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映像2019.07.17

広告、映像制作……常に想像以上のモノをつくっていたら、映画にたどり着いた。『東京喰種 トーキョーグール【S】』監督は若き2人のクリエイター!

vol.004
映画『東京喰種 トーキョーグール【S】』監督
Takuya Kawasaki,Kazuhiko Hiramaki
川崎拓也氏、平牧和彦
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©石田スイ/集英社 ©️2019「東京喰種【S】」製作委員会

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©石田スイ/集英社 ©️2019「東京喰種【S】」製作委員会

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©石田スイ/集英社 ©️2019「東京喰種【S】」製作委員会

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©石田スイ/集英社 ©️2019「東京喰種【S】」製作委員会

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©石田スイ/集英社 ©️2019「東京喰種【S】」製作委員会

全世界で累計4400万部を突破した人気コミック「東京喰種」シリーズ。2017年に公開された『東京喰種 トーキョーグール』に続き、待望の続編『東京喰種 トーキョーグール【S】』が7月19日(金)に公開。原作でも人気の、美食家・月山vsカネキという喰種(グール)同士の戦いが描かれています。そんな話題作を監督するのは、CMディレクターの川崎拓也(かわさきたくや)&平牧和彦(ひらまきかずひこ)監督。初の映画制作に臨んだ2人に、映画の魅力と映像のこだわり、クリエイターにとって大事なことを教えてもらいました。

タイプが真逆な2人だからこそ、映画をつくれると思った

 


©石田スイ/集英社 ©️2019「東京喰種【S】」製作委員会

初監督作品ですが、監督すると決まったときの率直な気持ちを教えてください。

川崎さん:正直、イタズラかな?と思いましたね(笑)。これまでCMをはじめ、Webの動画やミュージックビデオを撮ってきましたが、映画とは結びつきませんでした。それも人気作の続編だったので驚きましたね。

平牧さん: 正直、できるかどうかは分からなかったですが、川崎さんと2人でという話だったので、どうにかなるかな?とは思いました。僕たちは同じ会社の同期で、お互いの好きなことや得意なことを知っていたので、まぁ力を合わせればできるだろうと。

お互いの得意なこととはどのようなことですか?

川崎さん:平牧さんはとにかく映像をカッコよく撮るのが上手。僕はわりとコマーシャルチックで分かりやすいモノを撮るのですが、彼はもっとスタイリッシュなモノをつくるタイプです。実は、僕たち同じカメラマンに仕事をお願いしたことがあるのですが、僕と彼の作品、本当に同じカメラマンが撮影したの?と思うほど質感や全体の印象が違うモノになるんですよ。もちろん企画の違いもあるんですが、それを見るたびに僕とは真逆にいるタイプだと感じ、尊敬しています。

平牧さん:僕はどちらかというと映像そのものを撮ることが好きですが、川崎さんは人の心の機微や事象を分かりやすく伝えることが得意とタイプがまったく違います。そして一番の大きな違いは、川崎さんは“広告マン”であるということ。映像を広告のツールとしてきちんとアウトプットして、物事を理論立ててつくれる人です。なので今回のような大作になっても、最終的に目指すところがちゃんと見えているんですよ。つじつまが合わなくなるなんてことはなく、ひとつの世界観として表現できる人なんだと思いました。

 

脚本、撮影、編集まですべて話し合って“いいとこどり”してつくり上げた作品

 

実際に2人体制で撮影を行ったとのことですが、現場での役割分担はどのようにしていましたか?

平牧さん:基本、いつも一緒でしたね。脚本はもちろん、ロケ地もすべて相談しながら決めました。とはいえ得意分野というものもあり、現場だと川崎さんが俳優さんたちに演技をつけて、僕はカメラマンや照明さんなどスタッフの方とどういう映像を撮りたいのかを共有していました。撮りたい画が同じなのは分かっていたので、意志の疎通ができずに困ったことはなかったです。編集作業でも、僕と川崎さんと編集マンの方の3人がそれぞれ編集し、その中で1シーンずつ話し合って納得いくモノをつないでいきました。誰かの作品というわけではなく、みんなの“いいとこ”を集めた作品になっています。

これまで実写映画化やアニメ化されている本作ですが、どのようなことにこだわって撮影したのですか?

川崎さん:僕たちは、月山(松田翔太)とカネキ(窪田正孝)の話をどれだけ面白く見せられるのか、ということにこだわりました。アニメはすごく誇張したコミカルな感じになっていたのですがそれとも違うし原作の雰囲気とも変えたい、もちろん前作の映画のニュアンスとも違う、今回の話ならではの雰囲気をどのようにして形にするのかを考えました。
平牧さん:そこで撮り方として考えたのがドキュメンタリー感を出すということ。前作との違いとして、いい意味でのラフ感を出しています。

川崎さん:技術的には、全編カメラをほぼ手持ちで撮影してもらっているんですよ。

平牧さん:それにより揺れが生まれ、よりリアルになったのかなと思います。そこでできた画は、今、僕たちが見ている東京とは違うけど、どこか延長上にある世界で行われている物語のように感じ取ってもらえるようなリアリティがあります。物語のスタートも東京の夜の街並みからですが、どこかいつもと違う何か不穏な雰囲気を映像から伝えようとしています。リアル感とこれから起きる不吉な予兆を感じさせる映像になったと思います。

マンガを映像化にする際に難しいと感じることはありましたか

川崎さん:

縛りがある方が面白いと思うタイプなんで、難しいとは感じませんでした。例えば、喰種である月山は人間の肉しか食べないんですが美食家というキャラクター。マンガだとそこまで美味しそうに見えなくても想像力で美味しそうに感じさせればいいのですが、やはり映像はひと目で美味しそうに見せなければならない。普通なら肉以外の食材を足して美味しそうに見せるんですが、それができないのでいろいろ工夫しました。最終的には、美食家である月山が食べるものらしく、美しくそしてグロテスクになるようにCG加工してつくりあげています。

 

カメラを肩につけて撮影し、喰種の躍動感を演出

 


©石田スイ/集英社 ©️2019「東京喰種【S】」製作委員会

今回の月山vsカネキの物語は名言も多く、ファンの中でも人気の話ですが、2人がお好きなシーンはどこですか?

川崎さん:実際に撮影してよくできたと思ったのは、月山が「トレビアン」と名台詞を吐くシーン。月山は人気のキャラで、彼の名ゼリフは今回の作品をつくるうえで大事なものだったんですよ。ここをきちんと表現できないと、怖くて面白い月山という人物が出ないというか……。実はアニメではかなり面白くキャラっぽくつくっているのですが、それとはまた違うヘンさを出しています。編集していてもすごく楽しかったです。

平牧さん:僕はラストの月山とトーカ(山本舞香)が戦っているシーンですね。トーカが月山の赫子(かぐね・喰種特有の体内から放出した殺傷能力のある器官)に刺されて天高く持ち上げられるシーンがあったのですが、実際の撮影はCG加工なんてもちろんしていなく、クレーンに吊るされているだけだったので、本当に迫力のある映像になるのか?と不安になりましたね(笑)。でも編集された映像は、すごくリアルで痛々しくなっていて素晴らしい! かなりのお気に入りです。CGをふんだんに使用している本作ならではの迫力と、トーカを演じた山本舞香ちゃんをはじめとした俳優さんの演技力のすごさが詰まっていると思います。

最後の戦いのシーンは、躍動感もすごかったです。あれはラフに撮っているからこその生まれた映像だと思いますが……。

平牧さん:そうですね。喰種は人間以上の身体能力があるので、スピード感を大事にしています。僕はシューティングゲームが好きなんですが、そのアングルに近いような映像を撮りたいなと思い、松田さんには肩にカメラをつけてもらって走ってもらったりしました。ゲームに近い視点で面白かったです。
 

何かを見たときに自分がどう感じたのか、そしてそこで何を考えるのかが大事

 

そもそも2人は同じ制作会社に所属されていますが、なぜ広告ディレクターになろうと思ったのですか?

川崎さん僕は学生時代から、広告が好きだったんです。とはいえ、いわゆるカッコイイ映像が好きというより、きちんとプランニングされて理論立って面白さが伝わる広告が好きで。なので、撮影するディレクターより面白さを伝える術を設計するプランナーに憧れていました。実際に仕事に就いたら、ディレクターとしての仕事をしていますが、最近はいわゆる15秒や30秒のCMだけではなく、Web広告のように色んな仕掛けをつくってその商品の魅力を伝えるモノが多くなっています。そういう作品は、映像をつくる側の自分たちもいろいろアイデアを出すことができたりするので、本当に仕事が楽しくってしょうがないです。面白いことを設計することが好きなので、映画もこれまでつくってきたモノに近しいと感じましたね。

平牧さん:僕は、映像表現に興味があって、実験映像っぽいものを撮るのが好きでした。そこから派生して、モーショングラフィックだったりCGだったりと映像の表現方法をたくさん学び、活かそうとこの業界に入りました。映画をつくりたいという気持ちは全くなかったです。これどうやって撮ったの?と思わせる不思議な映像が好きだったので……。だから実際に映画を撮ってみると奥深かったです。

そんな2人が考える、クリエイターにとって大事なことを教えてください。

川崎さん:何かを見て面白いと思うこと”が大事。これがないと何もつくれないです。感受性と言ってしまうとちょっとチープに聞こえますが、何かを見たときに自分の気持ちがどう変化したのかを知ることがすごく重要です。そしてそれを言語化できるともっといい。やっぱり思いは共有できないと、何も伝わらないですから。
平牧さん:同じようなことですが、大事なことは“考えること”と“コミュニケーション”です。どんなことでも考えて自分の中でひとつの答えを持つことが大事かなと。僕たちのようなつくり手は必ず受注する側ですが、受注したそのまま形にするのではなく、一度それについて自分がどう感じてどう思ったのかを考えることが必要で。それをしなければ、僕たちがわざわざ仕事をする意味ってないような気がして。そして、考えただけで終わらせず、きちんとアウトプットしなければなりません。そのためにコミュニケーションが大事で。僕たちの世界なんて、色んな人が集まってひとつのモノをつくっていきます。みんなが自分なりにアイデアを考えて、そしてそれを伝えて共有し合えれば、僕たちが最初に1人で想像していた以上のモノが絶対できているんです。そうやってできたのが今回の映画だと思います。
取材日:2019年6月28日  ライター:玉置晴子 ムービー:村上光廣

『東京喰種 トーキョーグール【S】』

©石田スイ/集英社 ©️2019「東京喰種【S】」製作委員会

原作:石田スイ「東京喰種 トーキョーグール」(集英社ヤングジャンプ コミックス刊)
監督:川崎拓也 平牧和彦
脚本:御笠ノ忠次
主題歌:女王蜂「Introduction」(Sony Music Associated Records
出演:窪田正孝 山本舞香 鈴木伸之 小笠原海 白石隼也 木竜麻生 森七菜 桜田ひより 村井國夫 / 知英 マギー ダンカン 栁俊太郎 坂東巳之助 / 松田翔太
配給: 松竹株式会社
©️2019「東京喰種【S】」製作委員会 ©石田スイ/集英社 

ストーリー
不慮の事故により、人を喰らわないと生きられない喰種と人間のハーフ【半喰種】になってしまったカネキ(窪田正孝)。
葛藤を抱えながらも、トーカ(山本舞香)や喰種たちが集う喫茶店あんていくの仲間たちと、ささやかながらも幸せな毎日を送っていた。
そんなある日突然現れた男・月山習(松田翔太)により、【喰種レストラン】に招待されるのだが、彼は美食家〈グルメ〉と呼ばれる、史上最悪の喰種だった——。
カネキの香りにただならぬ執着を見せ、喰らうためにはどんなことも厭わない月山。その魔の手は、次第に周りにも及び始め…。
果たして、大切な仲間たちを守り抜くことができるのか⁉
喰種VS喰種の壮絶なバトルが、いま、始まる!!!
映画『東京喰種 トーキョーグール【S】』。

プロフィール
映画『東京喰種 トーキョーグール【S】』監督
川崎拓也氏、平牧和彦

川崎拓也(TAKUYA KAWASAKI)氏
1988年生まれ、新潟県出身。東京工芸大学芸術部の学生時代に数々のコンペで受賞。卒業後、geekpicturesに所属。CMディレクターとしてTVCMやWeb広告などで活躍。2019年、『東京喰種 トーキョーグール【S】』で初監督。

平牧和彦(KAZUHIKO HIRAMAKI)氏
1988年生まれ、神奈川県出身。大学、専門学校を卒業後、geekpicturesに所属。CMディレクターとしてTVCMやWeb広告、モーショングラフィックなどで活躍。2016年、ADFESTでアジアの新人ディレクター4人に贈られるFabulousFourを受賞。ヤングディレクターズアワード2016ショートリスト選出。アジア太平洋広告祭「ADFEST 2018」でGOLD、国際広告賞「CLIO HEALTH」のSILVER受賞。2019年、『東京喰種 トーキョーグール【S】』で初監督。

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