元美容師が培った「本質を引き出す力」。専門家チームで、企業の成長を戦略から実行まで支える
経営課題から向き合い、マーケティングの力で企業の成長を戦略から実行まで支える株式会社MIRAI。代表取締役の西中 政和(にしなか まさかず)さんは、約12年間の美容師経験を経て、Web業界へ転身しました。その経験で培った「相手の思いを引き出す力」を原点に、現在はWeb制作の枠を越え、経営・事業・マーケティング、AIまで、企業の課題や目指す姿に向き合いながら、事業成長に伴走しています。なぜ美容師からWeb業界へ転身したのか。そして、なぜ「企業に伴走する」というスタイルにたどり着いたのか。その歩みと仕事への思いを伺いました。
どんな提案も、要望の背景まで理解することから
これまでのキャリアを教えてください。
私は、もともと広島で約12年間美容師として働いていました。当時は、どうすればお客さまから指名していただけるかを常に考えていて、「もっと会話の引き出しを増やしたい。ならばグルメとアートだ」と思い、休日には食べ歩きをしたり、美術館へ足を運んだりしました。すると、お客さまとの何気ない会話が自然と広がるようになったんです。「どんな髪型にしたいか」だけではなく、「髪質の悩み」や「こんな自分になりたい」といった、本当に大切な思いまで引き出せるようになりました。
要望の背景まで理解して初めて、本当に喜んでいただける提案ができる。美容師は髪を切るだけの仕事ではなく、お客さまの悩みや希望を伺い、その人らしさを引き出しながら人生に寄り添う仕事なのだと実感しました。
なぜ美容師からWeb業界へ転身されたのですか?
きっかけとなったのがiPhoneの登場です。SNSの普及によって、美容室の集客方法やお客さまとのつながり方が大きく変わり始めました。「ITによって社会は大きく変わる。これは面白い」と感じたんです。その可能性に強くひかれ、美容師を辞めて職業訓練校でWebやITを学び直し、この業界へ飛び込みました。
Web業界へ入って、どのようなことを感じましたか?
2013年に個人事業として活動を始めました。ありがたいことに、ご縁にも恵まれ、多くの企業と関わってきました。しかし、当初はお客さまが希望するWebサイトを制作しても、集客や売上など思うような成果につながらないことが多かったんです。
振り返ると、「Webサイトを作ること自体に意識が向いていたんだ」と気付きました。お客さまが口にされた要望の、その背景にある本当の目的まで理解できていなかったんですよね。そこで改めて感じたのが、対話を重ねながら、相手自身もまだ言葉にできていない思いや課題を引き出すことの大切さでした。
美容師時代に感じていたヒアリングの大切さに、再び気付かれたんですね。
そうですね。例えば「Webサイトを作りたい」というご相談の背景には、「集客を増やしたい」「売上を伸ばしたい」「採用を強化したい」など、さまざまな目的があります。そこを理解しないままプロジェクトを進めてしまうと、本来目指すべき方向とは違う着地点になってしまうこともあります。だからこそ、まずは経営者の考えや会社が目指す方向性を丁寧に伺い、企業の強みや価値を整理することが、成果につなげる第一歩なんだと気付きました。
成果を生み出すために、一人ではなくチームで伴走する

法人化を決断された理由を教えてください。
お客さまからご相談を受けるなかで、一人の知識や技術だけでは、企業が抱える課題を十分に解決できないと感じるようになりました。創業時はWeb制作を中心に活動していましたが、「Webサイトを作った後は、どう集客すればいいのか」「より売上につなげるにはどうすればいいのか」といったご相談もいただくようになったんです。そうした課題に向き合ううちに、Web制作という実行部分だけでなく、その前段にある経営課題の整理や事業戦略、マーケティング戦略といった上流工程から関わる必要性を感じるようになりました。そして、デジタル広告やWeb制作など、それぞれの分野の専門家と連携し、戦略の策定から実行、改善まで一貫して伴走することが、お客さまの求める成果につながると考えました。
自分一人の仕事として続けるのではなく、それぞれの専門性を持つ仲間とともに、お客さまにより良い価値を提供できる組織をつくりたい。その思いから、2015年に株式会社MIRAIとして法人化しました。
御社の強みを教えてください。
弊社の強みは、成果から逆算する「戦略力」、それを形にする「実行力」、そして結果につながるまで改善を続ける「やり抜く力」です。その土台にあるのが、お客さまと同じ目線に立ち、当事者意識を持って向き合う姿勢です。ヒアリングを行う以前に、まずは専門家として信頼していただくことが大切だと考えています。
私は、事業や会社だけでなく、相手が何を考え、どんな未来を描いているのかまで徹底的に知ろうとします。そうすることで、経営者ご自身も気付いていないような課題や可能性が見えてくることがあるんです。「この人なら、きっとこう考えるだろう」と想像できるくらいまで相手を知りたい。そのために考え続けることが、私は純粋に好きなんです。
お客さまが求める成果を出すために、どのような事業を展開されていますか?
経営課題の整理や事業戦略の策定を起点に、マーケティングやブランディング、Web・デジタル施策、AIの業務実装まで、企業の成長に必要な支援を幅広く行っています。
一見すると、それぞれ別の事業に見えるかもしれません。しかし、私たちはサービスを個別に提供しているのではなく、まず、お客さまの課題や目指す成果を明確にし、そこから必要な戦略と施策を設計しています。
こうした支援は、お客さまとの信頼関係があってこそ成り立つものです。対話を重ね、事業への思いや本音まで共有していただくことで、初めて課題の本質が見えてきます。関係が深まるなかで、「MIRAIが実践している取り組みを、自社にも導入したい」とご相談いただくことも少なくありません。
私たち自身が実践し、試行錯誤してきた経験も生かしながら、各分野の専門家と連携し、戦略の策定から実行、検証、改善まで一貫して伴走することを大切にしています。
これまで支援されたなかで、印象に残っている事例を教えてください。
ある企業への支援が印象に残っています。これまで成果につながっていた集客方法が、お客さまの行動の変化によって、次第に機能しにくくなっていました。商品やサービス自体には魅力があるのに、従来の発信方法を続けているだけでは、その価値を十分に届けられなくなっていたんです。 そこで、お客さまが普段どのように情報を集め、商品やサービスを選んでいるのかを整理しました。さらに、競合との違いや、お客さまから本当に評価されていること、これからどんな人に届けていきたいのかも改めて見直しました。
その結果、従来の発信方法である、紙媒体も含めて、Web・SNSを組み合わせながら、情報の届け方を再設計したんです。
また、商品の豊富さだけではなく、実際にサービスを体験することで、どのような価値が得られるのかを伝えるようにしました。広告媒体を変えることが目的ではありません。誰に、どのような価値を、どの順番で伝えるのかを、顧客行動から設計し直したマーケティング支援の一例です。
地域に価値を還元する組織へ。目指す「三つの未来」

組織づくりで大切にしていることを教えてください。
私がどのように課題を捉え、なぜその提案や判断に至ったのかを、社内で共有しています。
どの課題を優先し、どこに経営資源を集中させるのか、反対に何をあえて行わないのか。その思考過程を可能な限りドキュメントとして残し、AIでも活用できる形に整理しています。
目的は、私の判断をそのまま再現することではありません。個人に蓄積されてきた経験や判断基準を組織の知識に変え、メンバー一人ひとりが専門性を発揮しながら、「MIRAIとしてどう判断するか」を考えられる組織をつくることです。
西中さんの考え方が、社内全体に共有されているんですね。
そうですね。会社の価値が特定の個人に集まっている状態では、組織として成長し続けることは難しいと思うんです。だからこそ、一人ひとりが培ってきた経験や知見、判断基準を組織の資産として蓄積し、次の世代へ受け継いでいきたいと考えています。
その知識をもとに人が育ち、より多くの企業の成長を支えられるようになる。そうした積み重ねが、地域に価値を還元し続けられる会社につながると考えています。
MIRAIはどのような会社を目指しているのでしょうか?
創業当初は、まず目の前のお客さまの事業を良くしたいという思いから始まりました。活動を続けるなかで、企業が成長すれば、そこで働く人やその家族、取引先、地域にも良い影響が広がっていくことを実感したんです。
さらに、一緒に仕事をするクリエイターや技術者、パートナー企業と知識や技術を磨き合うことで、業界そのものの未来も良くしていけると感じました。そのためMIRAIでは、「顧客の未来」「社会・地域の未来」「パートナーや業界の未来」という三つの未来を大切にできる会社であり続けたいです。
AI時代でも変わらない、結果に責任を持つクリエイターの価値
AI時代に、西中さんが考える「クリエイター」とは、どのような存在ですか?
AIの発展によって、誰もがデザインや表現を形にできる時代になりました。だからこそ、これからのクリエイターには、事業や顧客を深く理解し、まだ言葉になっていない価値や課題を見つける力が求められます。
さらに、経営やマーケティング、テクノロジーなど、異なる分野の専門家と連携し、それぞれの知識や視点を一つの価値へ統合していく。制作物の納品をゴールにせず、チームで結果に向き合い、改善を続けることが大切だと考えています。
最後に、どのようなクリエイターと一緒に仕事がしたいと考えていますか?
私は、「こういうものを世の中に増やしたい」という強い意志を持つ人と一緒に仕事したいですね。AIはとても優秀な道具ですが、何のために、どう使うかを決めるのは人です。実現したい未来を持つ人ほど、AIを生かしながら、その人にしか生み出せない新しい価値をつくれると思います。
取材日:2026年7月31日 ライター:宮川 佳子
株式会社MIRAI
- 代表者名: 西中 政和
- 設立年月:2015年11月
- 資本金:1,000万円
- 事業内容:経営・事業戦略コンサルティング、マーケティング・ブランディング支援、デジタルマーケティング戦略の策定・実行支援、Webサイトの企画・制作、AI活用の戦略策定・業務実装・組織定着支援ほか
- 所在地:
【広島本社】〒730-0013 広島県広島市中区八丁堀4-15 5F
【東京青山オフィス】〒107-0052 東京都港区赤坂八丁目4-14 青山タワープレイス8F - URL:https://mi-rai.co.jp
- お問い合わせ先:https://mi-rai.co.jp/contact






