お客さまと会うことで生まれる「人間性が見えるデザイン」。元洋服店員が築く新潟の人の輪

新潟
有限会社オン・デザイン 代表取締役
Kenichi Yokoyama
横山 健一

洋服の販売員からデザイナーとしてのキャリアをスタートさせた、有限会社オン・デザインの横山 健一(よこやま けんいち)さん。ホームページの黎明期からWebの可能性に着目し、現在は新潟を中心とした事業者から、ホームページやチラシ、パンフレットなどの制作を請け負っています。横山さんの信条はお客様と直接会うことで生み出す「人間性が見えるデザイン」。新潟で、Web制作にとどまらず人が集まり、人がつながる場を作り、大切にしている横山さんに、デザインや事業への想いとこだわりについてお伺いしました。

「売る側」から「つくる側」へ転身。幅広く制作をしようと27歳で独立

御社はWebや紙媒体のデザイン制作を主としていらっしゃいますが、そもそも横山さんがデザインに興味を持ったキッカケは?

私は洋服が好きだったこともあり、そもそもは洋服の販売員をしていました。そうする中でいつからか「つくる側の人間になりたい」という思いが芽生え始め、デザインに興味を持ちました。
働きながら、夜間のカルチャースクールに通い、Illustrator、Photoshopをメインにアプリケーションの使い方などを約半年に渡って学びました。卒業した25歳のときに建設関係の会社の子会社へと転職し、資料やパンフレットなどを制作する仕事に就きました。

洋服関連の制作、例えばパタンナーなどの選択肢もあったのではないですか?

確かにそうですね。しかし、洋服を作るとなると、さらにもっと専門的な勉強が必要になると考えていました。私は当時すでに結婚していて、子どももいました。時間も経済的な余裕もなかったというのも、洋服関連の制作という選択肢を選ばなかった要因でした。

転職してからどのくらいで独立を考えるようになったのですか?

入社から1年半ほどして、さまざまなジャンルの制作を数多く手掛けてみたいと思うようになり、27歳のときに独立しました。親会社である建設業のチラシなどが主となっていたので、仕事に幅を持たせたかったからです。

社名に込めた、自らの想い。周囲に支えられ、2年目に手応え

社名「オン・デザイン」の由来を教えてください。

「〜し続ける」という意味の「on(オン)」をデザインの前につけることで、「デザインし続けよう」という私自身の想いをそのまま社名にしました。

独立してからすぐにお仕事はあったのですか?

ありました。前職を円満な形で辞めたので、そこからお仕事をいただきつつ、印刷会社さんなどにあいさつ回りをして、営業活動を行い、クライアントを増やしていきました。でも、1年目は本当に細々とやっている感じで、仕事がない月もありました。
2年目に知り合いの方から印刷会社さんの定期的なお仕事を手伝わせていただき、そこから収入が安定して、独立してやっていけるという手応えを得ました。仕事も徐々に増えてきたので、3年目にスタッフを雇いました。

時代の潮流に乗り、Web制作に注力。独学でスキルアップさせたHTMLの書き方

現在のメイン業務を教えてください。

ホームページ制作がメインです。たまにパンフレットやチラシの制作依頼もいただきます。

会社立ち上げ当初から、Web制作をしようという意向はあったのですか?

ありましたね。私が会社を立ち上げた当時は、さまざまな情報がケータイで得られるようになるなど、インターネットの黎明期でした。そんな時代の流れを感じていたので、Web制作には力を入れたいと考えていました。
また、新潟ではWebに特化した会社さんはほとんどなかったことも後押しになりましたね。しかし、会社を立ち上げてすぐには手が出せておらず、本格的にWeb制作をし始めたのは、会社設立から3年ほどしてからです。

服飾業界から転職を考えた際に通っていた学校で、ホームページ制作のやり方も学んでいたのですか?

いえ、独学です。元々は、HTMLを書くのが得意なスタッフがいたんです。依頼がきたら、すべてそのスタッフに任せていました。しかし、現在では一人になり、自分でもきちんとHTMLを書けるようにならなければと、本などで勉強するようになりました。

ホームページを制作するうえで大切にしていることを教えてください。

できるだけスマートに書くこと。つまり、そのホームページの主がどういう人で何を伝えたいのか、を誰が見ても分かりやすいように書くことですね。「人間性が見える」ようにデザインするというのが、私の信条です。同じようなホームページを作っていくのではなくて、私の持っているスキルを生かして、クライアントが得意としていることをわかりやすくユーザーに伝えるデザインを行なうことを大切にしています。

事務所を地域の憩いの場に。新潟の事業者をWeb制作で支える

レンタルスペースとなるスタジオを作った経緯を教えてください。

元々、この建物の2階に私の自宅があって、1階には全く別の店舗が入っていました。しかし、そこが閉店したことから、1階を事務所にしたのですが、1人で使うにはあまりにも広すぎて。
そこで、事務所以外のスペースを地域の方に有効活用していただこうと考えた結果がスタジオでした。人が集まり、人がつながる場になればいいなという思いからです。5年ほど前にスタジオは完成しており、現在は、ダンスやヨガ、ピラティスなどの教室として活用していただいています。

デザインのアイデアはどのようなときにわいてきますか?

事務所から徒歩20分ほどで海岸に行けるので、海を散歩しているとき、と言いたいのですが、実際は湯船に浸かっているときですね。リラックスしているタイミングでふと頭に浮かんでくることが多いです。
しかし、日本海側の海岸は岩場があったりして、あの景観がなんともいいんですよね。潮風も心地いいし。絶好の気分転換スポットです。

クライアントはどのような方が多いですか?

ほぼ100%が新潟県内の事業者さんです。システム関連企業さんからデザインを依頼されることもありますし、ホームページをつくりたい企業からの依頼もあります。ホームページをただ作るのではなくて、効果を求める方が多く、そういった視点でのデザインを相談されるお客さまも結構いらっしゃいますね。

目指すは「人間性が見える」デザイン

一緒に仕事をしてみたいと思う人はどんな人ですか?

私はお仕事をいただいた際には、必ず顔を合わせてお会いするようにしています。デザインの信条としてはお伝えしたとおり、「クライアント本人の人間性が見えるもの」です。この信条を形にするために、私自身が誰よりもクライアントを知らなければならない。だからこそ、直接会ってその方を知りたいんです。雰囲気などを直に肌で感じることで、仕事のやりやすさなども変わってくると思うんですよね。だから、一方的なご依頼や丸投げのお仕事はお断りするようにしています。デザインを通して、人を伝え、人をつなぐことをお仕事としたいので、そのような関係性を築ける方と一緒に仕事をしたいですね。

今後の展望を聞かせてください。

今やっていることを継続していきたいと思っています。お客さまときちんと向きあい、その人となりをデザインで伝え続けていく。1人でやっているからこそ、そういった自分の信念を大事にしていきたいです。

取材日:2023年4月24日 ライター:コジマ タケヒロ

有限会社 オン・デザイン

  • 代表者名:横山 健一
  • 設立年月:2004年9月
  • 資本金:100万円
  • 事業内容:パンフレット・カタログ・名刺・チラシなど各種広告デザイン制作、ホームページ(web)企画・制作、レンタルスタジオ運営
  • 所在地:〒951-8152 新潟県新潟市中央区信濃町11-7
  • URL:https://on-design.jp
  • お問い合わせ先:025-265-2109 または 

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