WEB・モバイル2021.05.06

お客さまに心からの満足と笑顔を。高品質のソフトウェアは技術力+付加価値から生まれる

金沢
ICTソリューションズ株式会社代表取締役
Masaki Miya
宮 雅生

石川県金沢市で、ソフトウェアの開発やシステム設計などを行うICTソリューションズ株式会社。「困った」を「よかった」に変えていくことで、お客様に心から満足してもらいたいと考え、ソフトウェアを通して技術力やサービスの提供を日々生み出しています。今回は代表取締役の宮雅生(みや まさき)さんに、品質の高いソフトウェア開発のために大切にしていることや会社立ち上げまでの経緯、さらに大きな目標に向かって進む今後のビジョンについてもお話を伺いました。

 

新しい技術に魅力を感じ、コンピューターの世界へ

 

会社立ち上げまでのキャリアを教えてください。

生まれも育ちも金沢で、大学を出てから上京し、東芝通信システムエンジニアリング株式会社に入社しました。わたしが卒業した頃は、パソコンという名前すらなかった時代で、プログラマーも少なかったのですが、上司から「コンピューター、やってみないか」と言われ、最先端の技術に魅力を感じて挑戦してみることにしました。

具体的には、どんな仕事を担当していたのですか?

ダムを制御するための河川や雨量などの情報をコンピューターで集計し、ダムをコントロールする仕事です。ダムを流れる川沿いに設置された水位や雨量のテレメータという装置からデータを集計して、この川の流域の水位が高いとか、ある程度の水位になった時にダムのゲートを開閉するとか。

建設省の方と話しながら、河川情報を、ミニコンピュータやオフィスコンピュータとパソコンを端末として使うシステムの設計をしていましたね。5、6年後には、東京都の災害対策本部の仕事も担当しました。

東芝が雨雲の流れを映し出すレーダーを所有していたので、大雨が降った時に、被害が出ている地域や床上浸水の発生件数などのデータを集計し、災害への対策に活用していました。

その後、地元金沢の企業へ転職されたのですね。

大企業ではなく、もっと小規模な会社で仕事がしたいと強く思うようになったんです。金沢に戻り、いくつか紹介してもらった企業の中から当時一番小さな規模だった株式会社ジェイ・エス・エスを選びました。ここでは、大規模なシステムやハンディターミナルやパソコンのアプリケーションの開発まで、システム設計からプログラミング、運用まで、いろいろな開発をやりましたね。

さらに別の業種での経験もされたそうですが。

ソフトウェア開発の仕事はどうしても納期に追われてしまい、いいものを作りたくても、納得いくまで作業できないこともありました。それがジレンマになってしまい、自分が満足できるシステムを作りたいと、ジェイ・エス・エスの後に地元のスーパーマーケットの電算室へ入ったんです。今までは作って提供する側だったのが、提供される側の立場になりました。

スーパーマーケットでは現場の仕事も覚える必要があったため、売り場担当者やバイヤー・店長もやりました。14年ほどの間に、採用や人事の仕事も経験し、総務の仕事も身につきましたね。東芝とジェイ・エス・エスでコンピューターの土台ができて、スーパーマーケットで管理職の仕事が経験できた。すべて今につながっているなと感じています。

ICTソリューションズ設立のきっかけを教えてください。

残念ながらスーパーマーケットが倒産してしまったので、管理職として東京コンピュータサービスへ入りました。その後はNTTコミュニケーションズにも在籍しました。その頃、友人が富山でiソフトという会社を立ち上げまして、金沢でもやってくれないかと頼まれました。そのiソフトの金沢センターとしてスタートしました。2016年に、派遣法改正がきっかけで別会社にした方がよいと判断し、金沢センターを独立させたのが当社、ICTソリューションズです。2020年8月時点で5期目に入りました。

 

質の高い商品を提供し、お客様に心からの満足と笑顔を

HP: http://ictsol.co.jp/

 

 

現在の事業内容をご説明していただけますか。

ソフトウェア開発がメインです。そのうち、60%が「制御・組み込み系」のソフトウェア開発、40%が「業務系」のソフトウェア開発です。「制御・組み込み系」とは、電化製品などを制御するために基盤の中に組み込まれたもの。

当社で開発しているのは、工場の機械を操作するためのタッチパネルの制御プログラムや、給湯器や浴室乾燥機、冷凍庫などのソフトウェア開発にも携わっています。例えば浴室乾燥機だと、ただ風を出すだけではなく、いろいろなセンサーがあってそこから情報を収集し、機器をコントロールするようなプログラムを組んでいます。「業務系」は、経理システムや工場の生産管理システムなどです。たとえば銀行や金融関係の会社の場合だと、窓口で入力したデータをホストコンピューターで管理できるソフトウェアなどですね。

「困った」を「よかった」に変えていく、という考え方を大切にされているそうですね。

この考え方はシステム設計の根本です。例えば、給湯器のソフトウェア開発でも、温度設定しておけば適温のお湯が出て、定量になったら止まるようになっている。あれも水とお湯を手動で混ぜていた昔に比べたら「便利になった」イコール「よかった」になりますよね。

販売管理システムで考えると、今まで4~5人で伝票入力していた作業が、全てデータ化し自動で読み込み可能になると、1人でできるようになる。これも人手が足りなかった「困った」が「よかった」になります。さらにはその人達が他の業務ができるようになる。商品や業務効率をさらに今よりもっとよくしようと開発に取り組めば、お客さまが満足して笑顔になってもらえる結果につながる。それを日々考えています。

ICTソリューションズが仕事に対して心掛けていることは?

プログラムは1文字変わっただけで動きません。「できた!」と思っても、そのままお客さまのところへ持っていくと、ミスがあったり、エラーが出たり。それが多ければ多いほど品質が悪いと評価されてしまう。ですから、2重3重のチェック、出荷前の社内検査の重要性を徹底して教え込んでいます。

そして、お客さまが100%でと言ったら、要望を満たすのは当然のこととして、社員にはいつも120%、130%で返しなさいと言っています。システム開発のプロとしてお客さまが気づかないところに気づいたり、他のところで経験したものを生かしたり。要望にはプラスアルファで何か付加価値をつけることを常に求めています。

 

ソフトウェアのプロ集団として、さらなる成長を目指したい

2021年の春から会社の規模を大きくしていくとお聞きしました。

去年の12月にサン・ライズ・システムズ株式会社のグループ会社になりました。それに伴い、資本金も増資され、2021年4月1日付で1000万円になりました。そうすると経営方針もガラリと変えなくてはいけない。

今までは地域貢献を考えて、取引先は石川県中心にやってきましたが、全国的に視野を広める方向転換が必要だと考えています。今後は仕事の幅が広くなり、他のエリアからも仕事が入ってくるようになります。今までの規模ではできなかったことが実現でき、もっと大きなこともできるようになるでしょう。会社の体制を整え、方向性を考え、こちらから色々提案していきたいと思っています。

大きくなった御社のビジョンをお聞かせください。

基本的にやろうとしているのは、会社が大きかろうと小さかろうと変わりません。あくまでもうちはソフトウェアの会社。ただ、技術力だけがあってもあまり意味はない。そんな会社はたくさんあるので。ですから、スタッフの人間性の向上が肝心だと思っています。例えば、先ほど言ったようにお客様が言ったことに対し、プラスアルファの提供ができるようになる。挨拶がちゃんとできる。「報・連・相」をしっかり行う。当たり前のことがより当たり前にできる社員となれるよう、きちんと社員教育をしていきたいと考えています。そして、他業種の企業様とコラボして、自社製品の開発にも取り組んでいきたいと考えております。

一緒に働くスタッフには何を求めますか?

どんなに力があろうと、自分でやりたいことがあろうと、会社が進むのと同じ方向でその力を発揮してほしい。皆がバラバラの方向を向いていると、前に進まないですよね。全員が同じベクトルで前に進みたい。それが社員に求めることです。社長が決めるのは、船でいうと方向と目的地だけ。その船が豪華客船になるのか、漁船になるのかは社員1人ひとりの質によって決まると思っています。今はどちらかといえば漁船に近い感じですけど(笑)。ですから、同じ方向に向かってがんばろうというときに、素直にやりますよと言ってくれることも大切。その中で他の人より飛び抜けているものがあれば、引っぱり上げていきたいなと思います。そんなスタッフの皆と、これからどんどん前に進みたい。3年後の売り上げ倍増、給料のベースアップを目標にしています。この会社にいてよかったねと言われるくらいの金額は出したいと考えています。

最後に、クリエイターへのメッセージをお願いします。

弊社社員のエンジニアに対して言いたいのは、仕事に対する情熱を持って、常に自己研鑽をしてほしい。これはクリエイターにも通じると思います。自分の技術に対する「欲求」。やはり欲がないと技術は伸びない。例えば今だと、AIもやってみたいとか。あれもやってみたい、これもやってみたい、そういう欲求は常に持って、新しいものにチャレンジしてほしい。そして、最終的にはお客さまに喜んでもらう、使う人中心の考え方が必要です。これを常に心に留めてほしいと思います。ICTソリューションズを一時的に経験を積むための会社として考えてもらっても結構。この経験を生かして更なる目的をもって巣立って行って、社会に貢献できる人になってもらいたいとも考えています。

取材日:2021年3月25日 ライター:酒井 恭子

ICTソリューションズ株式会社

  • 代表者名:宮 雅生
  • 設立年月:2016年8月
  • 資本金:1,000万円
  • 事業内容:ソフトウェア請負・受託開発、情報処理システム設計、Web開発
  • 所在地:〒920-0018石川県金沢市三口町火157-2ジョーヤビル3F
  • URL:http://ictsol.co.jp/
  • お問い合わせ先:076-255-2881

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