アニメ・マンガIPを世界へ届ける!Aniqueのグッズ制作と体験型カフェ事業の現在地

東京
Anique株式会社 クリエイティブ部門 事業責任者
Hitoshi Shinomiya
四宮 一志氏

アニメやマンガ、ゲームといった日本発のIP(知的財産)を国内外へ──。自社のロゴでアニメーションの「ア」を表現するAnique株式会社は、さまざまな人気作品のグッズの企画から制作、自社運営の体験型カフェ「洒落CAFE」などを通して、作品とファンのコミュニケーションを支えている企業です。グッズ制作の中核を担うクリエイティブ部門・事業責任者の四宮 一志(しのみや ひとし)さんに会社の歩みや転機、職場環境、展望などを聞きました。

資金調達によって海外にも日本発のIPを

御社の事業内容について教えてください。

弊社は「“想い”で世界を動かす。」をミッションに掲げるエンターテインメント企業です。日本のアニメやマンガ、ゲームなどのコンテンツをIPホルダー(知的財産を持つ版元)からお借りし、コンテンツとファンをつなぐ体験を設計して空間を創り出す事業を展開しています。

具体的には、キャラクターグッズの企画から製造、販売、国内外におけるポップアップストアの企画や運営、VRやメタバースの技術を活用したオンライン展覧会、ポップカルチャーと食を融合させた体験型カフェ「洒落CAFE」の運営など、領域はさまざまです。

設立は2019年3月ですが、どのように事業を拡大されたのですか?

成り立ちとしては、アニメ制作の過程で生まれ、その後眠ってしまっていたセル画や原画などに、ブロックチェーン技術を活用して新たな資産価値を付与し、提供したNFT(デジタル作品などの所有証明に活用される電子証明書)の販売事業からスタートしました。その後、事業を推進していくなかでファンの方々の「作品の世界観をもっと身近に感じたい」「所有する喜びを形にしたい」という想いに応えるため、事業領域を拡張。デジタルとリアルを融合させ、多角的にIPを展開していく現在の事業に発展していきました。

スタートアップ企業としての転機は、2022年に笠井高秀がCFOとして入社したことでした。笠井は23年9月から共同代表取締役を務めています。投資銀行でIPコンテンツの領域に関わっていた笠井が会社の財政を立て直し、その後、共同代表取締役となってからは過去の知見を生かした資金調達、アメリカ、韓国、台湾、中国などの海外での事業開発に乗り出し、会社の事業規模がさらに広がっていきました。

取り扱っていらっしゃるIPは、どれほどの数になるのでしょうか。

弊社で取り扱っているIPの数は合計で300以上で現在も増え続けています。国内のアニメやコミックス、ゲーム、アイドル、スポーツ、VTuberなど、コンテンツのジャンルは多岐にわたります。企画、デザイン、製造、プロモーション、ECサイトでの販売、店舗運営、海外展開と、企画の提案からファンに体験を届けるところまで一気通貫で担えるのは、弊社の強みだと思っています。また、グローバル展開のスピードと実行力も強みで、26年現在は、アジアを中心に日本のIPを海外へ展開する動きも拡大しています。

さまざまな経歴を持つエンタメ好きスタッフが活躍

御社におけるクリエイティブ部門の役割を、教えてください。

ファンのみなさまに満足いただけるように、作品の世界観を活かした企画を提案し、それを形にしていくのが主な役割です。プロジェクトのスタートは、版元さまからのご相談だけではなく、弊社から提案させていただく場合もあります。作品の世界観に沿った内容はもちろんですが、例えば、架空の世界を舞台にしたファンタジー作品に対して「夏祭りの縁日で屋台を楽しむシチュエーションはいかがでしょう」と、本来の作品とはひと味違った「if」の提案をさせていただくことも多いです。

IPをお借りしてモノづくりを行っていく以上、作品の世界観を活かして「こういう形も考えられます」と提案しないと、弊社の価値はないとも思っています。先ほどの「夏祭り」のシチュエーションで考えるのなら、浴衣を着ていたとしても「刀による戦闘シーンが特徴的な作品なので、敵と対峙したらすぐに刀を抜ける浴衣にしよう」など、発想をふくらませることで「面白い」と言っていただけることもあります。

クリエイティブ部門の事業責任者として、四宮さんはどのような役割を担っていらっしゃるのでしょうか。

クリエイティブ領域全体のクオリティ管理とチームが円滑に動くための組織課題の解決が、主な役割です。クオリティ管理としては、社内で制作されたクリエイティブ全般を把握しており、SNSでの告知内容、弊社の体験型カフェ「洒落CAFE」などで開催されるコラボイベントやポップアップストアの装飾もチェックしています。

組織課題の解決では、クリエイターがモノづくりに集中できる環境づくりに力を入れておりまして、他部署とスムーズにやりとりできるようにクリエイターとの間に立ったり、業務過多を防ぐために社内のリソースを整理したり、社内では調整役になる機会も多いです。スタッフがモノづくり以外に気をそがれてしまう状態では「よいクリエイティブは生まれない」と考えていますし、何かあれば、すぐ相談できる環境も意識しています。

そうした環境で活躍されているクリエイターの方々の職種や職場環境についてお聞かせください。

クリエイターは全体で15人ほどで、イラストレーターやグラフィックデザイナーのほかにポップアップストアなどの店舗装飾デザイナー、グッズをデザインするプロダクトデザイナーもいます。スタッフは「エンタメが好き」という共通点を持ちながらも、アパレル業界やゲーム業界、飲食業界の出身者など、経歴は多岐にわたっているんです。

職場環境としては担当分野によって扱うソフトが異なり、イラストでは「CLIP STUDIO PAINT」、グラフィックデザインではAdobeの「Illustrator」や「Photoshop」を主に使用しており、3Dのモデリングでは「Blender」なども使用しています。

社内での教育制度、キャリアアップに関する施策を教えてください。

やはり、版元さまの作品にふれる機会は必要ですし、書籍などを購入する際は会社で補助しています。社内でも過去のアニメやマンガ、ゲームといった作品を見られる環境があり、共有されているんです。入社後はOJT(On-the-Job Training)で業務に慣れていただきます。常に複数のプロジェクトが並行している環境ですので、先輩のデザイナーがメンターとして新人につきますし、独り立ちできるまでのスピードも早いです。

理想は周囲を巻き込みながら仕事ができる人材

四宮さんからみた、御社の今後の展望を伺えますか。

新たに資金調達を成功させ、会社の歴史からすると“第2の成長フェーズ”となっています。特に体験型カフェを新設したのは大きな変化で、都内では原宿の店舗「洒落CAFEハラカド店」に加えて、花をテーマにした洒落CAFE新宿マルイ本館店(洒落CAFE FLEUR)もオープンしました。さらにテアトルをテーマにした洒落CAFE有楽町マルイ店を準備中です。(26年7月現在)

また、地方の店舗としても福岡の「洒落CAFE博多マルイ店」に加えて、春には大阪の「洒落CAFE心斎橋BIGSTEP店」もオープンし、海外拠点も計画しています。テーマの異なる店舗空間で開催されるコラボイベントで、日本発のIPをより多くの方々に楽しんでいただきたいです。

新たな店舗展開によって、御社のクリエイターの方々もますます活躍の場が広がりそうですね。

そうですね。ファンのみなさまの「人生の一部」でもあるIPで「どうすればもっと喜んでいただけるか」を自身で考え、周囲を巻き込みながら仕事を進めていける方と、一緒に働きたいと思っています。エンターテインメントコンテンツを扱う以上は、楽しむ心も大切です。弊社にはスタートアップならではの「自走力」もありますし、過去の経歴を問わず、人を楽しませたい、人が喜ぶ体験を作りたいといった人にとっては働きやすい会社だと思います。

取材日:2026年7月14日 ライター:カネコ シュウヘイ

Anique株式会社

  • 代表者名:笠井 高秀
  • 設立年月:2019年3月
  • 事業内容:IPグッズの企画・販売、ポップアップストアの開催、デジタルグッズの企画・システム開発、ECなどのサービスサイト運営
  • 所在地:【本社】〒101-0054 東京都千代田区神田錦町2丁目4番地 ダヴィンチ小川町3階
  • URL:https://anique.jp
  • お問い合わせ先:公式サイト「お問い合わせ」より

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