グラフィック2021.01.13

老舗総合建設コンサルタント企業のクリエイティブ部門、「CGソリューションセンター」の活動に迫る!

新潟
株式会社キタック CGソリューションセンター長
Daisuke Higuchi
樋口 大輔
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「とんがらない。」Webとデザインのキタック

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仕事への情熱や闘争心は強いが「とんがらない。」スタンスを表現

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とんがらないコアメンバーたちの紹介はHPにて→https://cgsc.info/team/

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チームメンバーのイラストは似てますか?

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母体は1973年創業の総合建設コンサルタント→https://kitac.co.jp/

新潟県庁の近くに大きな自社ビルを持つ、JASDAQ上場企業「株式会社キタック」は、総合建設コンサルタント。新潟県を拠点に東日本エリアの国土保全に努めている企業ですが、2006年に新設した部署「CGソリューションセンター」では、Webマーケティングやデザインを通して幅広いクリエイティブ活動を行っています。

代表取締役社長の中山正子(なかやま まさこ)さん、CGソリューションセンター長の樋口大輔(ひぐち だいすけ)さんに、設立の背景や活動内容、将来の展望など、さまざまなお話をお聞きしました。

ゼロスタートで何でも挑戦! 合言葉は「やってみればいいじゃん」


代表取締役社長 中山 正子氏

CGソリューションセンター長 樋口 大輔氏

建設コンサルタント企業がクリエイティブ部門を立ち上げた経緯について教えてください

中山さん:

もともと私はグラフィックデザインの仕事をしていて、クリエイティブ系の企業を経営していました。株式会社キタックに入社したのが2006年。それまでの会社は経営権を譲渡して、キタックに「CGソリューションセンター」(以下CGSC)が設立されました。

会社で運営している「知足美術館」や「ケアハウス知足荘」の仕事、さらに社長(現会長)の執筆本の編集・出版、社内外のイベントの企画・運営など、本業の「建設コンサルタント業」に当てはまらない業務をまとめて引き受け、いろんな仕事をやりました。

CGSCセンター長を樋口さんにバトンタッチしたのは、どのタイミングですか?

樋口さん:

私が入社したのは2015年。以前はWeb制作会社に勤務していて、紹介を受けて応募しました。センター長に就任したのは2020年4月です。

中山さん:

設立から3年で私は取締役となりました。さらに総務部長、経理部長などの任務が増えたため、「センター長」としてとりまとめてくれる人をずっと探していました。樋口が入社したときは「好きなこと、何でもチャレンジしていいよ」と伝えたのを覚えています。

何か思い出深いエピソードはありますか?

樋口さん:

入社当時は「文系おじさんのブログ」などを書きながら、やはり得意なWeb制作の幅を広げていこうと、最初に自社サイトを立ち上げました。

また、営業のイロハも分からないまま、クライアント探しも必死で、「なぜ建設コンサルタント企業の一部門がWeb制作の営業に来ているのか」を説明するのが大変でしたね。でも、地道に信頼を築いて大きな案件を任される過程が楽しかった時期でもあります。

中山さん:

分かりやすく言えば「社内ベンチャー」的立場になるので、メイン業態と全く違う部門の活動は、社内の理解が得られず苦労した事も多いと思います。事業展開や売り上げはもちろん、服装一つをとっても「キタック社員は全員スーツが原則なのに、なぜCGSCはチノパンが許されるのか?」など…。

樋口さん:

定期的に部門長会議が開催されるので、私は最近はほとんどスーツになりました(笑)。業務内容は理解されずとも、部長クラスの皆さんにかわいがってもらえたのは、社長のおかげです。どんな取り組みの相談にも「やってみたらいいじゃん!」と「GO」を出してもらえた、チャレンジを認めてもらえた結果だと思っています。

スタッフの専門性を生かし、コンセプトワークでしっかり共有!

 


徐々に増えてきた個性豊かなチームメンバーたち

現在の業務内容について教えてください

樋口さん:

スタッフの内訳からお伝えすると、セールス・プランニング(企画・営業)2人、Webマーケティング(解析・広告)2人、デザイナー3人、Webエンジニア2人、センター長の私を入れて計10人。

それぞれの職域で専門性を生かして、チームとして「Webとデザイン」を幅広く提案できるのが強みです。お客さまの業種・業態、商品、プロジェクトの本質や課題を理解し、一緒になって道筋を作り上げる「コンセプトの認識と立案」に力を入れています。ワークショップを何度も行って、一旦イメージを広げて、それから絞り込んでいくプロセスを重視しています。

ホームページに記載されていた「とんがらない」というワードは?

樋口さん:

私たちの強みであり、コンセプトにもなっています。「とんがらない=背伸びしない、曖昧にしない」ということ。前段で服装についての話がありましたが、ファッションも奇抜になりすぎると引かれてしまいます。

言葉も同じで、できるだけ正確にイメージを共有できるよう配慮しながら、お客さまと同じ目線でWebサイトやデザインを作り上げていきたい。最も大切にするコミュニケーションは、とんがりません。

これまでの歩みの中で、ターニングポイントはいつでしたか?

中山さん:

1回目は樋口が入社したときで、2回目は昨年4月にセンター長を交代したとき。チームの総力がアップして、より活気づいてきたと思います。

樋口さん:

「ここが転換期!」という明確なものはないですが、スタッフが辞めるときは自分の力不足を感じて反省点を考えるので、ある意味ターニングポイントになっています。

中山さん:

そのときの落ち込み、振り返りがあるから、スタッフの面談に時間をかけているのだと思います。

仕事のやりがい、原動力となっているものは?

樋口さん:

お客さまの思いをくみ取ることができたとき、広がりのある仕事ができたときでしょうか。「見た目だけカッコイイサイトやデザインを作ればいい」とは、誰ひとり考えていません。お客さまの「熱」と「ニュアンス」を吸い上げて、説明や提案を的確にブランディングへ落とし込んでいく…。その手応えが次への原動力になっています。

チームとして、どのような連携を図ってものづくりに向き合っていますか?

樋口さん:

スタッフとの面談では「受け入れること」「肯定すること」を大切にしています。相談があれば気軽に応じ、チーム一人一人の思いに寄り添うことを心がけています。

次にチーム全体としては「積極的にトライ」することを目指しています。私が社長に「やってみたらいい」と背中を押してもらったように、自分もチーム全体の連携が図れるよう、最大限の応援をしていきたいです。

中山さん:

樋口はチームづくりの雰囲気を「愛と夢の交差点」と名付けています。チーム愛を持ちながら、自分の夢も持ち続ける。「チームと個が良いバランスでものづくりを展開していく」意味合いだそうです。とてもうまく表現していると感じました。

日々の会話を大切に、コミュニケーションを磨いて、信頼関係を築く

将来の展望、ビジョンについてお聞かせください。

中山さん:

昨年は「あすか(ありたい/すがたを/かんがえる)プロジェクト」という企画で、各部署のリーダーが目標を掲げる機会を作ったのですが、そこで樋口は「エコファースト」を宣言していました。メイン業態では自然災害や環境保全などに取り組んでいる一方、広告はエコではないと感じたことが発端だそうです。

樋口さん:

例えば、広告チラシはゴミを増やしていることになりますし、購買意欲をかき立てて消費社会を作っているような…。道路やダムなどの公共工事とは相反するものづくり分野です。20年、30年先を見据えたとき、大義を持って「エコに貢献するチーム」でいれたらうれしい。そのための答えや出口を探す視野を持って、日々の業務に取り組んでいきます。

業界全体の動きやお客さまのニーズに、今後どのような変化があると思われますか?

樋口さん:

現状としては、AIやIOTの可能性についてお話するのがベストなのでしょうけれど、数年でガラリと価値観が変わる世の中ですから…。人の思い、熱量をくみ取る力は、より求められてくると感じます。人が介入せずとも進化する技術やツールよりも、「考える力」「中身を作る力」が重視されるのではないでしょうか?

中山さん:

樋口は、「コンテンツを作りたい」「中身で勝負したい」とよく話しています。お客さまやプロジェクトの個性、特殊性を感じ取り、「全員がディレクションできるチームであれ!」と切に願っています。

そのために大切にしていることはありますか?

樋口さん:

会話を多く持つことです。スタッフ間はもちろん、私との何気ない雑談も相談も。それがお客さまとのコミュニケーションに発展していく基礎であると信じています。社長と私は、以前はデスクが隣り合わせでした。いろんな会話を通してお互いを理解し、今があると思うのです。

中山さん:

樋口が入社する際の面接で2つの夢を語っていたのを思い出しました。1つは「雑誌を作りたい、コンテンツの企画を実現したい」。2つめは「お客さまに寄り添いWebを通して、それがどのようなメリットをもたらすのか、どうしていくかをお客さまと一緒に考えられるコンサルを行っていきたい」。だから、対象の業種は違うけれどもコンサルタントの企業に入社したいということでした。

樋口さん:

覚えています。今もその思いは変わりません。

クリエイター志望の方へメッセージをお願いします

樋口さん:

Webやデザインに限らずですが、ものを作る際に、ミクロの狭い視点からもっと引いて広く見ることが大事だと思います。

「なぜこれが必要か?」「何のために作るのか?」に焦点を当てると、奥行きのある仕事になっていくのではないでしょうか。月並みな表現ですが、やはり「人と向き合う仕事」なのだと思いますし、大きな目的を見失わないよう、広い視野で進めていくことがポイントです。

中山さん:

クリエイティブ業界は、多業種を知ることができる特権を持っています。知らない世界を知る、体験できる醍醐味(だいごみ)をたくさん味わって、豊かな人間関係・周辺環境を作っていってほしいですね。世界に羽ばたくCGSCになることを願っています。

取材日:2020年12月4日 ライター:本望 典子

株式会社キタック(CGソリューションセンター)

  • 代表者名:代表取締役社長 中山 正子 (CGソリューションセンター長 樋口 大輔)
  • 設立年月:1973年2月
  • 資本金:4億7988万5200円
  • 事業内容:CGソリューションセンター/コンセプトワーク、Web制作、インターネット広告運用、グラフィックデザインなど
  • 所在地:〒950-0965 新潟県新潟市中央区新光町10番地2
  • URL:
    株式会社キタック CGソリューションセンター
    株式会社キタック
  • お問い合わせ先:025-281-1116

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