WEB・モバイル2026.04.15

“最適”を考えることが価値になる。札幌から届ける、周りの人たちを幸せにするデザイン

札幌
株式会社ヨシナリデザイン室 代表取締役/アートディレクター
Takashi Yoshinari
吉成 崇

グラフィックを軸にWebや看板制作など幅広く手がける、札幌の株式会社ヨシナリデザイン室。印刷会社や広告代理店勤務を経て40歳で独立した代表取締役・吉成 崇(よしなり たかし)さんは、現在もデザイナーの第一線で活躍しています。そんな吉成さんの仕事観や現在の働き方、これから目指す姿についてお話を伺いました。

アルバイトでデザインの面白さを知る

デザインの道に進んだきっかけを教えてください。

幼少期から絵を描いたり、粘土で何かを作ったりすることが好きな子どもでした。高校卒業後の進路を決める際も、周りに「絵が得意だからデザインの専門学校に行くといい」と勧められ、「一応行っておくか」くらいの感じで…。当時は音楽に夢中になっていたこともあり、デザイナーになるつもりはなかったので、それほど熱心に勉強もしていませんでしたね。
22歳の頃に音楽以外の仕事を考えるようになりました。そのときに思い浮かんだのがデザイン系の仕事だったんです。

そこからデザイン会社に就職したのですか?

最初はシルクスクリーン印刷でTシャツを作る会社でアルバイトをしていました。これがとても面白かったんです。カッターで切り貼りしたり、インクを練ったり、こんなに楽しい仕事があるんだと思いました。残念ながらその会社は1年ほどで経営が傾いてしまいましたが、その経験から本格的にデザインの仕事をしようと就職先を探しました。
実務経験なしでの中途採用は難しかったですが、流通系のチラシを制作している会社に入社でき、そこでデザイナーとしての実績を積むことができました。 その後、スポーツ新聞の広告をメインで手がけている小さな広告代理店に転職。2〜3年働いたところで、営業の同僚が独立するということで、そこのデザイナーとして誘いを受けました。大変なのは分かっていましたが、いずれは自分も独立を考えていましたので、これもいい経験になるかなと思い、広告代理店の立ち上げを手伝いました。

どのような仕事をメインにしていたのですか?

スポーツ新聞の広告デザインをメインに、チラシや飲食店のロゴデザイン、名刺、看板などを手がけていました。一時はスタッフも増えたのですが、徐々にスポーツ新聞が縮小傾向になってきたため、スタッフも減っていきました。圧倒的にマンパワーが足りないので残業も当たり前でしたし、私はデザイン以外にお客さまとの打ち合わせや業者との折衝、納品、集金など何でも担当していました。当時は大変でしたが、今ではそれも経験しておいて良かったと思います。

会社設立と仕事に対する価値観の変化

独立された経緯を教えてください。

家族ができたこともあり、なかなか踏ん切りがつかなかったのですが、独立の夢を果たすために40歳で個人事業主として独立しました。フリーになって3年目くらいにコロナ禍になりましたが、もともと飲食店のクライアントも少なく、広告代理店からの依頼が多かったので、特に大きな影響はありませんでした。
売上も順調に伸び、5年目の2022年に会社を設立しました。

仕事に対するスタンスや取り組み方は変わりましたか?

独立当初はやる気に満ちていて、将来は会社を大きくし、スタッフも増やして事務所を構えたいという野望もありました。ところがフリーになって3年目に重い病気を経験し、そのときに命について深く考え、人生を見つめ直しました。それまで仕事のことだけを考えて生きてきましたが、現在はなるべくストレスを溜めずに、マイペースに自分らしく仕事をしていけるよう日々心がけています。

現在のメイン業務を教えてください。

基本はグラフィックデザインで、チラシやポスター、看板やホームページなどが多いですね。個人的にはロゴ制作が好きで、シンプルなデザインが得意です。
業種のジャンルは幅広く、飲食店や建築系、ドローン関連の会社などさまざまです。これまでのつながりから、ほぼ紹介だけで仕事が回っていますし、代理店はもちろん、お客さまや業者さんから直接依頼をいただくこともあります。
ディレクションは私が担当し、制作は自分とスタッフが分担して行います。私がお客さまとやり取りをするため、どうしても私のカラーが出ることが多いですが、スタッフからの素晴らしいアイデアが、作品に化学変化を起こして良い提案ができたときなどは、チームでやっていく醍醐味を感じます。

デザインでお客さまや周りの人たちを幸せにしたい

デザインでお客さまや周りの人たちを幸せにしたい

例えば看板の仕事だと、お客さまと現地でサイズや材質を確認し、看板施工業者と相談しながら進めるなど、デザインをして終わりではなく、企画から制作、印刷、施工まで一貫して対応することでお客さまから喜ばれたりします。広告代理店出身ということもあり、何でもやるというスタイルが身についているのでしょうね。私は飽き性なので毎回違う仕事がある方が楽しいですし、初めての業種でも、信頼できる知人や業者にアドバイスやサポートをしてもらいながら進めるので不安はありません。
ほかには、独立を考えていたときにデザイン以外の収入の柱も必要だと思い、Webサイト制作やSEO、アフィリエイトなどを独学で学びました。これも今では強みになっています。

自社のWebサイトを最近立ち上げられたと聞きました。

そうなんです。他社のWebサイト制作はしていたのですが、なかなか時間がとれず、最近ようやく自社サイトを立ち上げました。もともとGoogle広告の運用もやっていたこともあり、今は自社サイトの広告も出稿しているので、Webサイトからのお問い合わせも今後期待しています。

普段の業務体系を教えてください。

現在のスタッフは私のほかに、業務委託やパートで働くデザイナー5人の計6人です。業務委託のスタッフは他社の仕事も並行して受注していますので、月・水・金は弊社のオフィスで一緒に作業し、それ以外の日はそれぞれ自宅などで自分の仕事をしています。今は場所を選ばずに仕事ができる時代で、本当にありがたいですね。

スタッフを増やそうというお考えはありますか?

今は人数を増やそうとは考えていませんが、今後、案件が増えてきた場合にはもちろん増員も考えます。

“最適”へと導く提案力がデザイナーの価値を高める

今後の展望や目指していることを教えてください。

今後は一次産業に特化したデザインにも取り組んでいきたいと考えています。一次産業の現場には、デザインや売り方が分からずに困っている方も多く、そこに手を貸してブランディングや情報発信をサポートしたいと思っています。

現場ではどのようなクリエイターが求められますか?

私は職業訓練学校で教える機会もあり、デザイナー志望の学生には「ただ言われたことをそのままやるのはオペレーターで、デザイナーは自分の頭で考えることが大事」と伝えています。お客さまの商品やサービス、さらにその先にいるエンドユーザーのことまで考え、最適な形で見せるのがデザインの仕事です。
例えばA4サイズのチラシの発注に対して、A3サイズの方が効果的かもしれない、あるいはそもそもチラシ以外の手法が適しているかもしれないといった提案までできると、デザイナーとしての価値は高まります。私自身、それができていたから紹介をいただく機会も多かったのだと思います。

クリエイターを目指す人にアドバイスをお願いします。

私はやらない後悔より、やってみてだめだった後悔の方がいいと思って今まで生きてきました。学生に教えていると「デザイナーは本当に食べていけるのか」と不安に思う人も多いですが、デザインの世界では、本当に好きかどうかが重要です。私の若い頃は厳しい労働環境でしたが、本当に好きな人はやめずに続け、勉強や研究を重ねていました。好きであれば必ず成長しますし、やってみて向いていないと感じたら、別の道を選ぶのも一つの選択です。
デザインは価値観による部分も大きく、正解は一つではありません。お客さまの判断が加わるため、終わりが見えにくい仕事でもあります。フリーランスは特に大変な面もありますが、好きであれば乗り越えられますので、まずは挑戦してみてほしいですね。

取材日:2025年12月17日 ライター:八幡 智子

株式会社ヨシナリデザイン室

  • 代表者名:吉成 崇
  • 設立年月:2022年10月
  • 資本金:100万円
  • 事業内容:グラフィックデザイン、Webデザイン
  • 所在地:〒060-0005 北海道札幌市中央区北5条西5丁目1-5 JR GOGO SAPPORO 6階 Station01内
  • URL:https://yoshinari.design/
  • お問い合わせ先:上記の「お問い合わせ」へ

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