シンガポールIT事情

Vol.1
Fellows Creative Staff Singapore Pte. Ltd. エージェント/マネージングディレクター
Junya Oishi
大石隼矢

Fellows Creative Staff Singapore PTE. LTD.(以下「Fellows Singapore」)の代表の大石隼矢(おおいしじゅんや)です。2020年4月、Salesbrige PTE. LTD.の後を受け(M&A)、現地の責任者としてシンガポールにやって来ました。
英語圏の方にはOishiもJunyaも難しいらしく、現地の方にはイニシャルを取って「J(ジェイ)」と呼んでいただいています。
総画数が良いからという理由とハヤブサってかっこいいから、という父親の個人的な趣向でつけられた名前だそうです。
私としては、
「大いなる意志(石)をもって、ハヤブサ(隼)のように素早く行動を起こし、希望の未来に矢を放て」
という思いがあってと信じています(笑)。

Fellows Singaporeの親会社である株式会社フェローズとの出会いは今から10年ほど前の事。今では「クリエイターと熱く向き合い、クリエイティブ産業の発展に貢献する」という理念を掲げ、日本国内で登録クリエイター40,000人、売上60憶という規模になりました。
元々テレビや映画が大好きで、大学卒業したらそちらの方面かサッカー関係の仕事をしたいと思っていた私は、参加したフェローズの新卒説明会で「クリエイティブ業界を人材から支え、優れた作品を世に出すお手伝いをする」という話にとても魅力を感じました。クリエイターのキャリアコンサルティングや、企業へ採用ニーズの営業をするその仕事内容と「エージェント」という響きがかっこいいなと思い応募。採用されてからは地元の友達に仕事をたずねられたら「エージェントだよ」とかっこつけていたのは、恥ずかしくもいい思い出です。

株式会社フェローズに入社してからは丸8年、エージェントとして主にテレビ番組やCMなど映像制作スタッフさんをテレビ局や制作会社にご紹介してきました。でも、クリエイターと向き合うエージェントという仕事は簡単ではなく、クライアントやクリエイターさんからお叱りを受けるなど、苦難の連続でした。そんな中でも、ご紹介したディレクターが担当した番組が高視聴率を獲得したり、若いADさんご自身のお名前が番組テロップに流れるのを見てご本人や親御さんがお喜びになるのを見るにつけ、本当に意味のある仕事だと噛みしめていました。

最後の数年は、その映像部門のマネージャーとして、メンバー十数人と共に映像業界を駆け回り、そして9年目の今年、子会社をシンガポールに設立するに伴い、責任者として赴任、というのが私自身の略歴です。

そして、それから早9か月が経ちました。赴任していきなりのロックダウンがあったり、渡航してすぐ盲腸炎を発症・破裂寸前の危機があったり、夏場までは不安との戦いでしたが、日々多くのクライアントとの連絡を取らせていただく中、初の契約決定や大手映像制作会社やIT企業からのオーダーもいただき本格スタートをした、という状況です。

そんな私が、これからこの場を借りて、シンガポールのクリエイティブシーンを中心に、ASEAN全体についての情報も書いていきたいと思います。
第一回目のコラムは、『シンガポールIT事情』です。

シンガポールの国土面積は、721.5k㎡。東京23区の619 k㎡とほぼ変わらないです。
総人口は約563万9千人。その内シンガポール人と永住権保持者(PR)は399万人。つまり約165万人、人口の3分の1が外国人なんです。

国語はマレー語。公用語は英語,中国語,マレー語,タミール語と多言語国家。町中を見渡しても標識や案内板は複数の言語で記載されています。

民族としては、中華系が74%と大半ですが、ビジネス街に行けば欧米人も多く40~50万人くらいはいるそうです。世界から多くのビジネスマンが訪れるシンガポールでは、様々なものが電子化されてきていてスマホ一つあれば何でもできます。IT技術を取り入れるスピードは国自体が力を入れているのもありとても速く、この辺りに徹底度と生産性を感じます。
日本もだいぶ電子決済が浸透してきたと思いますが、シンガポールに比べればまだまだです。レストラン、カフェ、ホーカー(前述)でも電子決済ですし、MRT(電車)やバス、空港から、各種役所の手続き、銀行手続きまで、電子決済でないところを探すのに苦労するくらいです。

しかしながら、映像制作やゲーム開発、グラフィックデザインなどのクリエイティブ領域にはまだまだ伸びしろがあると思います。シンガポールから日本を客観視すると、やはり日本のクリエイティブやエンターテインメントコンテンツってすごいんだな、とそのクオリティに驚きます。だからこそ日本人クリエイターがシンガポールやアジアで活躍するチャンスは必ずあると思います。

一方で、コロナ禍により現在のシンガポールが打ち出している雇用政策では、外国人に対するビザの給与基準が引き上げになり、採用がしづらくなっているという事実があります。政府の狙いは「自国民に就労の機会を増やす」ことなので的確な政策と言えるでしょう。企業としてはシンガポール人か永住権保持者で探すしか手立てがなくなるので、残念ながら海外の優れたクリエイターも採用が難しくなっています。
外国人がこのまま減り続けると、シンガポールのデジタル化の遅延や、クリエイティブ業界にも何らかの影響があるのではないかと危惧しています。

Fellows Singaporeは、日本企業のオフショアでのソフトウェア開発や映像制作、デザインや設計を業務委託や請負で契約することができます。日本でもテレワークや副業が浸透してきていると聞きますので、在シンガポール企業の制作業務を在日本のクリエイターに発注することもできます。
日本含むアジア全域にクリエイティブの矢を放ちまくって(笑)いきますので、仕事や人材のご相談があれば遠慮なくご連絡ください。Twitter(@junya_oishi)もやっていますのでよろしければフォローいただけると嬉しいです。

最後までお読みいただきありがとうございます。

プロフィール
Fellows Creative Staff Singapore Pte. Ltd. エージェント/マネージングディレクター
大石隼矢
1990年 静岡県焼津市生まれ。小さいころからサッカーに魅了され、日韓ワールドカップで来日したデイビッド・ベッカムの話す英語に衝撃を受け、自分も話せるようになりたい!と大学は外国語大学へ。2010年カナダ・ウエスタンオンタリオ大学へ交換留学。2012年株式会社フェローズ入社。ブロードキャスト・ビジュアルセクション。2020年4月にフェローズ初の海外拠点であるFellows Creative Staff Singapore Pte. Ltd.の責任者に就任。
好きなバンドはOasis、最近の趣味はNetflixで英語学習、尊敬する歴史上の人物は吉田松陰と白洲次郎、好きな食べ物はカレーライスとらっきょう、嫌いな食べ物はかぼちゃと大学芋、みずがめ座B型、佐々木希とジェームズディーンと富岡義勇(鬼滅の刃)と同じ誕生日。
Twitter:@junya_oishi

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