番外編!ジャカルタの今、突撃レポート!

Vol.30
Fellows Creative Staff Singapore Pte. Ltd. エージェント/マネージングディレクター
Junya Oishi
大石 隼矢
Fellows Creative Staff Singapore PTE. LTD.代表の大石隼矢(おおいしじゅんや)です。

いつもコラムをお読みいただきありがとうございます。

第30回目のコラムです。今回は番外編としてジャカルタ出張に行ってきた現地リポートをお届けしたいと思います!
5月10〜14日の4泊5日、私個人が所属するシンガポールシティ青年会議所(JCI City Singapore)の代表団として、年に一回のJCI ASPAC(Asia-Pacific Conference、略してASPAC)に参加してきました。このレポートはASPAC参加を通じて感じたことを中心に、ジャカルタの街や人々、クリエイティブについても皆さんにお届けできればと思います。

 

■まず初めに。JCI、そしてASPACとは?

JCIは青年会議所(Junior Chamber International)の略で、世界中で活動する青年団体です。それぞれの都市や地域に独立してチャプターと呼ばれる組織(LOM)があり、さまざまなイベント企画を通じて、リーダーシップや社会貢献を促進し、国際交流を通じて青年の成長を支援しています。また特徴的な部分として、基本はビジネスパーソン、起業家、実業家、ビジネスオーナーを中心に参加しています。職種もさまざまで、私のような人材系もいれば、IT関連、食品メーカー、弁護士、フィナンシャルプランナー、旅行会社、そしてクリエイター等々。ちなみに私は現在JCI City Singaporeの2023年度のボードメンバーとしてマーケティングディレクターの役職に就いています。
ASPACは冒頭でも書いたように、年に1度、アジア太平洋地域に所属する我々と同じようなLOM(Local Organization Member)が一堂に会する世界大会です。

 

■オープニングセレモニーの様子、各国の熱量

今回のASPACは私にとっても初めての機会でした。シンガポールに来たのが2020年6月というパンデミック真っ只中でしたので、シンガポールという地理的優位性を活かした周辺諸国への外遊もなかなかトライできなかったのですが、今回のイベントではその諸外国にいる同志とも言えるメンバーと会える機会ということでまたとないチャンスでもありました。皆さんにはまずどれほどの規模のイベントなのか理解していただきたいので、こちらの写真をご覧ください!

4000~4500人の各国および各地域の代表団が参加していました!写真に見えるところだけでも韓国、マレーシア、カンボジア、フィリピン、ミャンマー。ちなみに左上のスーツ集団は日本です。オープニングセレモニーはそれぞれの国によって盛り上がりにも差がありましたが、概ねかなりの熱量を感じました。各国代表団のリーダーが登壇して一礼する場面では韓国やマレーシアをはじめ大声援で迎えます。パンデミック後初めての対面でのミーティングですし、この大会を通じて「何を自国へ持ち帰ることができるか」「どのように自分たちを成長させられるか」という意識の高さをアジア各国から感じました。

 

■交流した国々の代表メンバーたちを紹介

総論だけではつまらないので2名ほど私が直接交流した国のメンバーを紹介したいと思います。

一人目:ワットさん・シェムリアップ(カンボジア)
ワットさんとはカンボジアを紹介するブースで出会いました。彼はカンボジアのSiem Reap(シェムリアップ)というアンコールワットやアンコールトムといった世界遺産がある州の出身で、JCI Siem Reapの理事長を務めています。現在、彼は旅行会社を経営していてインバウンド旅行者向けのツアーパッケージや現地ガイドを務めています。実は彼、村で初めて高校進学をしたいわば村のヒーローのような存在だそう。村の期待を一身に背負い、英語も勉強し、JCIに参加することで出身地の発展に直接貢献しています。絶対大変なこともあるのに常に笑顔を絶やさない、初対面の僕の懐にも飛び込んでくる社交性の高さ、真剣に自分の国を想う意識にとても感化されました。

(向かって右の衣装姿がワット。カンボジアブース前で)

二人目:アレックスさん・台北(台湾)
アレックスさんとは姉妹LOM交流ディナーで出会いました。JCI Taipei(台北)ではメンバーシップ担当の役職についていて、仕事は水着ブランドを展開している企業のプロジェクトマネージャー。ショーにも出ているようですが日本展開はまだしていないそうです。こういうブランドを日本で展開するときにクリエイターの紹介とかできたらな、と話をして盛り上がりました。

(右から2番目の男性がアレックス。その他、シンガポール・台北メンバーとディナーにて)

■世界大会の中、日本の代表団はどんな印象だったか?

私は全体で100人以上いるシンガポールの代表団の中で、二人しかいない日本人のうちの一人として参加したので、ASPACで日本から来ている他の日本のJCIの日本人の人たちと交流するのは不思議な感覚でした。きっと相手も同じ感覚だったと思います。というのも基本的にはそれぞれの国民が中心となって組織されるので私やもう一人の日本人は特殊な存在のようです。参加国中で日本人として他国のJCIの代表としてきているのも私たちだけでした。しかし、シンガポール代表として日本の各地域との交流の手助けになれるように意識してコミュニケーションを楽しむことができたと思います。

さて日本が主催したAmazing Japanという伝統芸能やポップカルチャーを紹介するスピーチと、National Nightsという各都道府県がブースを出すイベントに参加しました。東京で働いていた時ではおよそ出会えなかったさまざまな県の方々と交流できましたし、フェローズが拠点を置いている札幌や仙台、名古屋、大阪、熊本といった県からのJCIメンバーとも交流することができました。

 

日本の各地域が、伝統や食べ物を世界から来た人にもわかりやすいように、ポップや看板を作っていた様子が印象的でした。日本のクリエイティブは世界から「どんなものが好かれているか?」という視点に立って考えられていて、よくアピールできていると感じます。日本の良いところですね!
しかし、一方で感じたのは、英会話におけるレベルの低さです。日本の参加者の全員が得意というわけではないので、しばしばコミュニケーションに苦労している姿を見ました。各国からすると「もっとあなたたちのことを知りたい!」といってブースを訪れているので、そこで得られる情報が少ないと興味を失ってしまいますよね。こんなに魅力的な県や市があるのにとても機会を損失しています。
また、そんなコミュニケーション力の弱さをカバーするためか、ポップや看板などクリエイティブの中に、伝えたい情報を詰め込みすぎている印象も受けました。

そんな今回のイベントを通じて、フェローズシンガポールの大義をブラッシュアップすることができました。
フェローズシンガポールが運営する「Fellows Creators」(クリエイターが、国境を越えてリモートでプロジェクトを受注できるサービス)は、日本の優れた商品や魅力的なサービスを紹介するクリエイティブを、現地のクリエイターと協力して制作することで、現地に伝わるクリエイティブを創り上げることができます。私たちがコミュニケーションにおけるサポートをすることで、クリエイティブの力を遺憾無く発揮できると思うのです。

 

■ジャカルタ市街やクリエイティブの様子

さてASPACから少し離れてジャカルタの市街やそこで見たクリエイティブについてご紹介します。皆さんはどのような印象をジャカルタ、インドネシアにお持ちですか?正直なところ私自身は今回が初めての訪問で、インドネシアといえばバリ島しか行ったことがありませんでした。バリ島はあまり整備されていない地区も多く、良い意味ではローカル感満載のリゾート、悪くいえばまだまだ発展途上という印象でした。

だからこそ今回驚いたのはジャカルタ市内にあるショッピングモールや高層ビルの多さ、そして大きさ。有名ブランドも多数入居しながら国産のブランドも多く、インドネシアの国内外のブランドが混ざり合った姿がそこにありました。飲食店も幅広く、イタリアン、和食、中華、アメリカンなどなど、訪れた人を飽きさせないバリエーション。それらをプロモーションするためのクリエイティブにも力が入っていると感じたのは、プロダクトのディスプレイの仕方や映像を使ったミニイベントの実施、細かく見切れていませんがクリエイティブにおいても世界と比べて遅れをとっていない、むしろ考えられていると感じました。

(ショッピングモールやオフィスタワー)
(とても美味しいつけ麺も食べることができます。日本円で約1000円)

ファッションの領域ではハイブランドもありつつ地元初のストリートブランドも産まれているようで、最近調べたものでは日本に進出するKONKRETE FLEA MARKETという地元のフリーマーケットで買い付けた古着にリメイクを施し、世界にひとつだけのプロダクトとして”ミックスアンドマッチ”させる気鋭ブランド。

クラブシーンも経験してきました。今回は2つのクラブを訪れましたがどちらもとても盛況で若者を中心に地元客と観光客がミックスしているような雰囲気。EDMがガンガン流れているので各々踊ったり音楽を楽しんだりしていました。

(Black Owlというジャカルタのクラブ)

インドネシア自体は第3回目のコラム(https://www.creators-station.jp/column/121583)でも触れているように、人口は2億を超える世界4位の大国です。また国内資源も豊富で、水資源や鉱物資源に恵まれています。公用語はインドネシア語ですが800を超えるローカル言語があるようです。英語を話せる人口は多いとは感じませんでした。またインドネシアの貧富の差は開いている状況で、上はビリオネア、下は最貧地域といった二極化が進んでいるとも言われています。フェローズシンガポールとしてインドネシアは進出したい国の一つですが、現地には現地のルールもありますから「いつ進出するか」よりも「どのように進出するか」が大事だと考えています。

 

■まとめ

ASPAC参加を通じてジャカルタを実際に見てきましたが、想像を超えた可能性を感じました。フェローズシンガポールとしてはこれからさらに繋がりを増やし、それを育てていくフェーズです。今はシンガポール国内を中心に企業への社員紹介をすることと、クリエイターの業務委託請負サービスを提供していますが、単純に「海外向けクリエイティブは海外クリエイターに依頼」ということでは不十分だと感じました。どういうことかというと、例えばインドネシアであったり日本であったり、いろんな州や県があるような国ではそれぞれに特徴がありますし、そこに住んでいる人たちにも育った文化や言語があります。フェローズシンガポールとして「どの国のどの地域にも一人はクリエイターがいて制作を依頼できたり人を紹介できたりする」ことが究極的に目指すところではないか、と壮大な絵を描きました。

 

Fellows Creative Staff Singapore Pte. Ltd.では、フリーランスのクリエイターがリモートワークでプロジェクトを受注できるようなサービスをはじめました。その名も「Fellows Creators」
例えば日本人がシンガポールの案件を、シンガポール人が日本の案件を、といった形でクロスボーダーに案件の受発注ができるようなサービスを目指しています。

▼詳細はこちら
https://fellow-s.com.sg/fellows-creators/

 

※使用している写真は撮影時にすべて許可を取り掲載しています。

プロフィール
Fellows Creative Staff Singapore Pte. Ltd. エージェント/マネージングディレクター
大石 隼矢
1990年 静岡県焼津市生まれ。小さいころからサッカーに魅了され、日韓ワールドカップで来日したデイビッド・ベッカムの話す英語に衝撃を受け、自分も話せるようになりたい!と大学は外国語大学へ。2010年カナダ・ウエスタンオンタリオ大学へ交換留学。2012年株式会社フェローズ入社。ブロードキャスト・ビジュアルセクション。2020年4月にフェローズ初の海外拠点であるFellows Creative Staff Singapore Pte. Ltd.の責任者に就任。好きなバンドはOasis、最近の趣味はNetflixで英語学習、尊敬する歴史上の人物は吉田松陰と白洲次郎、好きな食べ物はカレーライスとらっきょう、嫌いな食べ物はかぼちゃと大学芋、みずがめ座B型、佐々木希とジェームズディーンと富岡義勇(鬼滅の刃)と同じ誕生日。
Contact:https://www.fellow-s.com.sg/contact-us/
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