面白いことをしなきゃつまらないでしょ 楽しい仕事をしましょうよ、と伝えています

創業して4年の御社は、設立が震災の8ヶ月後の2011年11月という混乱の時期だったようですが、これには何か特別な理由があるのでしょうか。

開発していたセキュリティ関連アプリの目処がついたことがきっかけとなりました。私の関わっている会社は複数あるのですが、その中で内々に開発していたものの商品化の素地が整ったのが、その時期でした。

そのセキュリティ関連アプリが御社のオリジナル商品ということですか。

ええ。iOS端末、Android端末を活用したセキュリティアプリケーションです。自社開発のコードを活用し、情報を安全に管理できます。これによって新たなビジネスモデルの創出が可能になると考えているのです。現在特許出願中ですが、すでに大手企業と直接契約を結び運用がスタートしています。

すでに実績となっているのですね。

この業界に何年もおりますので、ありがたいことにこれまで培ってきたコネクションに直接アプローチすることができるため、チャンネルに不足はありません。ご提案できるプロダクトが開発できれば、多様なソリューションとして私が直接クライアントにご案内しています。

自社プロダクトによって利益を生む 受託に頼らず、常に創造することが強みです

自社プロダクトにこだわる理由を教えていただけますか。

理由はシンプルです。新しいものを作って提案し、それが実績となることの方が楽しいですよね。一般的にソフトウエア関連企業は、利益を生むためにいつの間にか受託開発が増えてしまうことが多いのですが…。私がこの会社の設立に関わったのは、あくまでオリジナルのプロダクトをご提案しつづけるスキルと創造性があったからです。自社プロダクトがクライアントに認められ実績となることで、その運用で会社が回る。その間、また新しい企画に着手する、そういった循環を作り出すことに注力しています。

プロダクトは機能性、とりわけデザインにこだわっているとか。

そうです。表層的な美しさであるデザインということではなく、必要とされる企画であり設計であるという意味の『デザイン』ですね。これは弊社プロダクトの特徴でもありますが、技術とUIや企画、設計といったデザイン分野を併せてご提案しています。一方的なものではなく、クライアントとコミュニケーションを図り、互いの考え方や想いを共有することに重きをおいています。自社プロダクトを礎に、さまざまな形へと可能性を探ることができるのが機能性とデザインに重心を置く、弊社の強みだと思います。

青木さんご自身、多才でいらっしゃるとお聞きしました。

私は長らく服飾デザイナーとWebデザイナーをしていました。また、社長としてスタッフを引っ張る立場も長く経験していましたが、今は少し自由にさせてもらっています。とはいえオーナーであることは変わりないのですが。これまで数多くのベンチャー企業に参画させていただき、現在は複数の会社でCIOやプロデューサーという立場で恊働しています。

クリエイターが求めている場所を 提供していきたい

とてもユニークな経歴をお持ちですね。 青木さんがスタッフに求める資質は何でしょうか。

そうですね。インスピレーションも大事にしていますが、一番は技術力でしょうか。人間ですから得手不得手があって当然だと思いますので、苦手なことを頑張るよりも、得意なことを磨き続けること、つまりスキルを磨くことへ前向きである人は強いと感じます。

地球ソリューションズを含め、青木さんの関わられている会社は独立支援制度が整っているとお聞きしました。

そうです。独立したいスタッフへのサポートをしています。実際に収益が見込まれるプロダクトがあれば、地球ソリューションズのように独立してもらっているのです。独立心のあるスタッフにはどんどん独立してもらいたいですね。自分の会社を立ち上げるということは、覚悟も要りますし、勉強になると思います。それから、スタッフの勤務時間はフレックスですので、自分の働きやすいように働いてもらえばいいと考えています。効率のいい働き方は人によって異なりますからね。私は折々にプロダクトの進捗を確認するくらいです。

クリエイターにとっては働き甲斐のある会社ですね。

ありがとうございます。クリエイターが求めるべきは、常に楽しく面白いことだと思います。それは、これまでのやり方を刷新する企画だったり、まったく新しいモノを作ることだったりと、アプローチの方法はさまざまです。とにかく楽しくしなければ仕事はすぐに退屈になります。スタッフに言っているのはいつも「面白いことをしよう」、こればかりです。そのために生産性の上がる会社でありつづける必要があり、さらにはクリエイターが仕事をしやすい場所を提供しつづけることが大切だと思っています。

ポイントを明確に伝えることで スタッフと方向性を共有する

毎日会社に出社されているわけではないと思いますが、スタッフとのコミュニケーションはどのようにとられているのでしょう。

ミーティングを何度も重ねるというよりは、節目や要所でポイントになる部分を端的に伝えつづけることを心がけていますね。方向性を明確にして共有しています。

さすがですね。 最後に御社の今後のビジョンを教えていただけますか。

はい。本社は仙台ですが、取引先の多くは東京に本社を置く上場企業です。これまで開発してきた自社のプロダクトは着実に全国区で実績を上げることができるようになってきました。今後は、さらにネットワークを広げて海外も視野に入れてよりグルーバルな提案をしていきたいですね。私たちのプロダクトによってクライアントのさらなる可能性を創出し、新たなビジネスの創成を目指していきたいです。

取材日：2014年10月15日