職種その他2021.10.27

沖縄に特化した不動産プラットフォーム「イエキメル」で、全ての人々に価値ある選択肢を。

沖縄
Links株式会社 代表取締役
Takahiro Sadoyama
佐渡山 貴大

Links株式会社は、不動産関連のプラットフォーム「イエキメル」事業を中心に、リフォーム事業やVRコンテンツ事業、業務効率化システム開発事業など、ITと不動産業を掛け合わせた事業を幅広く展開しているベンチャー企業です。

代表取締役の佐渡山貴大(さどやま たかひろ)さんは「イエキメル」を通して、「人々の住まいの選択肢に変化を与える」ことがミッションだと語ります。海外での豊富な経験を持つ佐渡山さんに、沖縄で事業を始めた経緯から将来の展望まで伺いました。

 

新型コロナウィルスの影響で早まる独立

2020年に会社を設立されるまでの経歴を教えてください。

元々宮古島出身で、沖縄県内の大学に進学しました。在学中に留学をしたことにより海外で仕事をしたいと考えるようになり、日本以外でも不動産投資などを展開している神奈川の総合不動産会社に入社しました。

在籍中はカンボジア支店初の常駐マネージャーに就任し、1年半ほど経験を積んだのち、タイに作られた新しい子会社の社長に抜擢されました。数年たって、次第に沖縄に拠点を移して新しいビジネスに挑戦したくなり、視察や準備を兼ねて度々帰国するようになります。その最中に新型コロナウィルスの拡大でタイに戻れなくなってしまい、想定外のスケジュールの中で急ピッチで昨年「Links株式会社」を設立しました。

想定よりもかなり早い起業だったわけですね。

そうなんです。どんな会社にして、どんなサービスを作るのかは概ね計画していましたが、まさかコロナの影響でスケジュールが早まるとは思っていなかったので、創業当初は苦労の連続でした。

どのような苦労があったのでしょうか?

不動産業に長く携わっていた経験を生かし、沖縄の不動産情報が集まる住まいに関するプラットフォームを作ろうと決めていました。しかしITに関してほとんど経験がなかったため、まず作れる人材を集めて。集めたのはいいものの、エンジニアなどの専門スタッフの扱い方がわからず、何が必要なのか判断も付かず、当然ながら適切な指示も出せない日が続いたんです。

どのように軌道に乗せたのですか?

ここ最近からですが、自分にできないことは外部に依頼することにして、フリーランスの方などと業務提携を進め、協力者の輪を広げていきました。どうにか会社が回り出したのを実感し始めたのが2021年の6月です。まだまだこれからです。

 

沖縄にこそ、リノベーションが必要な理由がある

「イエキメル」について、詳しく教えてください。

「リフォームとリノベーションを、身近なものに」というコンセプトのもと、沖縄でリフォームやリノベーションをしたい施主と施工会社をつなげるプラットフォームです。施工事例や施工会社が掲載されていて、施主が施工会社を簡単に検索できるように作られています。あくまでこれはプラットフォームとしての第1フェーズに過ぎないので、これから更なる展開を考えています

「住まいに関するプラットフォームを作ろうと決めていた」ということですが、その理由をお聞かせ願えますか?

不動産に関する価値ある選択肢を提供したい、という一心からです。海外での経験を通して感じたのが、良い選択をするには多くの情報が必要だということ。海外に行ったばかりだと、その国のことをよく知らないうえに知人も少ないせいで、間違った選択をしてしまうことが多々あります。

例えば家を買ったり借りたりするときに、数少ない知人から得る限られた情報を鵜呑みにし、相場より高い値段を払ってしまうケースを数多く目にしました。それは沖縄にも言えることで、島という閉鎖的な地理条件のせいで情報が固定化してしまい、選択肢があること自体に気付けないんです。

長年不動産業界にいた私からすると、特にリフォームやリノベーションに関する情報が極端に少ないですね。これだけ「リノベーション」という概念が一般化しているにもかかわらず、沖縄にはまだまだ浸透していないと感じます。「リノベーションとは何か?」ということから、「リノベーションすると家がどうなるのか」「どんな会社が施工可能なのか」といった疑問に全て答えられる場を設けてこそ、施工主は本当に必要とする家を作れると思います。

特にリフォーム・リノベーションに関する情報が不足しているんですね。

もう一つ、やはり海外の不動産業界の経験から感じるのが、日本では中古物件の良さが知られていないこと。日本では土地に価値が付く傾向があり、中古物件の取引数も海外と比較して少ないです。

また「新築神話」が根強く残っています。沖縄は特に全国と比べて所得が低く、さらに「マイホーム=新築」という固定概念が強いが故、マイホームを購入する検討のできない層が一定数以上いるのが現状です。

それを解決できるのが、中古物件をリノベーションして新築以上に素敵な家にして、新築よりもずっと安い価格で販売すること。その方法や事例をしっかり伝えられれば、中古物件を魅力的に感じる人が増え、空き家の活用など中古物件市場全体が活発になると考えています。

 

「イエキメル」での出会いを大切に、相乗効果のある事業を展開

「イエキメル」のほかにも、コーポレートサイト制作や業務効率化システム開発など幅広く手掛けていらっしゃいます。どのような事業内容か教えてください。

それぞれ単独で動いているわけではなく、「イエキメル」の取引先である工務店やデザイン会社、施工業者さんなどからお願いされスタートしたものです。

業務効率化システムはCMもやっている既存のビジネスアプリ作成クラウドサービスを使っています。エンジニアを内製化しているので、ニーズに合わせたカスタマイズが可能なうえ、スモールスタートで導入できるので取引先に喜ばれています。コーポレートサイト制作も取引先のニーズから事業化し、主に業務提携先にお願いしています。

一つの取引先から事業が広がったんですね。

そうですね。「イエキメル」を通してお付き合いが生まれた取引先とのコミュニケーションを大切にし、見えてきた課題に対して解決策を都度提示した結果が、システム開発でありサイト制作なので、これからもサービスは増えていくと思います。

「イエキメル」は今後どのような展開をお考えですか?

今はリフォームやリノベーション関連の情報だけですが、これからは中古不動産の売買情報なども掲載し、「マイホームのことならイエキメル!」と言われるくらい、不動産プラットフォームとして充実させたいですね。直近では、住宅イベントのプラットフォームや新築に関するプラットフォームも開発予定です。

具体的にどのような情報ですか?

住宅のショールームや完成見学会の情報を網羅します。従来は各々の施工会社が情報を出していましたが、それだけだとなかなか拡散しませんし、家が欲しいと思っている層に届くとは限りません。また新聞広告を出しても、これから家を作るであろう若い世代は、地元新聞よりもWEBサイトでの情報収集が一般的なため、現代では効果が少ないと感じています。

「イエキメル」でイベント情報を網羅し、すぐに検索できるようになれば、売り手、買い手にとってメリットがあります。住宅ローンについては、年収に応じたローンの組み方や、リフォームでも可能なローンの仕組みなどを銀行から情報を得てまとめようと、話を進めています。

 

社員が個々に強くなれば、強い組織になれる

 

最後に、これからの展望を教えてください。

沖縄の不動産業界のベンチャーとして、No.1になりたいですね。そのためにも、社員全員が自分の意見をどんどん発言できて、生き生きと働けるような仕組みを整える必要があると思っています。

今、5名の社員がいます。彼らには「皆、早く社長になれ!」と伝えているんです。新しいサービスをゼロから作って、運営できる基盤や仕組みを整えることまでが私の仕事だと思っているので、サービスがある程度形になってきた段階からは社員に権限移譲するようにしています。

私自身、新卒で入った会社で積極的に行動したことが認められて、若くして会社を任せてもらえたので、同じような経験を皆にもしてもらいたい。そのために、それぞれの持ち場を、責任を持って動かしてもらっています。個々が強くなることで、会社も強くなるはずです。

さらに、前職から続けている海外の不動産への投資や、沖縄の企業の海外進出と海外企業の沖縄進出のサポートにも取り組んでいきたいです。沖縄は立地的に東南アジアでのビジネスには最適な場所。私の経歴を見た企業からも度々依頼をいただくので、アウトバウンド、インバウンドのサポートニーズは確実にあると実感しています。

取材日:2021年9月22日 ライター:仲濱 淳

Links株式会社

  • 代表者名:佐渡山 貴大
  • 設立年月:2020年4月
  • 事業内容:イエキメル事業、リフォーム事業、VRコンテンツ事業、業務効率化システム開発事業、デジタルマーケティング事業、海外不動産販売事業
  • 所在地:〒901-2132 沖縄県浦添市伊祖1-1-21 Eビル伊祖302号室
  • URL:https://links-ma.co.jp/
  • お問い合わせ先:098-988-0940

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