チーム力を上げる!PMの気の回し方!ノーリンゲルマン!

Vol.4
株式会社フェローズ マーケティングセクション・シニアプロデューサー
映像業界40年 おやじプロデューサーのひとり言
関田 有應

こんにちは。
フェローズマーケティングセクション・シニアプロデューサー関田有應(せきたゆうおう)です。
4回目のコラムは「チーム力を上げる!PMの気の回し方!ノーリンゲルマン!」です。

今回は、ポストプロダクション(仕上げ)でのPMのお仕事をお話させて頂きます。 プロダクション(撮影)では100名近いスタッフの進行管理をPM数名でおこないますがポストプロダクション(仕上げ)での制作作業は、編集室という狭い限られた空間の中、少人数で行う作業で制作メンバーは、エディター・エディターアシスタント・ディレクター・PMの4名でのチーム制作です。

PMの役割は円滑な制作進行管理を行う事ですが、100名規模での撮影現場を仕切る能力以上に、ポストプロダクションでは、より繊細な、隅々まで行き届く「気の回し方」を求められます。

「リンゲルマン効果」ってご存知ですか。 「社会的手抜き」「リンゲルマンの法則」などと呼ばれている心理学用語のひとつです。
意味としては「人の数が増えれば、その分手抜きをする人が増える。だれかがやってくれているだろう」
集団で作業する事で、一人当たりの作業の責任や、先を読んで対応する能力や業務遂行力が下がる現象です。
数名のPMで現場を仕切っている場合に起こる事が有ります。

4名で行うポストプロダクション作業を、決められた時間の中で最高のパフォーマンスを発揮出来るように、作業環境を整えベストコンディションで完成までの進行管理を行う事がPMの業務です。
メンバーを思い、メンバー1人1人の立場になって考え行動する。
必要な事は人間的・アナログな、人と人とのコミュニケーション力です。

プリプロ(企画・予算・準備)、プロダクション(撮影)、そしてポストプロダクション(仕上げ)という最終工程に入る頃には、ディレクターもPMもかなり疲労している事は言うまでも有りません。
ディレクターのモチベーションをいかに維持させながら、エディター、アシスタントエディターとの円滑なコミュニケーションを取る。
「リンゲルマン効果」は存在しません。

「チーム力を上げる!PMの気の回し方!ノーリンゲルマン!」で挑む!

若手PM君に、ポスプロ作業で一番気を遣う事は何かと聞いてみました。
ひとつは「言われた事にすぐに答え対応する」
エディターに今のカット以外に、別テイクが有るかと聞かれた時に、2カット画角を変えて撮影したカットが有る事とカットナンバーを伝える事まで行う。
また、カラコレの時間を聞かれたら、カメラマンの入り時間を伝えてそこから作業が行えると、聞かれたスケジュールを具体的に判りやすく正確に伝える。

制作工程・スケジュールを把握し、全ての素材管理を行い、エディター・ディレクターの要望にすぐに応えて制作作業の流れを止めない!という事です。

もうひとつは食事。
食事にも気を使うとの事です。
エディター・アシスタントエディターは、制作側とは違い、毎日、同じ場所(編集室)で作業を行っています。
「相手変われど主変わらず」です。
出前・デリバリメニューは限られており、毎日同じお弁当になる事が起こります。
以前、レギュラーで仕事をしてたエディターと話をした時に、3日間、同じお弁当を食べ事が有り、流石にテンションが下がった!と言っていました。

食事の時間は、唯一緊張から解放され、しばしの休息を取る大切なひと時です。
特に編集室での作業では、本当に唯一の楽しみです。
私は、お弁当の手配の時、ディレクターの希望を聞く前にこっそりエディターの方々の希望を先に聞き、ディレクターを巻き込む!という方法で手配をしていました。

そんな話をしながら若手PM君はどうしているのか聞いてみたところ、編集室においてある出前メニューも利用するが、色々なお店と契約しているデリバリサービスを利用し、食事のバリエーションを増やしているとの事でした。 編集作業に日数がかかってきた場合、食事のバリエーション・選択肢の幅を広げるため色々なデリバリサービスを利用する。
その事により、ディレクター・エディターの方々の食事の要望に、細かく答える事で、編集時のモチベーションを下げないようにする。
それ以上にスタッフの皆さん、本当に喜んで下さる事が嬉しい!と話してくれました。

ポスプロ編集作業という、人数の少ないチームだからこそ、人数が限られている現場だから出来る、「粋な気の回し方」です。
若手PM君自身も、食事のバリエーションが増えて有り難い!そう申しておりました。

制作現場で相手の立場になって考え行動出来るかどうか。 これもPMに求められる能力の一つです。

「チーム力を上げる!PMの気の回し方!ノーリンゲルマン!」

また編集作業が終わった後のタクシーの手配も4社と契約している配車サービスを利用し待ち時間を減らすようにしているとの事です。

新しいサービス・最新技術や情報に常にアンテナを張り、最大限利用している若手PM君。
さらに経験を積み多くを学び、素敵なプロデューサーになって下さい。
「がんぱれ」
先輩シニアプロデューサーとして心より願う事です。

「おやじ一押し!若手PMくん一押し!デリバリ・配車サービスサイト(アプリも有り)」

○ 契約飲食店なら1品から届けてくれる外資系デリバリサービス(PM君一押しサービス)

「ウーバーイーツ」

⒉ すかいらーくグループのデリバリサービス

「ラクール」

⒉ 配車サービス(登録4タクシー会社。選ぶこともできます)

「JAPAN TAXI」

『使える小ワザ』

 

ポスプロに素材搬入の時にでも、24時間営業のコンビニなどの場所などを控えておきましょう。
夜中にコーヒーが飲みたい!とディレクターに言われた時に即対応出来るか出来ないか!
デジタルとアナログを上手に使い分けるのもPMの能力・スキルです。
これです!

ここまで読んで頂き有難うございました。
それではまた次回。

 

プロフィール
株式会社フェローズ マーケティングセクション・シニアプロデューサー
関田 有應
(せきた ゆうおう)大学を卒業後、テレビ局直系制作会社に入社。 企画、番組制作、イベント映像、PV、VP制作を行い、その後CM制作を中心に実写業界でのキャリアを積み、大手出版社グループでデジタルコンテンツ系の映像・音楽制作。 子供向けアニメ作品を中心とした、テレビシリーズ・OVA・劇場版・音楽制作・マーチャンダイジングと、キャラクタービジネスの世界で製作プロデューサーを行う。代表作は、平成の名物キャラと言われる主人公がハムスターのアニメ作品 株式会社フェローズにて アニメセクションの立ち上げを行い、現在はマーケティングセクションにて全国の映像系学校でのセミナー講師やキャリアアドバイザーを行っている。 息子も大手広告代理店直系の制作プロダククションのPM「親子鷹」である。※無類の音楽好きで、40年ぶりに大学時代のバンドを復活。活動中。

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