decade

Vol.157
CMプロデューサー
番長プロデューサーの世直しコラム
櫻木 光

2020年になりました。今年もよろしくお願いします。

つい最近2000年になったと思っていたら20年経っていました。

 

decadeという言い方をすると、10年単位でものを考えるということですが

そこのスタートに立つ年の始まりです。20年代。

この先どういう10年にしたいか、そのまた次の10年がどうなっているのか

なり行き任せにせず、本当に真面目に考えないとひどい目に遭いそうな予感がします。

 

今年はオリンピックイヤーですが、オリンピック後の経済予想で明るいものはありません。

五輪後、東京にスラム街ができはじめるという予想すらあります。

定年を70歳にするという動きも見られますが、逆に、現実は45歳以上のリストラが

加速しているそうです。会社が儲かっているいないに関わらず。だそうです。

日本を支えてきた中産階級が激減していて、ほんの1%の富裕層と残りの貧乏人で構成される

構造破壊社会が生成されつつあるそうです。世界的な流れですね。イヤな世の中です。

 

50代に突入した僕らの世代は、色々厳しい現実と直面することが多くなってきます。

 

社会全体が厳しいのに、自分たちの体力の衰えからくるパフォーマンスの低下。

自分以外の、自分でコントロールできない、例えば高齢化した親などの介護の問題。

下の世代から突き上げてくる世代交代の波。厳しさのあまり心が怪我しちゃうとか。

そして、全体で衰退していく国の経済と地域社会の問題。

なんか、お先真っ暗な気分さえ漂ってきています。思い描いた未来と違ってきました。

 

まわりはオリンピックや、アメリカの比較的好調な経済に引っ張られた

偽りの日本の株価の安定などに隠れて危機感はありませんね。

結構やばいと思います。50代のこれからの10年。

 

と、やばいやばいと言っても仕方がないし、自分がどうするか先に決めとかなきゃいけませんね。

ここから10年、その後の10年を想像しておく必要があります。

と思ってネットの記事を読んでいたらこんなのがありました。

 

 

70歳を過ぎた方に、

『人生で後悔していることはなにか』

とアンケートを取った結果、どんな回答があったのか、という話。

 

1位『もっとチャレンジすればよかった。』

2位『誰がどう思うかなんて気にしなければよかった。』

3位『幸せをもっと噛みしめたかった。』

4位『もっと他人に尽くせばよかった。』

5位『くよくよ悩まなければよかった。』

6位『家族ともっと時間を過ごせばよかった。』

 

こんな感じなんですね。気持ちはよくわかります。わかるようになりました。

 

いまと比べて多様な価値観を持つことができなかった世代の後悔だともとれますが、

実を言うと、僕らも、その下の世代ですら、日本人はこの世代とあまり価値観の変化は起きていない

様に僕は感じています。30年進化していない感じ。進歩がないのか。

 

海外の情報に触れていると、日本以外の国は、いろいろ問題はあるにせよ、

僕らに比べればずいぶん進化しているなあという気分です。

裏のコンビニのちっちゃかった息子が今はしっかりした店長、みたいな気分。

お前、ちょっと見ない間にでっかくなったなあ。いい車乗ってんじゃん。

 

アジアでも一番の先進国で、金があって、影響力がある。

と言う時代はとうの昔に終わってたんだなあ。中国すげえなあ。

 

それなのに文句すら言わないで大人しくしている日本の若い世代は、何かを諦めたのか、

僕らの頃よりひどくなって、で、心を壊しているような感じさえある。

 

国は、経営のセンスのかけらもない奴らが、いつも足を引っ張り合いながら

5年で自分は逃げ切れる、あとは知らんと言う態度で好きにやってる状態。

嘘ばかりつかれても僕らの世代は文句だけ言ってなんも打つ手はなく。

無駄に税金を使われても、若い奴らは文句も言う場所すらない。

という感じで良くなっていく気配がありません。

 

だから、ここから10年はそういう事を洗い出して対処方法を考える

10年にしなきゃいけないかもしれません。

僕らの世代は、その目処をつけて、瓦礫の処理までやって、若い世代に

交代してあげないといけないんだと最近思います。

上の世代の義務は、散らかしまくった部屋の片付けを先延ばしにしない。

ちゃんと終活してから渡す。そうありたいものです。

僕ら50代はその掃除に20年かける気合が必要かもしれないなあと。

 

教育も、建前ばかりではなく、生活の糧を得るための新しい考え方などを、

個人でやる時代にあったやりかたで子供たちと一緒に考えていかないと

新しいイノベーションなんかでてくる空気にすらならないんだと思うのです。

 

70代の後悔の話は、薄々感じていたけど、皆さん、できたのにやらなかった話だとも

思うのです。だから後悔。やれなかったんだと言い訳はいくらでも言える。

ただ人生は思うようにいかないし、ままならないし、タイミング悪いし、

なんでだよ?いまかよ?の繰り返しのなかで、ふと気づくと後悔、みたいな感じも

わかってきました。自分だけではどうにもならない話も多い。すれ違いの連続。

 

だから、あえて後悔しないで老後を迎えるための、ジジイになっても

よっこいしょ感を出さず、やりたい事にキビキビ動いている人をめざして、

暗くなったり、やる気をなくしたりせず、生きていく計画を立てる最初の10年、

その先の10年を見すえて、にしなきゃいけないと思っています。

 

やる事がある、という事が幸せですね。やる気をなくさないでいたい。

 

僕個人としては、今までの自分のことしか考えずにいた態度を改めて、田舎の両親、兄弟、

そして故郷の地域社会の問題解決に関われるのか?

東京にいる会社の仲間や、部下、友達、今住んでいる地域、そういうコミュニティに何をしてあげられるか?

やれることを新しく見つけて、そのために自分の仕事をあと20年盤石にする必要があります。

居座るんじゃないですよ。世代交代のための頑張り方。

 

そしたらもう個人でできる新しい収入源を見つけてもいいし、新しいチャレンジしてもいい。

外国語が必要かも知れないし、いまさら外国に出ることもためらわないようになりたい。

生活のことだけを考えると、緩やかに着陸態勢に入る人もいるでしょうが、僕は無理。

やる事がいっぱいあります。自分でやることを捻出する。世の中がシラけても俺はシラけねえぞ、的な。

健康第一ですけどね。そのスタートの10年になると嬉しいですね。

プロフィール
CMプロデューサー
櫻木 光
プロデューサーと言ってもいろんなタイプがいると思いますが、矢面に立つのは当たり前と仕事をしていたら、ついたあだ名が「番長」でした。

日本中のクリエイターを応援するメディアクリエイターズステーションをフォロー!

TOP