WEB・モバイル2014.06.04

3Dアバターメッセンジャー“Nito”

Dig It! NYC Vol.68
Dig It! NYC 藤井さゆり

第62回のコラムで、日常を3D画像でシェアするアプリ“Seene”をご紹介しましたが、今回ご紹介するのは、先頃リリースされたiPhone・iPad用3Dアバターメッセンジャーアプリ“Nito”(ニト)

http://vimeo.com/95045639

Nitoは3Dアニメーションのアバターで、アバターは自分が顔や表情を動かすと同時に動き、自分が話すと同時に口を動かし、自分の声を使って話してくれます。

例えば、目を丸く見開くとアバターも目を見開き、顔を横に振るとアバターも顔を横に振ります。また、あなたが「こんにちは」と言うと、同時にアバターが口を動かしあなたの声で「こんにちは」と言ってくれます。これは、特許出願中の顔の表情や動きを読み取る高度な顔認証と顔のマッピング技術で動いているのだそうです。

http://vimeo.com/95150447

やり方は簡単。アプリ(無料)をインストールし立ち上げたら、iPhoneやiPad画面に表示される自分の顔、目、鼻、口の位置を決定。そうするとアバターが現れます。アバターはあなたの動く通りに動き、あなたの声で話します。自分の好きなアバターや背景を選んだら、メッセージを録画。あなたのアバターがメッセンジャーとなり、これをEメールで送ったり、SNSでシェアするという形です。FacebookやLine他9つのSNSでシェアできます。

nito

私も早速インストールして試してみました。

iPhoneのスクリーン上で3Dアニメが自分の動きに合わせて動き、自分の声を出すという点は面白いと思いますし、こういった新しい技術を携帯やタブレットで体験できる、という点も驚くものがあります。

まだスタートしたばかりのサービスで、これがどの位一般に広まるのか未知数ですが、近々、ユーザーがデザインしたアバターを投稿できるようにしたり、アプリ上で自分の好きなアバターを作れたり、カスタマイズできるようにしていくそうなので、これから面白くなる要素を持ったアプリだと思います。Android端末、Mac、Windows搭載のコンピューター用アプリも近々リリース予定だそうです。

このNitoを開発したのはNito, Inc.というアニメーションテクノロジー会社で、オフィスはニューヨークのロウアーマンハッタンにあります。創始者であるObi Onyejekwe(オビ・オニジェクウェ)氏は、Nitoを始める前には広告やテレビ業界でクリエイティブディレクターとして、ウェブ、プリント、プロモーションビデオなど幅広く手がけており、高いクリエイティブスキルとキャリア持った人物。特にアニメーションに関してはとても情熱を持っているようです。

またObi氏は「Nitoのアニメーションテクノロジーは、消費者を(企業や商品の)ブランドまたはキャラクターのファンになるように引き込む新しいやり方」と言っています。顔認証という新しい技術を採用した3Dアバターのアプリを消費者側へ提供することをファーストステップとして、Nitoを使って企業や広告会社にマーケティングとして利用してもらうことを目的としているようです。

http://vimeo.com/91960950

現在、企業がFacebookやTwitterで商品やブランドのファンを獲得しているように、Nitoが新しいソーシャルメディアマーケティングの形として登場する日も近いかもしれません。可能性を持った面白いソーシャルアプリだと思います。

■Nito http://nitoapp.com/

Profile of 藤井さゆり

藤井さゆり

東京生まれ、アメリカ在住。日本とアメリカでの職務経験あり。
東京丸の内にある公益法人にて8年間勤務の傍ら、友人が企画したクラブイベントのフライヤーや、CDジャケットのデザインを行う。
公益法人では「地方の街づくり・街おこし」支援事業の一環で、ウェブサイト業務に携わる。 公益法人退職後、2004年より4年間、都内商業施設のサイト更新・管理、販促サイトのキャンペーンページ企画と取材・撮影を含めたライティングワーク、ウェブデザインを経験。
2008年ニューヨークに移住。ニューヨークではウェブマーケティング、サイト管理を企業にて経験、それと共にウェブデザインとライティングワークをフリーランスとして行う。現在は日本の着物をインスパイアしたオリジナルTシャツブランド「Foxy Lilly」を立ち上げ、オーナー兼デザイナーを務める。
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