映像2024.03.19

クリエイティブ職ってなんだ?

東京
映像ディレクター
秘密のチュートリアル!
野辺五月

4月スタートの職場や学びの場に向けて、今回は初心に戻って「クリエイティブ職」ってなんだ?の話。

専門学校の学生さんに、「クリエイティブ職に就きたいんですけど」と相談される機会があり、根本的に「クリエイティブ職ってなんだ?」とふと思ったので、敢えてゼロ知識のつもりで調べてみました。
私も傍からみてると、「クリエイティブ職」の人間らしいんですが、名乗った記憶はあまりなく……
そもそも何時頃から「クリエイティブ職」という単語が出回っていたのかもわからないのですが、制作とか開発とか……そういった類の呼び方のほうが主流であったような気がします。(デザインは個別でデザインだったような?)
と、その辺の歴史はさておき、いまや1億総クリエイター時代とも言われ、「ネット上で個人クリエイターが商品・サービスを提供→利益を得るデジタル市場=クリエイターズエコノミー」が国を飛び越えて、世界へ伸びています。
YouTuber、ライバー、アーティスト、プロゲーマー、ジャーナリストなど……色々な種類のアーティストがいますが、個人クリエイターの伸びと同時に、会社の方でも「クリエイティブ」に関わる仕事は目立ってきました。
昔からある代理店や制作会社のようなクリエイティブ事業に関わる会社もあれば、新たにそれらコンテンツを制作する会社、また一般の会社の広報として制作をする(クリエイティブ)部門など……多岐に渡っています。
周辺には、IT・アプリなどインフラ/プラットフォーム事業もあります。あるツールに特化した企業もあります。

人材サーチ・転職サイト・派遣のサイトをみていても、「クリエイティブ職」という項目は、会社や媒体ごとにかなり定義が違うようです。

最初の話に戻りますが、学生さんに、「クリエイティブ職」と言われても「めちゃくちゃ色々あるけど、どれ?!」となるわけです。「絵とか」と言われても「動画?静止画?」「媒体は?」「系統は?」などこれまた細かく言えば山ほど……。
ついでに、1億総クリエイター時代なので、自分でやるという手もあります。

じゃあ、就職に際して、あるいはインターンシップに際して、「クリエイティブ職」ってなんだろう。
これが今回のお話です。ただめちゃくちゃでかい風呂敷にならざるを得ないので、ざっくりと……ちょっとだけ俯瞰できないかなというテーマで纏めたいと思います。

この記事を掲載しているWebメディア「クリエイターズステーション」を運営しているのは、株式会社フェローズ。クリエイターの人材マネジメント会社です。画像はフェローズの求人情報サイトです。求人の業種から探そうとすると、大きなくくりは「映像・テレビ局」「Web」「ゲーム」「広告・出版・印刷」「アニメ」「建築・インテリア・プロダクトデザイン」「その他業界」とあります。
ちなみに2、3他の検索先やクリエイティブ系をうたう転職サイトなどをみても、ざっくりいえば、そんな感じで、中には「Web」がメインでプログラマーも含んでいたり「アミューズメント・遊技機」が分かれていたり……
「クリエイティブ業界」な場合もあれば、関係なく、例えばチョコレートやナッツを扱う会社の「クリエイティブ部門」を探している場合もあったり……形が色々でした。

しかし、仕事の内容だけで見ていくと、大きな範囲では、「ディレクター」「プレイヤー」に分かれている様子。
プレイヤー側は、更にいうと、デザイナー……Webデザイナー/UIデザイナー/3Dデザイナー・モデラ―/イラストレーター/背景デザイナー/プロダクトデザイナー……なんていうふうに細かく分かれていますし、ライターも、コピーライター・記者・ウェブライター・SEOライター……などという風に、更に言えば会社ごとにその定義もまちまちでした。
それにもまして難しいのが「ディレクター」です。これは前に一度記事でディレクターってなんだという話でもとりあげたのですが、本当に現場業界会社によってやることがまちまち、必要なスペックもまちまちです。
多く見かけるのがアートディレクター・コンテンツディレクター……ざっくりでいうと、制作の中のビジュアル部門を統括する=アートディレクター、コンテンツ(媒体・中身)そのものの企画立案運用を統括する=コンテンツディレクターといったことなのでしょうか。他にも制作ディレクターやプロデューサーという言い方と被る部分もあります。Webディレクターも、自分で手を動かしてコーディングまでする仕事、指示をして統括する仕事、企画から営業してクライアント交渉をして指示をする仕事などなど……本当に機能がばらばらの印象を受けました。
この辺はいちいち見ていくほかありません。

先程の学生さんは「絵とか」とのことだったのですが、
ざっくり考えるだけで、
・イラストレーター
・背景イラストレーター
・アニメーター
・キャラクターデザイナー
などの他、
グッズデザインやVTuberのアバター、SNSアイコンや宣伝漫画等々……たくさんのバリエーションがあり、
更に
・パッケージデザイナー
・モーションデザイナー
・デザイナー
も場合によっては絵に関わります。
業界で言えば、先程の区分(「映像・テレビ局」「Web」「ゲーム」「広告・出版・印刷」「アニメ」「建築・インテリア・プロダクトデザイン」「その他業界」)の中で、特に「ゲーム」「アニメ」「広告・出版・印刷」が多そうな印象ですが、実際働いたり、関わったりすると、イラストや絵自体に特化した会社で業界を越えていることもあり、例えば「ゲームも広告もテレビも……全部の絵を制作します」というイラスト会社や、「背景関連は(建築含め)なんでも絵を描きます」という会社もあります。その際のソフトが2Dか3Dか どっちかだけの会社もあれば両方という会社もあります。
こんがらがってきますね(苦笑)。

「映像は?」というと、絵を使ったMVもありますが、内部で作っている会社もありますが、それ以上にいただいた素材を動かしたり、外注で絵をかいてもらったりしているケースもあります。※つまり絵は描かない会社も多いです。
この辺は、学生だったり外からみていたりするとわかりづらいかもしれません。
アニメーションに見えても、アニメーターが描いているものと、映像屋が動かしているものとで、どの制作工程をするのかは違います。全部の場合もあれば、部分の場合もあります。

長くなっていまいそうなので、一旦区切りますが
何をする会社なのか、何をする職種なのかがわかりにくいことは多々あります。

これはクリエイティブ職に限らずですが(事務職でもかなりバリエーションがあると聞きます)
「これがやれると思ったら違った」以前に、どんな仕事か知らないと、ポートフォリオ作りなどの段階でズレてしまっている可能性もあります。

実際にどんな仕事なのかという企業研究・業界研究、職種の研究は必要でしょう。
これはそんなに難しく考える必要はなくて、現職の人に質問をすればいいのですが、この際……先程の「会社によってかなり違う」という前提が大事になります。
その会社にはいりたいならば現役の方を探すか知ってる人を探す……となりますが、もう少し大きく探したい時は、何人か違う会社・違う職種に当たる必要もあると思います。

「これがしたいが、どこに行けばいいかわからない」という点で学生さんは悩まれると思いますが、
逆に現役・転職・求職者の場合「これが出来るが、どこに活かしたらいいかわからない」が悩みになると思います。

いくつか会社を渡り歩けばわかることもありますが、違う業界で実は必要とされている技術……などは、自分や自分の近場の人間からの情報ではわからないことも多いです。
そんなときのエージェント……。
ただ、担当さんによっては、何が強い・どこが強い……という得意分野や経歴があるので、必ずしもわかると限りません。相性もあるので、素直に「違う方からも話がききたい」とチェンジすることをお勧めする場合もあります。

「クリエイティブ職」については、特に幅が広く、また会社によってはかなり「狭義」でその言葉を使っていることもあるので、擦り合わせが必要。
要求されるレベルや内容もまちまちです。細かく言えばソフトの扱いであるとか、Mac/Winレベルのこととかまで含めて……業種によって結構大きく効率・精度が変わってくるので、「まず飛び込め」も大事ですが、「このキーワードが自分のできること・したいことにぴったりだ」という処を掴むまではいくつか別のワードでもって検索するといいのかなと……。
その後、調べてわからないところは、派遣や就職窓口の担当さんへ質問……していくという流れではないかなと。完全な答えには行きついていませんが、そんなところで、「クリエイティブ職」とは何ぞやを締めたいと思います。

これから春になり、新しい仕事・新しいトライ・新しい勉強を、と思う人も多いでしょう。まずはツールや使用環境、手を動かしたいのか指示出しの方が得意なのか考えて、場合によってはエージェント・担当さん、知人友人色々な方法で「クリエイティブ」以外の「キーワード」探しに取り組んでみてはいかがでしょうか。

プロフィール
映像ディレクター
野辺五月
学生時代、研究の片手間、ひょんなことからシナリオライター(ゴースト)へ。 HP告知・雑誌掲載時の対応・外注管理などの制作進行?!も兼ね、ほそぼそと仕事をするうちに、潰れる現場。舞う仕事。消える責任者…… 諸々あって、気づけば、編プロ・広告会社・IT関連などを渡り歩くフリーランス(コピーライター/ディレクター)と化す。 2015年結婚式場の仕事をきっかけに、映像畑へ。プレミア・AE使い。基本はいつでもシナリオ構成!2022年は現場主義へ立ち返り、演出・構成をメインに活動。現在の主流は「インタビュー」「取材」もの。 「作るために作る」ではなく「伝えるために作る」が目標。趣味の飲み歩きができるようになって嬉しい反面、ダイエットせねばと叫ぶ日々。

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