日本に3つだけの「小さな鉄道」@四日市市

Nagoya
ライター
chocotabi vol.4
加藤 デコ

「四日市あすなろう鉄道」は日本に3つしかない特殊狭軌の鉄道の1つ。とても貴重なんです。

ということで、今回はわが故郷のおススメ鉄道に乗って、春を満喫してきました♪

 

全国的にも貴重な、現役のナローゲージ

名古屋駅から近鉄名古屋線・急行で約40分。

近鉄四日市駅のすぐ近くから市内を走っているのが特殊狭軌の鉄道、「四日市あすなろう鉄道」です。

特殊狭軌(ナローゲージ)とは線路の幅のこと。

 

日本の鉄道には、4種類のレール幅があり、その多くは以下の①~③のレール幅で走っています。

******************

①標準軌=1435㎜ 例)新幹線

②馬車軌道=1372㎜ 例)東急世田谷線

③狭軌=1067㎜  例)JR在来線

******************

首都圏など都心部では鉄道や地下鉄の相互乗り入れが日常茶飯事となっていますが、

レールの幅が同じでなければ乗り入れはできません。

それだけ、同じ幅に集中していると考えることができます。

 

 四日市あすなろう鉄道は上記よりもレール幅が狭い「特殊狭軌=762㎜」の鉄道です。

特殊狭軌はナローゲージとも呼ばれ、現役の鉄道は全国に3つしかありません。

黒部峡谷鉄道(富山県、いわゆるトロッコ列車)、

三岐鉄度北勢線(三重県)、

そして、四日市あすなろう鉄道(三重県)です。

数が少ないだけではなく、

通勤・通学をはじめ日常生活の「足」として現役で活躍している三重県北勢部の2つの鉄道は

貴重な存在と言えるでしょう。

 

まずは、改札口へ

四日市あすあろう鉄道の四日市駅からは

「内部行き」(内部線)、「西日野行き」(八王子線)があります。

とりあえず、一駅だけ乗ってみます。

最初の駅が、私のおススメ駅だからです!!

 

 

乗るまでもなく、歩いてもすぐのところにあるのが赤堀駅。

改札入口に大きなクスノキが立っています。

 

幹が太い!

昔、この近辺には薬を扱うお店があり、

材料として植えたクスノキの名残りだそうです。

この木を守るために駅舎を移動させたこともあったとか。

今でも駅のシンボルとなっています。

この駅をいいなあと思うのは、「なんにもないから」。

ホームも片側のみの無人駅。

レトロとかセピアとか、そういうワードが浮かびます。

木製ベンチにぼーっと座っていると、

いやなことや悩ましいことがどうでもよくなります(※個人の感想です)。

 

ぼんやりしていると、次の電車がやってきました。

今度は、そのまま降りずに、終点・内部駅へ向かいます。

 

電車のなかも見どころいっぱい

 

入口でしゃべってはるのは、

四日市市のゆるキャラ・こにゅうどうくんです。

「シースルー車両だよん」とな。

どこがシースルーかと言うと…。

 

 

車内の足元にこんなのが!

全車両のうち、163号車は床下が見える「シースルー列車」。

ナローゲージの上を走る様子が、自分の目で確認できます。

 

 

座席についている持ち手は、なにげにハート形。かわいい。

四日市あすなろう鉄道の車両は、どれも左右に1列ずつの個別シートです。

線路に合わせて車内の幅が狭いことを実感できます。

 

また、モーターが釣り掛け式で唸るような低い音で走ること、

冷房装置が屋根上や床下ではなく客室内にあることも特徴です。

 

なお、2016年に導入された新260系は、

鉄道愛好者がつくる「鉄道友の会」よりローレル賞を贈られるなど、

鉄道ファンにも愛される車両となっています。

 

運転士さんにオススメ駅を聞いてみた

四日市あすなろう鉄道には、48歳で運転士に転職した方がいます。

上野理志さん、今年で入社5年目です。

上の写真は運転している上野さんが写っていますが、

小さくて見えないかな。

運転席が真ん中という車両も珍しい!そうです。

 

上野さんがおススメするのは日永駅と内部駅。

こちらが日永駅。

内部線と八王子線、2つの路線が分岐・合流する駅にあたります。

そのため、列車が行き交うところをいつでも見ることができます。

 

レール幅を比較したスリーゲージモニュメントもあり、じっくり眺めることもOK!

 

もう一つは内部線終点の内部駅。

内部駅には、四日市あすなろう鉄道の車庫(写真後方の建物)があります。

そのため、留置されている車両を眺めることができ、

運が良いと洗車やメンテナンスのシーンを見ることもできます。

 

ちなみに、内部駅近辺で私が目撃したことがあるのは、

車両を搬入するシーン(2016年8月)。

近所の子どもたちや、おじいちゃんのオールド鉄道ファンが集まり、

「おおおおおおーっ」と声が上がっていました。

こんな場面が目撃できるのも、車庫が近くにあるからこそ。

 

イベントもたくさんやってるよ

貴重な鉄道を多くの人に知ってもらおうと、

「特定非営利活動法人 四日市の交通と街づくりを考える会」が結成され、

ワークショップやウォーキングイベントも毎年開催されています。

沿線近くには旧東海道、旧伊勢街道もあり、散策にもピッタリ。

ぜひぜひ、一度、お出かけくださいね。

 

※四日市あすなろう鉄道の上野理志さんにいろいろとご協力をいただきました。

ありがとうございます♪

プロフィール
ライター
加藤 デコ
目指せ、ソロワーク、ソロ旅、ソロ温泉。 そのために、フリーライターとしてがんばって働きます。

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