛行機に乗って東京のセミナーに行くなど、情報を得るために借金をしてでも各地のイベントに参加しました。親や友人に話すときっと「そんなことはやめろ」と止められるので、「遊びに行ってくる」と嘘をついて出かけたことも(笑)。正直、賭けでしたね。でも、人脈がゆくゆくは将来の財産になるのであれば、借金もいとわないという考え方でした。

先を見据える見識に驚かされます。

現在、弊社のスタッフは、フランスでデザインを修めたりシリコンバレー出身だったり、世界中から各分野のスペシャリストがそろっています。「地方から全国、全世界に向けて発信する会社組織を作りたい」という思いを説明しているうちに、面白そうだと協力してくれる方々が増えていきました。地方にいながら、いろいろな人脈層が集まってきてくれているのは、まさに学生時代から始めた人脈作りのおかげだと思っています。

そこから起業につながるわけですね。

はい。27歳で愛媛に戻り、起業するかどうか悩んでいました。一旦は就職も考えましたが、全国や全世界を目的とした会社規模を目指す会社がなく、ちょっと残念な気持ちを覚えたんですね。

上場企業の社長さんと肩を並べて仕事をしたい、世界中の有名な経営者と切磋琢磨したいと語っても、周囲の人は絵空事にしか思わず、誰も現実として見ていなかった。「それだったら自分で会社を作ってしまえ!」と起業を決意し、ホームページやEC関連の制作会社として2013年に弊社を設立しました。

当初から事業は順調に進んだのでしょうか?

いいえ、最初の1年目はまったく利益が出ず、ご飯を食べるのも厳しいほどに追い込まれましたね。続く3年間は、通常価格よりもはるかに安い値段で受注しなければ仕事がない状態でした。生活のために技術を二束三文で安売りするのは、相当きつかったですね。

ただ、それでも諦めずに継続したおかげで、ありがたいことに大手企業様と提携できました。そこから徐々に会社が軌道に乗り始め、今に至ります。

 

徹底した効率化で実現した高品質・低価格

現在の事業内容についてあらためてお聞かせください。

ホームページおよびネットショップの制作業務、Webコンサルティング業務の3本を軸にしています。加えて、現在では動画制作や、11カ国の言語に対応した多言語サイト制作や翻訳・言語コンサルティングなども展開しています。Web関連事業であれば、マーケティングといった分析からシステム構築、運営まで、一気通貫でサービスを提供することが可能です。

御社の強みはなんでしょうか?

クオリティの高さと値段のバランスが、圧倒的に優れていることです。普通は低価格だと品質も低く、反対に高品質を求めれば高価格になりがちですよね。しかし弊社では、トータルで質の高いものを、一般的な価格の半分か1/3ほどで提供できます。

SEOを例にすると、通常であれば専門会社が特化して請け負うケースがほとんどで、それだと制作とはまた別にコストがかかります。一方、私たちの作ったサイトは、特にSEOを意識せずとも検索で上位表示されることが多く、SEOの追加料金は不要です。

こうしたことが可能になるのは、各分野でトップクラスのプロフェッショナルが集まり、ユーザー目線できちんと制作しているからにほかならないのですが、最初は皆さん「なぜこんなに安いの?」と不思議な顔をされますね。後々、効果を体感されて「納得できました」と言っていただけることが多いです。

なぜ高品質・低価格が可能になるのですか?

アウトソーシング型でスタッフの固定費用がかからないことに加えて、徹底的な業務の効率化によるものです。昨今、オンライン化によりタスクの“見える化”が進み、これまであまり必要ではない業務が意外と多かったことに気づいた方は多いのではないでしょうか。

日本では朝8時に出社して8時間働いて帰るのが仕事だと思われがちですが、出社して「今日は仕事が少ないな」という日もあると思うんですよ。「今日は1件しか予定がないけど、その他の5時間をどう過ごそうか」とか。その5時間がムダというのが、私たちの考え方です。

本当に必要な業務を絞っていくと、実際は日々の作業の3割程度だと思うんです。ムダな作業をすべて削れば、効率を高められますよね。効率的かつ適切な稼働作業時間にするため、私たちはクリエイターさんの意見も取り入れながら、独自の仕組みを構築したんです。

新たに立ち上げられたサービス「コトスタジオ」について教えてください。

コロナ禍により、EC制作関連のお問い合わせの内容に変化がありました。「どうすればリアル店舗からWeb展開に変えられるか」「営業活動までWeb上でできないか」といったお声が多く寄せられたんです。さらに、ECサイトの立ち上げだけでなく、その後のサポートまで長期的に並走するように進めてほしいというご要望が増えました。

そのためコトづくりを徹底的に強化した、“成果報酬型のEC・Webコンサルティング”としてスタートしたサービスプラン、それがコトスタジオです。

コトスタジオ立ち上げのテストケースとして手掛けたサイトは、今では毎月6万人ほどのアクセスのあるサイトへ成長しました。その後も一つ一つ実績が増えています。

どうすればそこまでの結果が出せるのでしょうか?

きちんと分析を行い、ターゲット層にしっかり届くように設計をするのが大切です。目隠ししてスイカ割りをするのは大変ですが、目隠しを外せば誰でも簡単にスイカを割れますよね。分析もそれと同じことです。しっかりした分析があれば、ほぼクリアに見えて、答え合わせをしているようなものですから。

例えば、たった1人の人間が、1億人にケーキを配ろうとしても配れるわけがありません。自分の生産キャパシティが1000人だったら、1000人にだけ届けばいいですよね。自分が届けたいお客様だけにきちんと届けるのが重要なんです。

本当に大切なのは、ユーザー数やアクセス数そのものではありません。コアユーザーやリピーターになってくれるお客様にきちんと届けられれば、おのずと結果は出るというわけです。

 

世界をフィールドにもっと面白いことに挑戦したい

お仕事をするうえで大切にしていることありますか?

常に初心を忘れないことですね。私の師匠にあたる方からは、「上から下を見るのではなく、下から上を見なさい」と言われ続けています。いつも一番下の目線から見るのを忘れず、日々勉強して自分を高め続けたいと思います。「ここまで来れば大丈夫」という考え方はまったくありません。

今後の展望やビジョンをお聞かせください。

起業してからこれまで、本当にたくさんの方々にお会いでき、多くを学べました。次はやはり、世界に打って出たいですね。世界の名だたる経営者たちと、もっと面白いことに挑戦したい。その気持ちはますます膨らんでいます。単純に売上を伸ばしたいというわけではなく、世界にはより楽しいことがあるはずだと感じているんです。

幸いにも、弊社には世界の面白さを熟知しているスタッフが多く集まっています。そういう意味でも、世界はそう遠くない場所なのではないかと思っています。

事業を通じてどういった世界を実現したいとお考えですか?

「クロスコミュニケーションズ」という社名の通り、人と人が交差して、さまざまな人が集まる場所を作りたいと考えています。人々がWebを通じて、より積極的にコミュニケーションを図れるように、これからも真摯に仕事に取り組みたいと思います。

一緒に働くスタッフに求めることはなんですか?

先ほども申し上げたように、弊社は多くのスペシャリストが集まっています。生半可な知識でお仕事をすると、レベルが違いすぎて心が折れそうになることも。でも、努力すればそこまで到達できるという、最高のお手本が目の前にいるということでもあります。

クリエイターのお仕事は、いかに努力したかが結果につながる世界だと思いますので、一朝一夕で知識や技術が身につかないといって諦めず、やり続ける心を持ってほしいですね。

私たちの会社には、「やりたいことにどんどん挑戦しよう」というマインドが根づいています。スタッフと話をしていると「テーマパークを作ろう!」なんていう、一見バカげた話も真面目に出てくるほど(笑)。それくらい、どんな意見でも取り入れて柔軟に変化しようという姿勢があるんです。

ただ、新しいことにチャレンジするときにはエネルギーが必要です。挑戦を楽しいと思える人なら、弊社で存分にエネルギーを発揮できるはずですよ。

取材日:2021年11月9日 ライター:小泉 真治

株式会社クロスコミュニケーションズ

  • 代表者名:山口 智忠
  • 設立年月:2013年2月
  • 事業内容:インターネット関連事業、ホームページ制作、webデザイン、ECサイト・webシステム構築、ネットショップ運営事業、コンサルティング業務(言語・web関連)
  • 所在地:〒790-0054 愛媛県松山市空港通1丁目6-30
  • URL:https://crocomi.co.jp/
  • お問い合わせ:https://crocomi.co.jp/contact/
  • TEL:089-906-5129

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