「声優は声で演技をする俳優!」前編
こんにちは。
フェローズ マーケティング セクション 兼 アニメセクション アドバイザー
シニアプロデューサー 関田有應(せきたゆうおう)です。
10回目のコラムは「声優は声で演技をする俳優!」前編 です。
声優を目指す皆様に向けてのキャリアプランとアニメ業界における声優の現実のお話をさせて頂きます。
憧れの職業「声優」
Voice Actorと言われるように、アニメや外画の吹き替えを、声だけで演技をする俳優を総称して「声優」と呼びます。
最近の声優(Voice Actor)に求められる能力は、声優の領域を超え俳優・歌手にまで及び、歌や踊りも出来るといった、
今まで以上の表現力が求められるようになりました。
元々「声優は声で演技をする俳優!」です。
ここ数年の間に、アニメ番組のクレジットに声を担当する声優をCV(Character Voice)キャラクターボイスと表記される事が多くなりました。
俳優がキャラクターに声を当てる、声優の部分だけがクローズアップされています。
これは、アニメ番組の制作本数が増えて声優という職業が確立したと言えます。
そんな憧れの職業である声優ですが、どのようにしたら声優になれるのか。
これから声優を目指す皆様に声優へのキャリアプランをご紹介します。
高校・大学を卒業して、声優専門学校で学び、その後、声優事務所の養成所に入り、 事務所に所属するというのが、
もっとも一般的な声優のキャリアプランです。
専門学校に行かず、最初から事務所の養成所に入る方も多くいらっしゃいます。
それ以外のキャリアプランとして、専門学校や養成所に通わず、オーディションを受けて自力で進むという道もあります。
ある事務所の社長からお聞きした話ですが、高校生で、事務所のオーディションを受けて、
声優デビューした悦材の方もいらっしゃるとの事です。
専門学校に入学するには試験・テストがあり、合格して入学します。
ほとんどの学校が2年制で、授業内容は、ボイストレーニングから、
演技力・表現力・朗読、ダンス、芝居、基礎体力トレーニングなど声優としての基礎を学びます。
日本舞踊を取り入れている学校も、一般教養を取り入れている学校もあります。
卒業後は、事務所の養成所に入る方が多いようです。
養成所も2年制がほとんどですが、養成所は学校ではありません。
声優になるための研修をうける研修生です。
ですので研修生としての資質があるかどうかを図るため養成所の研究生になれるかのオーディションを受けます。
そして、声優養成所のオーディションに合格し、いよいよ2年間のトレーニングが始まります。
専門学校で学んだ、ボイストレーニングから、演技力、表現力を高めるためのカリキュラム、
体力トレーニング、朗読、ダンス、芝居、日本舞踊、さらに間の取り方など、プロの俳優として求められる高い技術・表現力を学びます。
1年間のトレーニングが終了し、続いて2年目の研修生にステップアップして行きます。
ここでも研修生にはオーディションが待ち受けています。
オーディションを受け、研修生は篩(ふる)いにかけられます。
約半数近くが2年目のクラスに上がれず、養成所を去って行きます。
2年目の養成所では、さらに高度な表現力や人間関係・コミュニケーション能力、
プロの俳優に求められる、高度な技術取得のためのカリキュラムが待ち受けています。
あまりのキツさに脱落していく研修生も多くいます。
声優・俳優になりたい!という強い想いと精神力が無ければ研修生は続きません。
精神力と人間力を身に着けなければ、表現者としては通用しません。
その他のスキルを上げるためのレッスンが行われます。
そして2年間の研修生活を送り、プロとしての資質があるか将来性があるかなどを見極めるための、
卒業公演・最終オーディションが待ち受けています。
オーディションに受かった研究生だけが事務所所属(あずかり)になれます。
これが事務所所属の声優になるための一般的なキャリアプランです
しかし、これで声優デビューではありません。
あくまでも事務所所属、プロとしてのスタートを認められただけです。
事務所に所属しても「就職」ではなく「事務所所属」という事だけですので、お給料が支払われる訳ではありません。」
これから何十回というオーディションを受け、端役から始まり、脇役を経験し、役を勝ち取り、初めて本格的な声優デビューです。
声優として名前がクレジットさせるのは、まだまだズッと先の話です!
声優としての道のりは始まったばかりです。
現在、全国に声優専門学校は40校近くあり、声優志望者数約35万人。
声優と言われている(自称声優含む)方々は4万人。
その中で、声優としての収入を得て、生活が出来ている人 は 400人程度です。
(あくまでも私が調べた数字ですので目安として!)
また、アニメ劇場作品などは、有名俳優や、タレント、歌手を本業にしている方々が、主役の声を当てる事も多く、
声優だけがキャラクターの声を当てるという領域では無くなっています。
そのことからも、声優として役を得るための競争率の高さが伺えます。
それだけ狭き門なのがアニメ業界における声優(Voice Actor)の仕事です。
どんなに努力しても、声優という職業で生活するには高いハードルを越えなくてはなりません。
これが声優業界の実情です。
前編はここまでです。
後編は、これからの声優業界、声優の皆さんが活躍できるステージなど、元アニメプロデューサーからのお話をさせて頂きたく思います。
□おやじ一押し!
声優専門学校・声優養成所によりカリキュラムの違いがあります。
どちらも授業料がかかります。
体験入学やオープンキャンパスに積極的に参加し、
納得がいくまでじっくり選んで下さい。
『使える小ワザ』
なりたい声優、なりたい俳優の演技を
徹底的にマネ(パクる)をする。
そこから自分だけにしか出来ない表現力を身につける。
これです!
ここまで読んで頂き有難うございました。
それではまた次回。
*株式会社フェローズは日本動画協会の会員です。