WEB・モバイル2014.12.10

ウェブ解析を始めよう!~サイト運営はデータ分析が鍵となる~

Vol.112
株式会社インテグラス取締役 木村覚さん
サイト運営に欠かせなくなった「Web解析」ですが、「難しそう」「わかりにくい」と感じている人が多いのではないでしょうか?しかし、Web解析をすることで、今まで見えなかった課題が見えてくるのも事実。そこで今回は、フェローズの「実践的Web解析講座」の講師でもある株式会社インテグラス取締役の木村覚さんに登場していただき、Web解析で見えることやメリットについてたっぷり語っていただきました。今すぐWeb解析を勉強したくなる話が満載です!
 
 
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<Webマーケティング担当者のための実践的Web解析講座> 成果が出るWebサイト構築を目指す!~初級編~

成果を出せるWebサイトを作るためには、Webサイトの解析を行い、その解析結果をもとにしてPDCAサイクルを回していくことが必須! Web解析の基礎、Google Analyticsの使い方を学び、成果がでるWebサイト構築を目指しませんか? 最新の開催日時・会場は下記ページでご確認ください! ▼Fellows Creative Academy https://www.fellow-s.co.jp/academy/webanalytics/

マス媒体ではわからなかった成果や課題が Webならはっきりわかる!

フェローズの「実践的Web解析講座」は、どんな人のための講座なのでしょうか?

「Webマーケティング担当者のための」と銘打っていますが、マーケティング担当だけでなくデザイナーなどのクリエイターの方も多いですね。制作物以外の提案をしていきたいけど、何から始めていいのかわからない、という声を多く聞きました。

Web解析をすることで、何がわかるのでしょう?

サイトの課題や改善ポイントがわかります。この課題や改善ポイントをクライアントと共有することで、新たな提案に結びつけることができます。Webは成果や課題が明確になる媒体で、これは、テレビ、新聞、雑誌、ラジオのマス4媒体にはない特徴です。マス4媒体を使っていた時代は、成果がよくわからないけどクライアントがお金を出してくれた「幸せな時代」でしたが、今はそれでは通用しません。

「成果がわからなかった」とは?

私は広告代理店のマーケティングセクションの出身ですが、広告の成果でどれくらい購買に結びついたのかは、はっきりわかりませんから、広告の成果は測定できなかったんですよ。出稿量と視聴率を基にしてどこまでリーチを獲得できたか、という指標の「GRP」はありましたが、成果を測るものではありません。

マス媒体からWebに軸足が移り「Web解析士」の資格を取得 サイト内でのユーザーの行動を理解することが大切

確かに、従来の媒体と異なり、Webは成果が明確にわかりますね。

Webは成果が明確ですし、効率も良い媒体です。 私は2006年に独立し、主にダイレクト系の商品を扱ってきました。テレビ、新聞、雑誌で告知して電話申し込みにつなげるのですが、成果がすぐにわかって面白いんですよね。そのうちWebも媒体として扱うようになると、マス媒体のレスポンスが落ちて力が弱まっているのに、Webはしっかりと効いているのが分かった。その効率の良さはすぐに数字になって表れますから、当然クライアントもWebに軸足を移していきます。そんな状況の中で、私もWebについて勉強して「Web解析士」の資格を取りました。

Web広告も初期と今ではだいぶメニューも増え、様変わりしてきました。

初期の頃は、マス媒体と同じような考え方で、例えばYahoo!のトップページにバナー広告を乗せて、とにかくたくさんの人に認知してもらう、という広告メニューが主でした。しかしすぐにクリックされることで広告料金が発生する「クリック課金」が出てきて、さらに次々と新しい広告ソリューションが生まれています。いまや私たちユーザーのことはWebによく理解されていて、何に興味があるか、どんなサイトを見てきたのか、それに合わせて広告が表示されますよね。 そんな知恵と工夫とお金を絞ってサイトに連れてきたユーザーが、サイトでどう行動したのか理解することが大切で、それがわかるのがWeb解析なんです。

課題と原因を見つけて提案することがWeb解析 クライアントの利益にインパクトを与えるクリエイティブ こそが“ステキ”

Web解析と言うと、PV、ユニークユーザー数、離脱率などなど、細かい数字が吐き出されるイメージがあります。

Googleアナリティクスなど、Web解析ツールは誰でも簡単に数字を見ることができますが、その数字を示すだけではWeb解析ではありません。多くのWebは資料請求や購入などの成果に結びつけ、ビジネスの利益を上げることを目的としていますから、その成果に結びつかないのはなぜか、課題と原因を見つけて提案するところまでがWeb解析です。

Web解析で見つけた課題や原因は「仮説」ですよね?

その仮説を出して、クライアントに持っていくことが大切です。仮説を出してディスカッションすることで、新たな情報を引き出せますし、改善策を一緒に作ることができます。そこで引き出せる情報は、Webだけでは解決できないことも多々あるのですが、それを含めて共有して、新たな提案につなげることもできます。

Web解析を元にした改善策は、クリエイティブと相反することが多くありませんか?

クルマなどブランディングを目的としたサイトは、“クリエイターがこだわるステキ”が必要ですが、コンバージョン(最終成果)を上げてビジネスの利益につなげることを目的にしたサイトには“クリエイターがこだわるステキ”ではない、別の要素が必要です。クライアントの利益にインパクトを与えるクリエイティブこそが“ステキ”なんです。

昨今、単価が下がっていることに悩んでいるクリエイターは多いと思いますが、クライアントの利益が自分の利益につながります。自分が儲けたかったら、クライアントを儲けさせるのが近道なんですよ。

Web解析をすることでクライアント側の視点に立つ 今までにないクリエイティブが提案できる!

クリエイターは数字が苦手な人が多いのですが(笑)、これだけは知っておいた方がいい用語や数字はありますか?

広告のクリエイティブ評価につながる ▼CTR(インターネット広告のクリック率) ▼CTC(広告クリック数に対してのコンバージョン率) と、サイト評価につながる ▼CVR(サイト訪問者に対してのコンバージョン率) は最低でもチェックしたいですね。また、必ずクライアントと握っておきたいのが、目標とする ▼CPA(1人あたりの獲得単価) です。

CPA(1人あたりの獲得単価)を握っておくのが大切な理由は?

単価を安くするにはリスティング広告が効率が良いのですが、リスティングではリーチが広がりません。例えば、お弁当を温かいまま運べる「ランチジャー」の施策として、「ランチジャー」でリスティング広告を打てば安く済みますが、ズバリ「ランチジャー」で検索する人数なんてたかが知れています。リーチを広げるために「お弁当」に興味がある人、4月の新入学の子供を持つ人、などもターゲットに加えると、CPAは高くなっていきます。目標売上を達成するために、ある程度のCPAは必要だとクライアントと共有し、その上限を決めておけば、いろいろな施策を考えることができます。

インテグラス株式会社 取締役 WACAウェブ解析士マスター 木村 覚氏

インテグラス株式会社
取締役
WACAウェブ解析士マスター
木村 覚氏

Web解析を知ると、見えるポイントが増えて提案の幅が広がりますね!

クライアントから委託されていると、つい仕事を受けている立場からの視点になりがちですが、Web解析をすることでクライアント側の視点に立つことができます。この「クライアント側に立つ」ことで、まさに見えるポイントが増えて、今までにないクリエイティブを提案することにもつながります。 「実践的Web解析講座」では、簡単な計算で問題点や改善ポイントを見つける演習なども行っています。興味を持った方は、ぜひ受講してみてください。懇親会の時間での質問も大歓迎です!

取材日:2014年11月28日 ライター:植松

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