日本人クリエイターがシンガポールで仕事をゲットするためのアクションプランと大事な意識

Vol.42
Fellows Creative Staff Singapore Pte. Ltd. 代表
Junya Oishi
大石 隼矢

今回はシンガポールで日本人クリエイターが働くためのアクションプランと大事な意識、ということで読者のみなさまが読んですぐに、「今日から準備を始められる」内容を目指したいと思います。すでに2021年の「シンガポールで働く~クリエイター事情~」でも書いているんですが、実際にこちらで活動するクリエイターと接してきた私が新たに得たインサイトを元に2024年版へアップグレードします。

シンガポールはアジアの中でも特に経済が発展し、クリエイティブ産業も勢いがある国の一つです。日本人クリエイターにとっても、ここシンガポールでのキャリアは非常に魅力的です。しかし、異国の地で成功するためには、異国特有のチャレンジを理解し、対策を講じることが必要です。このコラムでは、シンガポールで日本人クリエイターが働くために重要な三つのポイントについて詳しくお伝えします。

目次

1) 自己投資:スキルとポートフォリオを構築する

2) 小さな経験を積む:インターンシップやボランティア活動

3) ネットワーク構築にトライする:現地クリエイターの仲間を作る

4) シンガポールのクリエイティブ産業の最新動向をリサーチする

5) 求人やプロジェクトへの応募をカスタマイズする

6) フォローアップの重要性

7) FELLOWS CREATIVE STAFF SINGAPOREのサポート

 

1)自己投資:スキルとポートフォリオを構築する

まず最初に、自分自身に投資することの重要性について考えましょう。シンガポールのような競争が激しい市場では、特にスキルとポートフォリオの質が成功の鍵を握ります。

スキルの磨き方

シンガポールでは、特定の分野において高い専門性を持つことが非常に評価されます。「なんでもできます!」というアプローチは避け、自分が本当に得意とする分野を深く掘り下げることが重要です。スキルアップのためのオンラインコースやワークショップを活用して、最新の技術やトレンドを学び続けましょう。

ポートフォリオの構築

次に、ポートフォリオの重要性についてです。クリエイターにとってポートフォリオは、履歴書以上に重要な自己紹介ツールです。ポートフォリオは自分のスタイルや能力を視覚的に表現するもので、具体的なプロジェクトや成果を示すことで信頼性を高めます。シンガポールの市場に合わせたポートフォリオを作成することが重要です。例えば、日本での経験を強調する一方で、シンガポールの文化や市場に適応した作品も含めると良いでしょう。

2)小さな経験を積む:インターンシップやボランティア活動

シンガポールでのキャリアのスタートは、インターンシップやボランティア活動から始めるのが効果的です。現地に住んでいるとしばしば企業のインターンとして就業していた経験のある若手クリエイターと出会います。実績を作りたい。だけど社会に出る前に実務経験や評価が得られない。こういった悩みを解決する手段として、インターンやボランティアでのクリエイティブ案件への参加が効果的です。これらの経験は、業界に対する深い理解を得るだけでなく、実際のプロジェクトを通じてスキルを実践する機会となります。

インターンシップの価値 

インターンシップは短期間であっても、実際の業務に携わることで多くの学びがあります。例えば、デザインスタジオや広告代理店でのインターンシップは、現地のプロセスやクライアントとのやり取りを学ぶ絶好の機会です。また、インターンシップを通じて業界内のネットワークを広げることもできます。日本だけで経験してきた方にとってはその「違い」について体験する貴重な機会と言っていいでしょう。

ボランティア活動のメリット

ボランティア活動も見逃せない機会です。特にNPOやスタートアップなどでのボランティア活動は、リソースが限られているために多岐にわたる業務を経験できることが多いです。これにより、柔軟性や問題解決能力が養われるだけでなく、社会貢献を通じて自分の価値を実感することもできます。またこのボランティア活動に関わっている人々の中には、実際にシンガポールの企業で就業している方も多くいます。もしもコミュニケーションが取れる機会に恵まれれば、現地でクリエイターの仕事をするためのアイディアを得られるかもしれません。

3)ネットワーク構築にトライする:現地クリエイターの仲間を作る

次に、プロフェッショナルなネットワークの構築についてです。シンガポールのクリエイティブ産業は非常にダイナミックで、ネットワーキングは成功への重要な要素です。

ソーシャルメディアの活用

LinkedIn、Behance、Dribbbleなどのソーシャルメディアプラットフォームは、クリエイター同士の交流やポートフォリオの発信に非常に役立ちます。特にLinkedInは、ビジネスの場でのネットワーキングに最適です。自分のプロファイルを充実させ、業界のトレンドに関する投稿を定期的に行うことで、存在感を高めましょう。

業界イベントやワークショップへの参加

シンガポールでは、クリエイティブ業界のイベントやワークショップが頻繁に開催されています。これらのイベントは、同業者との交流や新しいアイデアの発見に絶好の機会です。例えば、デザインフェスティバルやマーケティングカンファレンスなど、様々なイベントに積極的に参加しましょう。これにより、潜在的なメンターや雇用主と出会う機会が増え、将来のキャリアチャンスが広がります。

4)シンガポールのクリエイティブ産業の最新動向をリサーチする

常に最新の情報を把握し続けることは、クリエイターにとって不可欠です。シンガポールのクリエイティブ産業は急速に進化しており、新しいトレンドや技術に対応することが重要です。

業界のリソースを活用する

業界のブログ、ポッドキャスト、ニュースレターなどをフォローし、最新のトレンドや動向をキャッチアップしましょう。例えば、「The Drum」や「Creative Review」などの国際的なリソースは、グローバルな視点からの情報を提供してくれます。また、シンガポールローカルの「Marketing Interactive」や「Campaign Asia」もチェックしましょう。「Cultjobs」のようなクリエイティブ系求人に特化した求人サイトで情報を得ることも、クリエイター人材へのニーズのリアルさがあっておすすめです。

情報の活用方法

取得した情報を活用して、自分の仕事にどう反映させるかを考えることが大切です。例えば、最新のデザイントレンドを取り入れた作品をポートフォリオに追加したり、新しいマーケティング手法をクライアントに提案したり、自分の価値を高める方法を模索しましょう。

5)求人やプロジェクトへの応募をカスタマイズする

求人やプロジェクトへの応募は、自分のスキルや経験を最も効果的に伝えるチャンスです。応募資料を企業の文化や価値観に合わせてカスタマイズすることで、他の応募者との差別化を図ることができます。

カスタマイズのポイント

応募する企業のミッションやビジョンを理解し、それに合わせたカバーレターを作成しましょう。例えば、企業が環境保護に力を入れている場合、自分のプロジェクトの中で環境に配慮した取り組みを強調すると良いでしょう。また、具体的なプロジェクトや経験を通じて、その企業にどのように貢献できるかを明確に伝えることが重要です。正直な話、応募先の企業について調べてくる応募者は限られています。一方で採用する企業側としては「自社に合う人材」と出会いたいので、調べていないことがわかってしまうとは逆効果。応募先企業の情報について話せるようにしておくことや、Webサイトやマーケティング施策などといった実践的な提案を小出しできるようにしておくことも効果的です。

ポートフォリオのアップデート

応募するポジションに応じて、ポートフォリオもカスタマイズしましょう。ベースとなるポートフォリオは常に最新の状態に保ちつつ、応募先の企業やプロジェクトに関連する作品や経験を強調するようにしましょう。すでに公開されている作品を自分のポートフォリオに載せる場合は、可能であれば依頼主の許可を得ましょう。大抵の場合、OKをもらえることが多いと思いますが、限定公開するなどして対策をしましょう。

6)フォローアップの重要性

応募プロセスの最後で、重要なのがフォローアップです。丁寧なフォローアップは、あなたのプロフェッショナリズムと継続的な興味を示す機会です。

効果的なフォローアップの方法

応募を提出した後、感謝の意を伝えるメールを送ることは基本ですが、その際に面接の機会についても尋ねると良いでしょう。また、面接後もフォローアップメールを送り、再度感謝の意を伝えるとともに、面接での印象を強化するためのポイントをおさらいするのも効果的です。

7)FELLOWS CREATIVE STAFF SINGAPOREのサポート

最後に、弊社FELLOWS CREATIVE STAFF SINGAPOREが提供するサポートについて紹介します。我々はシンガポールに拠点を置き、社員紹介とフリーランス紹介を組み合わせた人材マネジメントを得意としています。デザイン、PR、SNS・KOLマーケティング、動画制作など、幅広い職種に対応可能です。フリーランスとしてスタートし、後に社員雇用へとスカウトされることも可能です。登録することで、シンガポールでの初めての仕事を見つける手助けをいたします。コロナ禍の2020年に設立され今年で5年目になりますが、まだまだ存在感は低い方です。しかし、登録してくださっているクリエイターのマーケティング活動を地道に行ってきたことで、得られた案件も増えてきました。

以下は弊社のコーポレート資料を紹介するnote.の記事です。過去案件の抜粋も載っていますのでチェックしてみてください。
https://note.com/fellows_sg_/n/na375b45b8830

シンガポールで日本人クリエイターが成功するためには、自己投資、小さな経験、そしてプロフェッショナルなネットワークの構築が不可欠です。常に最新の情報を追い求め、応募用の資料をカスタマイズし、丁寧なフォローアップを行うことで、あなたのキャリアは開けてくるでしょう!シンガポールでのキャリアを築くために、ぜひFELLOWS CREATIVE STAFF SINGAPOREのサポートを活用してください。あなたのユニークな才能が輝く未来を、私たちと一緒に切り開きましょう。

プロフィール
Fellows Creative Staff Singapore Pte. Ltd. 代表
大石 隼矢
1990年 静岡県焼津市生まれ。2012年 京都外国語大学 卒。2010年カナダ・ウエスタンオンタリオ大学へ交換留学。2012年株式会社フェローズ入社。2020年4月にフェローズ初の海外拠点であるFellows Creative Staff Singapore Pte. Ltd.の責任者に就任。シンガポール国内のクリエイティブ人材や専門職人材に特化した人材マネジメントサービスを提供している。
Contact:https://www.fellow-s.com.sg/contact-us/
X(Twitter):@junya_oishi
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