WEB・モバイル2023.03.22

ECサイトで「価値観と選択肢の出会い」をサポート!旅する大学生プログラマーが目指す未来

沖縄
株式会社MoreChoice 代表取締役
Taito Ito
伊藤 大憧
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株式会社MoreChoice(モアチョイス)の代表取締役・伊藤 大憧(いとう たいと)さんは、大学1年生の時に「プログラマーとして活動しながら旅するノマドワーカーになりたい」という夢を抱き、2021年の大学3年時にはフリーランスエンジニアになり、電動キックボードで日本一周を実現。さらに翌年には、学業の傍らECとWebサイトの制作会社を石垣島で設立した、早熟かつ強靭な行動力の持ち主です。2023年の春、さらなるビジネスと視野拡大のため世界へと旅立つ伊藤さんに、「旅」と「働くこと」を結びつけた理由から、今後の展望まで伺いました。

10代で「旅するプログラマー」になることを決意

ITの世界に興味を持ったのはいつからですか?

高校生の頃に動画編集に興味を持って以来です。大学では情報系の学部を専攻し、1年次からプログラミングを学び始めました。一方、「将来は旅をしながら働きたい」と漠然と思うようになり、どのような職種の人がそのような生き方をしているか調べてみると、プログラマーやエンジニアが多いことがわかりました。そこでエンジニアになろうと決意し、25歳頃までに実現できればいいな、と考えていました。

なぜ旅をしながら働きたいと思われたのでしょうか。

国内外を旅する機会が多く、旅がとても好きだったんです。さまざまな場所や国で、今まで知らなかった常識や世界に触れると、心からワクワクする性格なんです。旅をしながら働ければ最高だと、当時勉強していたプログラミングと旅を合体させて「旅するプログラマー」を目指すようになりました。

当時はまだ10代だったと思いますが、かなり若くして具体的な将来像を描かれたのですね。

そうですね。しかし、私のような目標を持っている人が大学にはほとんどいなくて、共感してもらえず心細く感じることも。その代わりに、学外へ行って視野を広げたり技術を磨いたりしようと気持ちを切り替えました。手始めに大学2年の夏に、フィリピンのセブ島で開催されていた、英語とプログラミングを同時に学べる「エンジニア留学」というプログラムに参加し、自分を追い込むことにしました。帰国後はすぐに同郷の自動車会社のIT事業部で、1年間インターンとして働きながら、独学でプログラミングの勉強を続けました。

インターン生として働き始めて1年経った頃、フリーランスのエンジニア対象の、1週間泊まり込みの交流会が都内のドミトリーで開催されるということで参加しました。すると、私の理想の生き方を実行しているノマドワーカーばかりが集まっていたんです。とても刺激を受けたと同時に、私のスキルが彼らに負けていないこともわかりました。にもかかわらず、彼らはすでに旅をしながら働いているし、お金を稼いでいる。これが起爆剤となり、「早く彼らのようになりたい!」と、勢いで実家を出て、そのドミトリーに滞在しながらフリーランスエンジニアとして働くようになりました。

休学し、電動キックボードで日本一周の旅へ。魅了された石垣島で起業

学業との両立は大変ではありませんでしたか?

1、2年時に頑張ったおかげでほとんどの単位は習得できていましたし、コロナ禍でリモート授業だったこともあり授業は週1回のみで、さほど苦労せず両立できました。ドミトリー滞在中に、ともに暮らす仲間からの紹介で徐々に仕事を増やすことができ、ノマドワーカーとしての生活のめどが何とか整ったところで、大学を休学しました。コロナの影響で海外に行くことは叶いませんでしたが、日本を深く知るチャンスだと、日本一周の旅に出ることにしたんです。旅の手段は、誰もやったことがないという単純な理由で、キックボードに決めました(笑)。

キックボードとはおもしろいですね!どのぐらい日本一周を続けたのですか?

約半年かけて、北から南まで旅しました。各地で私のようなノマドワーカーにも多く出会えましたし、旅行の様子をTikTokで発信したことで大勢の方と知り合えました。その出会いは仕事にも結びつき、日本全国から依頼を頂けるようになりました。
旅を終えてからも依頼は増え、次第にサイト設計から運用まで携わるようになりました。そして数か月後の2022年2月に、旅を通して人々と風景のすばらしさにほれ込んだ石垣島へ移住し、起業することにしました。

フリーランスのエンジニアとして順調だったように感じますが、なぜ起業を決意されたのでしょうか。

理由は三つあります。一つ目は税理士からの助言があり、法人化した方がいいだろうという判断です。二つ目は受ける仕事の規模が大きくなったことで、社会的な信用度を高める必要性が生じてきたため。三つ目は、今後の目標が明確になり、会社として展開した方が進めやすいと考えたためです。

全ての事業は、旅を通して幸せを実感できる人を増やすための手段

明確になってきた目標は、どのようなものでしょうか。

「選択肢を増やし挑戦しやすい世界を」という企業理念を掲げています。私は日本一周を通して多くの価値観や情報に触れることができ、多くの選択肢を持つことができました。そこで強く感じたのは、「多くの価値観に触れるほど世界が広がり、幸せになれる」ということでした。
情報過多な今の時代、旅をしなくてもさまざまな価値観や情報に触れることは可能かもしれません。しかし机上で知るのではなく、旅を通じてリアルに接するほうが質の良い情報や、本当に自分に合う価値観、つまり自分の幸せにつながるものを見つけられると感じたんです。私のように旅することで、自分を幸せにできる「何か」を見つけられる人を増やしたいんです。その実現に向けて、旅人のためのアウトドアブランドを開発し、広めていくことが目標になりました。
アウトドアブランドを成功させるために、まずはECをメインにしたWebサイト制作の会社を作り、受託の仕事を請け負いながら、ECやブランド運営のノウハウや実績を蓄積することにしました。焦らず、長いスパンで旅人を増やしていければと考えています。

ECサイト制作会社として、特にどのような点が御社の強みだとお考えですか?

サイトを単純に制作するのではなく、売上につなげられるサイト作りにこだわる点だと思います。ECサイトを作る本来の目的は売上のためですので、本当に売上はUPしているのか、そのためにはどうしたらいいのか、と結果コミットできるよう、制作後の運営面までサポートできる体制を敷いています。社員は私以外おりませんが、業務提携している頼れるメンバーが10人ほどいます。マーケターやデザイナー、エンジニア、ブランディングディレクター、カメラマンなど、その道のプロフェッショナルを案件ごとにアサインし、クライアントの要望に応えています。

これまで手掛けた案件で、特に成功したものを教えてください。

登録者数約190万人の「CANVY」というYouTuberが作ったアパレルブランドのECサイトを、2022年11月にオープンしました。ストアの分析などさまざまなEC戦略を立て、約半年かけ試行錯誤しながら作った甲斐あって、いざリリースしてみるとあっという間に軒並み完売に。もちろんCANVYのインフルエンサーとしてのパワーがあったうえでの結果だとは思いますが、今後もしっかり戦略を立て、売れるサイトを作っていきたいと改めて感じた案件でした。

2023年春、世界一周へ。海外のEC事情を吸収し、事業拡大を図る

今後の展望や計画をお聞かせください。

今年の5月から世界一周の旅に出発予定です。色々な世界を見たいという個人的な夢を叶えると同時に、各国のECについての視察や勉強も兼ねており、まずECが日本より盛んな台湾や韓国、中国に行きます。韓国では買い物はECがメインになりつつありますし、中国ではライブコマースが盛んなので、日本に合うやり方を見つけたいですね。旅は5年ほどのロングスパンで計画中ですが、拠点が石垣島というのは変わらず、海外と石垣島を行き来しながら事業の拡大を図ります。
もう一つ取り組みたいことが、ブランディング戦略です。現状はECサイトの制作と運営が主な事業内容ですが、その前段階のブランディング戦略から、商品のデザインそのものにまで関われるような力を身に付けたいです。

最後に、これから事業を拡大する中で、どのような方と一緒に働きたいと思いますか?

自分がやりたいことを、やりたいと言える人です。やりたくないことをやらなければいけない時もありますが、あくまでも、やりたいことのための一時の我慢であるべきです。未来につながらないなら、やりたくないことをだらだらと続けていても幸せではありません。「こういうことをやりたい!」と自信を持って言える方となら、事業を通して、一緒に幸せな未来を作っていけると思います。

取材日:2023年2月14日 ライター:仲濱 淳

株式会社MoreChoice

  • 代表者名:伊藤 大憧
  • 設立年月:2022年2月
  • 資本金:100万円
  • 事業内容:ECサイト制作、WEBサイト制作、広告運用、SNS運用
  • 所在地:〒907-0022沖縄県石垣市大川278番地TAMAビル 2F 201号室
  • URL:https://morechoice-web.com/
  • お問い合わせ:https://morechoice-web.com/contact

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