疲れた私の心に静かに寄り添ってくれる。7つの優しい映画特集

Vol.9
ライター・モデル
satoko
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日々の生活に疲れ、ちょっと心が重たくなってきた時、お部屋でまったり映画を観るのはいかがでしょ。今回は映像がひたすら美しい映画から、心の奥深い所まで。気がついたら癒してくれてたヒーリングシネマをご紹介♪

 

花とアリス

中学生のハナ(鈴木杏)とアリス(蒼井優)は、同じバレエ教室に通う親友。2人はいつもどこへ行くのも一緒。大人しくて気弱なハナに対し、アリスは天真爛漫で活発な性格。ある日ハナは同じ電車で通う宮本(郭智博)と言う男子高校生に一目惚れ。晴れて宮本と同じ高校に通う事になった。そして落語研究会と言う宮本と同じ部活に所属する事にもなった。なんとか宮本に近づこうとするハナ。そしてある嘘をついたハナは、宮本と急接近する。しかし、その嘘がバレそうになり、アリスにも協力してもらい嘘をついていくが

『光溢れる透き通るような世界観と3人の奇妙な関係が可笑しくも可愛いく心がホッコリする。女同士の友情と恋心の揺れ具合が絶妙。バレエ教室やバレエを踊るシーンはドガの絵を見ているかの様で見惚れる。その世界観を更に優しい光で包み込みキラキラ輝かせる劇中の音楽は監督自身が作曲したもの。疲れた心を軽やかにしてくれ、そしてたまに猛烈に聞き返したくなるメロディ。』

 

世界はときどき美しい

あらすじ

東京に住む男女の日常を静かに描き出す五編の短編で作られているオムニバス。

第1話は「世界はときどき美しい」 絵画教室のヌードモデルをしている野枝(松田美由紀)は、恋人もいなく一人で生活している。最近は病院通いも始まり若く無い自分の身体と向き合いながら生きている。そんな中、雑草にも命が宿っている事を知る。 

第2話は「バーフライ」蝿男というあだ名の男(柄本明)。貧しい1人暮らしで、唯一の楽しみは酒を飲むこと。嫌なことがあっても、寂しいときも酒は心をなぐさめてくれる。今日も酔客(尾美としのり)と意気投合し、酔っ払って道端に寝てしまう。

第3話は「彼女の好きな孤独」まゆみ(片山瞳)は恋人の邦郎(瀬川亮)とセックスにふけっている。家を抜け出して、夜明けの自動販売機で甘すぎる缶コーヒーを飲みながら、恋人との心のすれ違いに違和感を感じながも一緒にいる自分に嫌気がさしている。

 第4話は「スナフキン リバティ」柊一(松田龍平)は子供のころ見た彗星のことを思い出していた。彼が天文台に勤務するきっかけだった。恋人の朋子(浅見れいな)は妊娠をしている。避妊の失敗だけど、宇宙の不思議を考えていた柊一は生まれてくる命を大切にしようと思っている。

 第5話は「生きるためのいくつかの理由」 OLの花乃子(市川実日子)は父の墓参りのあと、久しぶりに実家に戻る。1人暮らし母(木野花)はしばらく逢わないうちに老けた気がする。そういえば、母のことを何もしらないことを花乃子は思いだす。

 『5編ともその人の心の中のナレーションと共に話しが進んでいきお話しを聞いてるようで心地よい。8ミリフィルムのザラザラとした映像の中に美しい瞬間がときどき顔を出す。映画を観ていると言うより歌詞を観ているような詩的な世界。個人的にはヌードモデルの野枝の感性に共感。自分の好きな作品を探すのも良い、世界がときどき美しいと思いたい夜に。』

 

 

百円玉と苦虫女

あらすじ

主人公である鈴子は、短大を卒業後就職活動で失敗し、バイト生活を続けている21歳の女性。思いも寄らぬ事件から警察の世話になる。事件を起こしたことから家族の元を離れ、百万円を貯めるごとに引越しを繰り返す。1番最初の住まいは駅近・ドアのない部屋でのルームシェア、2番目の住まいは海の側のワンルーム畳の部屋、3番目の住まいは山の中の民家生活、4番目の住まいは東京郊外・フローリングの広い部屋、各地を転々としながら生活していく姿を描いた青春ロードムービー。

『主人公の鈴子は犯罪歴があるため他人が仲良くして来ようとすると引越しを繰り返す。特に犯罪歴があるわけではないけどいろいろな理由で人との距離感を保ちたいタイプの人には共感できる内容。場所を変え仕事を変えリセットしたと思えても生きてく上で人との関わり合いはついて回るもの。自分自身を受け入れながら生きていかなければならない。鈴子には学校でいじめにあっている弟がいる。弟はいじめっこ達と違う学校に行く事を考え、中学受験を目指しながら逃げずに学校で戦っている。どちらが良いと言う事ではなくそれぞれの生き方から学べる事がある。観終わった後、どこか前向きになれる作品。』

 

生きてるだけで愛

 あらすじ

過眠症で引きこもり気味の寧子(趣里)は、ゴシップ雑誌の編集部に勤める恋人・津奈木(菅田将暉)の部屋で同棲生活を送っている。アルバイトは続いた試しがなく現在無職。感情を上手くコントロールできない「生きてるだけで疲れる。」自分に嫌気が差しているものの、どうすれば良いか分からず、津奈木に当たり散らす日々。そんな自分になんの反応も示さず、関心が無いかのような津奈木にも不満が募るばかり。津奈木は、仕事に対しこれまで無気力にこなすだけだったが、少しずつ心境に変化が訪れていた。そんなある日、寧子の元に突然、津奈木の元恋人・安堂(仲里依紗)が現れる。津奈木とヨリを戻したい安堂は、寧子を津奈木の部屋から追い出そうと、自立させるため無理矢理カフェバーのアルバイトを決めてしまう。はじめは嫌がっていたものの、自分を受け入れてくれる店の人たちへ寧子は次第に心を開くようになるが…

『汚れたテーブルのシミを拭き続けてしまうシーン。「私は私とは一生別れられない」「私達がわかりあえたの何てほんの一瞬,私はそのほんの一瞬で生きている」「私と同じエネルギーで振り回されて欲しい」と言うセリフ。鬱ではない私が観てしっくりくる内容なので色々な事を過敏に感じたり、自分の意図していない所で神経をつかって疲れてしまっている人には理解できるのでは、と思う。治ると言う事は決して無いが、自分が過敏な事やズレている事を理解する事。違和感があってもやってみる。それでも違和感がある場合はそれは無理と言う事。基本的にはその繰り返し。若い時は感情の振り幅が大きくて辛いけど歳を重ねる事で多少は慣れてくる。』

 

 

オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ

あらすじ

米・デトロイトに住むアダム(トム・ヒドルストン)は、伝説のミュージシャンだけれどその正体は何世紀も生きる吸血鬼。ある日、モロッコのタンジールに住んでいた妻の吸血鬼イヴ(ティルダ・スウィントン)がアダムに会いに来る。久々に再会をした二人は語り合い、愛を確かめ合うが二人の愛の巣にイヴの妹エヴァ(ミア・ワシコウスカ)が転がり込んで来る。露骨に嫌な顔をするアダム。アダムは87年前にエヴァが起こしたある事件を許せずにいた。そしてエヴァは再びアダムとイヴを困らすせる事件を起こしてしまい……

 『触るだけでどれくらい古い物なのか解っちゃうイヴが可愛い。携帯電話も持ってない位アナログなアダムにツボ。クスッと笑える要素が沢山。上品でスタイリッシュ、この二人のビジュアルがクールで至高なのでいつまでも見ていられる。ただ流しておくだけでも良い映画。緩く静かに流れるその時間は好きな人と一緒に観たいデートムービーにも最適。』

 

 

インセプション 

あらすじ

他人の頭の中に潜り込んで、潜在意識から情報を抜き出す産業スパイのコブ(レオナルド・ディカプリオ)。彼の元に、実業家のサイトー(渡辺謙)から仕事の依頼が舞い込む。その内容は、ライバル企業を倒産に追い込むために、会長の息子ロバート(キリアン・マーフィ)の頭の中に侵入して、「会社を潰す」というアイデアを植えつけるというものだった。コブは選りすぐりのメンバーを集めて、この不可能と思われるミッションに挑戦する。しかし夢の中に潜入すると、思いがけない事態が彼らを待ち受けていた

 『あっちいったりこっちいったり、ちゃんとわからないけどわからないままでいっか、何となく面白いし。なノーラン作品。その中でもインセプションは夢の中のその夢の中のお話し。そのルールを理解できてれば意外にシンプルな内容でわかりやすい。とにかく設定が面白い。しかもロマンス要素も入っているので感情移入しやすい。幻想的でダイナミックな映像の美しさに脳も喜ぶ。いつも使わない部分の脳みそを使って観るので疲れる隙を与えない。』

 

インサイド・ヘッド

あらすじ

アメリカのミネソタ州に住む仲良し夫婦の間に、ライリーというかわいい少女が誕生する。ライリーの誕生とともに、彼女の心の中にも感情が生まれてくる。産まれてきたライリーは両親の姿を見て、はじめてヨロコビという感情が芽生える。さらに成長とともにライリーは5つのベースとなる感情、ヨロコビ、カナシミ、イカリ、ムカムカ、ビビリが生まれる。これらの感情達がライリーの頭の中にある「司令室」で協力し合って1人の人物を作り上げていくお話し。

『何も考えず頭を空っぽにして楽しめる内容と思いきやそこはピクサーやっぱり深〜い。頭の中をコミカルに、それぞれの感情を分かりやすく擬人化するという斬新な設定が素晴らしい。それに加えて人格を作り出す部分(ここでは島)も丁寧に組み込まれている。ライリーの頭の中を一番支配しているのはヨロコビなわけだけど、人によっては違ったりするよね。ライリー家族はとても仲良しなのも微笑ましい。親の視点からすると子供には“自分の親はどんな自分でも受け入れてくれる。と言う安心感を持たせたい。』

 

気になる映画はありましたか?あなたの心に寄り添う様な素敵な映画がみつかりますように。

プロフィール
ライター・モデル
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茶の道をたしなむアラフォーモデルsatoko。 美しい日常に敏感な為、超感覚的知覚が常に刺激され振り回される日々。猫・茶・アート・ファミリー&個性爆発な友人達に支えられ生きている

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