「似て非なる全文」
2026年令和8年2月21日。広く世間一般では三連休の初日のようですが、僕は特に予定のないふつうの土曜日の朝。5時少し前に起床。スマホのアラームは一応5時にセットしていますが、その10分前にはいつも目が覚めます。顔を洗い冷たいお茶を飲んで一息ついたら1階に(僕の部屋は4階)新聞を取りに行きます。そして5階(僕の事務所は5階)まで階段を上ります。築63年エレベーターがないビルの辛さを毎朝確認することから一日が始まります。
新聞は2紙を購読。日経新聞と毎日新聞です。日経は大人のたしなみというか社会人っぽいかなというミーハーな理由。そして毎日は僕の師匠の仲畑(貴志)さんが長年選者を務めている仲畑流万能川柳がそれこそ新聞休刊日を除く毎日掲載され、それを読むのが楽しみで購入しています。この日も各々をパラパラめくっていると、ふと気になる面で手と目が止まりました。高市首相の施政方針演説全文。そういえば前日のニュースでその演説の様子は見た記憶があります。どちらの新聞も一面まるまるビッシリ文字で埋まっています。全部で12,850字。当たり前ですが内容は全く同じもの。しかし、何か読む感覚がそれぞれで違います。ふだんはそんなに気にならないのですがまるで違う不思議。よく見ると日経新聞に比べて毎日新聞は一行の文字数が多い。日経が11文字、毎日は16文字。かなり差があります。こうなると他はどうなのか、確かめたくなりコンビニに走ります。朝っぱらから何をやっているのでしょ。細かいことが気になる杉下右京病は花粉症よりもたちが悪いです。
ローソンで朝日新聞と読売新聞を買いました。ありました。どちらもしっかり1面をさいています。4紙を並べて俯瞰で見るとなかなか壮観(※写真①)。
写真①
左上:毎日新聞2026年2月21日全国版 朝刊より
右上:朝日新聞2026年2月21日全国版 朝刊より
左下:日本経済新聞 2026年2月21日全国版 朝刊より
右下:毎日新聞2026年2月21日全国版 朝刊より
4紙各々特徴が異なります。中身は完全に一緒なので、これはもう面担当者の腕の見せ所、競い合い。僕の本業の広告の世界だとAD(アートディレクター)の技量の差が一目でわかってしまうようなものです。担当者のご苦労お察しします。この際なので全紙の文字を数えてみました。そして各々黙読しました(※写真②)。

写真②
どれも20分程度で読めましたが、明らかに読みやすさは違いました。因みに高市首相の演説は48分かかっています。YouTubeで全篇確認しました。話の途中で拍手や合いの手のような掛け声が入り、ゆっくり場内を見渡したり、間を取ったり抑揚を付けたりするのでそんなに長く感じませんでした。今回は野党が減ったのでヤジもほとんどなく聞きやすい演説でした。
ここからは僕の独断なので異論もあると思いますが圧倒的に朝日(※写真③)が読みやすかったです。記事中に写真があるのと中央付近の縦の罫線が効いていて目を疲れさせません。
写真③ 朝日新聞 2026年2月21日 全国版 朝刊より
毎日(※写真④)は可もなく不可もなく。読売(※写真⑤)は文字の書体が長文を読むにはややしんどい細さ。そして日経(※写真⑥)は最後に読んだので消耗もありましたが、辛かったです。一行が短ければいいというわけでもないのですね。勉強になりました。
写真④ 毎日新聞 2026年2月21日 全国版 朝刊より
写真⑤ 読売新聞 2026年2月21日全国版 朝刊より
写真⑥ 日本経済新聞 2026年2月21日 全国版 朝刊より
さて、読後最大の疑問点。これって今はもしかするとAIが組んでいたりするのだろうか?ひょっとするとあり得るかも、と思ったらゾッとしました。文字校正はどうなのでしょう。僕は高校時代3年間、新聞部でした。熱心な部員だったと思います。年に4~6回は学校新聞を発行。その都度土曜日の午後に電車とバスを乗り継ぎ1時間半をかけて印刷工場に文字校をしに行きました。各学年2人1組で記事を逆読みしてチェックしていました。このやり方はコピーライターになってからも大いに役立ちましたが、今はまさかAIがやったりするのでしょうか。それを想像して今、書きながら手と心が震えています。その辺に詳しい方がおられたら教えてください。
さてさて、これは似て非なるではない別の話になりますが、同じように文字がギッシリのデザインに大相撲の番付表(※写真⑦)があります。
写真⑦ 2026年初場所 大相撲番付表
こちらは令和の今でも行司さんが一文字一文字手書きで完璧に書かれています。一目でわかる人間っぽさ。この世界にだけはまだAIは入って来れないようです。ほんの少しだけホッとしました。
ところで、2月21日は「日刊新聞創刊の日」。1872年に日本初の日刊新聞「東京日日新聞」(現毎日新聞)が発行された日、という話はまたの機会に。

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