相手の魅力を最大化する動画作りから農業まで。事業の多角化を狙うMakeBoom

仙台
株式会社MakeBoom 代表取締役社長
Fubuki Akutsu
阿久津 風樹

動画を通してクライアントの魅力を届ける、株式会社MakeBoom。創業から8ヶ月、代表取締役社長の阿久津風樹(あくつ ふぶき)氏に、学生時代のインターン経験やこれからの事業のことについて、お話を伺いました。

 

大学1年目からインターンに参加して、多業種を体験

起業のきっかけを教えていただけますか。

大学までは宮城県で過ごし、卒業後は東京の会社に就職しました。社会人の1年目が終わる頃に、大学時代の友人が上京して一緒に食事をし、彼から「動画の会社をやろう」と数ヶ月後、連絡をもらって。

その友人とは、学生時代からお互いに「何か一緒にできたら面白いな」と思っていた相手だったので、その誘いに乗って会社を辞め仙台に戻ってきました。動画制作の会社を興した理由は、コロナ禍で動画の需要が高まっていること、さらに今後、より高速な通信規格・5Gが広まることで、今以上に動画需要が高まると考えました。

そしてなにより、若い内に挑戦したいという気持ちがあり、この機会を逃したら一生後悔すると考えたからです。

また、動画制作事業はモノの販売と違って在庫を抱えない事業で、カメラやPCなど機材があればできる事業なので、財務的にもいいジャンルなのではないかと思い、加えて、起業するメンバーのうちの2人が動画制作のスキルもあるので、事業としてやっていける、と判断しました。

もともと学生時代に起業をしたい、と思っていましたか?

それほど本腰を入れて「起業するぞ!」みたいな気合いはなかったです。起業をできるならば、したいかなという理想があったくらいで。

ただ、学生時代はもう「仕事」を意識していましたね。就職活動をしている先輩から「大学3年生くらいから企業インターンに行っておけばよかった」と聞いていたので、僕は大学1年生の時からインターンに参加していました。

1年生から! 学生インターンは一般的に大学3年生の夏休みに行われますが、阿久津さんはずいぶん早い時期から企業で働く経験を積まれていたんですね。

以前は就職には、資格があれば大丈夫だ、と思っていた時期もありました。でも大学受験時に、高校時代の平均評定が学校の基準を満たせず、希望大学のAO入試を受けられなくて。

そういう経験から「頭を使い、勉強して何かを覚えていく働き方」は、自分には効率が悪いな、と気づいたんです。勉強が向いていない、ということではなく「自分で体験して経験を積んでいくほうが向いている」という判断をしました。

だから大学生になってすぐにインターンを始めました。行った先でいろいろな業種を体験しただけでも、就職活動を始めた時にアドバンテージになる、強みになるんじゃないかなと。

インターン先で得たことや感じたことを教えていただけますか。

最初のインターンは株式会社ワークスアプリケーションズで「東京で1カ月間」でした。インターンは、ワンデイ(1日)や3日の短いものから、1カ月や3カ月の長期間のものまで20社ほど参加しました。

この最初のインターンが短いものだったら違っていたのかもしれませんが、1カ月間企業で働くことは自分の体験として大きかったので、「インターンで多業種を体験すること」にのめり込んでいきました。いろいろな業種を体験しましたが「この業種に就職する」という決め手になる業界は、実はありませんでしたね。

最終的に、会社としての働きやすさや、インターンでの経験から、保険コンサルの会社に就職しました。

 

MakeBoomの現在地〜動画制作から農業までフットワーク軽くやってみる〜

Webサイト:https://makeboom.jp/

ではMakeBoom現在を伺います。事業内容について教えてください。

企業や店舗紹介、プロモーション用の動画制作をしています。お客さまの魅力を最大化する動画を作ることがミッションです。

会社には何名のメンバーが所属していますか。

いつも一緒に動いているのは、会社サイトのMEMBERページに載っている5人です。それ以外に外注のクリエイターさんが何人かいます。

今お伺いした事業以外にも、さまざまな分野を手がけていらっしゃる、と伺いました。

2021年の夏は、とうもろこしを育てて販売しました。一緒にやっているメンバーに農業のノウハウを持っている人がいたこと、メンバーの家に使っていない畑があったこと、とうもろこしは農作物の中でもあまり手がかからないこと、このあたりが揃って、やってみようと思いました。

作ったのは「味来(みらい)」という、生でも食べられるフルーツコーンです。これは、宮城県仙南エリアのブランドコーンで、旬になると手に入らないほどの人気で、道の駅で売り切れてしまうこともあるんです。僕らはこの夏、直産販売所で400本完売しましたよ。

動画制作と農業、分野としてはまったく違いますね。

そうですね。ただ動画制作を通じて僕たちの会社を知ってもらい、そんな会社が農業もやっているとわかれば、農業に対するイメージが変わるんじゃないかな、という思いもあります。同じ宮城県では、一般社団法人フィッシャーマン・ジャパン(※)さんが漁業のイメージを変えるために活動されていますが、私たちも同じように若い世代へアプローチできるといいな、と考えています。

※一般社団法人フィッシャーマン・ジャパン:「漁業をカッコよく」のコンセプトの元に集まった、東北の若手漁師集団。「カッコ良くて、稼げて、革新的」に、日本の漁業の未来を変える、をモットーに活動している。

 

MakeBoomのこれから

これからどのように事業を進めていこうとお考えですか?

もともと動画制作以外もやりたかったので、事業を多角化していきたいです。動画からスタートでしましたけど、会社を大きくしていく中で動画制作以外にも取り組むつもりです。事業ごとにグループ化して、会社を大きくしていければと考えています。

農業も続けたいです。来年は、村田町特産のそら豆の生産も予定しています。とうもろこしは作付け面積を4倍くらいにしたいと思っています。

この先やってみたい分野は、おありですか。

自分のインターンの経験から、企業と働きたい人を繋げることに興味があります。飲食もやってみたいです。

今思い浮かぶのはそのあたりですが、その時その時で必要だと思うことをやっていく、取り入れていく、というスタンスでやっていきます。

一緒に働くメンバーに持っていてほしいビジョンはありますか。

自分で事業を起こしているという気持ちと、仕事を自分ごととして捉えてほしいな、といつも思っています。僕が数多くのインターンを経験した中の、1社目がIT企業で、その会社の文化が“他人を責めるのではなく、自分ごととして考える”でした。

何かミスがあった時は、そのミスをした人を責めるのではなく「自分でも何かできたのではないか、自分だったらどうするか」と考えるんです。

メンバーにはさらに、仕事を自分ごととして考え、人から言われたことをやるだけではなく、自分で事業を持ってくる・事業を起こす視点も持っていてほしいですね。うちを離れても活躍できる、そういう個人が集まっている会社って魅力的だと思うので。

そして最後に、生きていく上で仕事は大切ですが、それ以前に「自分の人生を生きる」ことを意識してほしいです。

5年後や10年後の将来、どんな会社になっていると思いますか?

株式会社MakeBoomは、まだ創業して1年経っていません。それでも、目の前のこと、今あることに全力投球してここまでやってきました。

このコロナ禍の状況下では、予定していないことのほうが多く発生しました。「会社はそう簡単にはうまくいかないぞ」と思っているので、まずは目の前のことにしっかり取り組みながら進んでいきます。

取材日:2021年10月29日 ライター:渋谷 亜也

株式会社MakeBoom

  • 代表者名:阿久津 風樹
  • 設立年月:2021年2月9日
  • 事業内容:動画制作・広告運用・ドローン事業・ホームページ制作
  • 所在地:〒980-0021宮城県仙台市青葉区中央2丁目2-30日興商事ビル4F
  • URL:https://makeboom.jp/
  • お問い合わせ先:https://makeboom.jp/

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