WEB・モバイル2020.12.10

まじないと呪い

東京
WEBクリエイター
日本文化×デザインあれこれ
いのうえ

前回の記事「呪いの文化」から呪術に興味を持って幾つかの書籍に目を通しました。
日本ののろい・まじない文化が想像以上に深くて面白いのでご紹介します!

まじない色々

まじないと言っても多岐に渡ります。
ネガティブな事に使われる事もあればポジティブな事に使用される事もあります。
道具を使うものや、呪文を唱えるもの様々。
お守りは災厄を避けるグッズとして現代でも身近にありますよね。

また、まじないには気休め程度のものもあれば、本気のものもあります。

例えば、私が小さい頃、歯が抜けた時におまじないをした事があります。
下の歯が抜けたら「強い歯が生えますように」と願いながら屋根に向かって歯を投げる。
上の歯が抜けたら下を向いて同様に願います。下を向いて上に投げる、だったか、下に埋めるだったか忘れてしまったけれど。

寝る前に枕を三回叩くと良い夢が見れるというのも実践した事があります。

これらは主に子供が実践する可愛いおまじないです。

本気のまじないでは、海女さんが身を守る為に使用されていました。
貝から取った紫の染料で魔除けの刺繍を施して海に潜ったそうです。貝紫は1つの貝から取れる量が少量なので非常に貴重でした。
他にも、「セーマン・ドーマン」という五芒星と九字を描いた魔除けを身に付けたそうです。
海女さんの魔除けグッズは今でもお土産として人気です。

一方で恨んだり憎んでいる相手に災いが降りかかるように祈る事を呪(のろ)うと言います。
「呪」という漢字は「のろう」とも「まじなう」とも読めます。本記事では便宜上まじないは平仮名表記にしています。
呪いの藁人形はメジャーな呪いの儀式ですよね。
呪いの力で相手を苦しめたい人はいつの時代にもいるようで、古代は法律で禁止されてたそうです。
政敵を呪いで倒そうとした人もいたようですよ。
呪いは証拠が残り辛いので完全犯罪に適していたのでしょう。効果があれば、ですが。

呪いと法律

7世紀~8世紀にかけてに中国に倣って日本でも法律が整備されました。
養老律令という式典の中に、呪いに関する記述もあります。

呪いによる殺人を「厭魅(えんみ)」として禁止されていました。
厭魅の怖い所は、未遂であっても罰せられたそうです。

毒虫で殺人を犯す事を蟲毒(こどく)と言いますが、厭魅と合わせて厭魅蟲毒(えんみこどく)と表現されることが多かったそうです。
蟲毒を犯したものは斬首、同居人は遠流(おんる)、つまり島流しに科せられたそうです。
事情を知らない同居人は最悪のとばっちりですが、実際に法で定められていました。

厭魅も蟲毒も冤罪が起きそうな気がしてなりません。
厭魅に関しては、相手の心を惑わせて操ろうとする事も含まれるそうです。
洗脳が近い表現かと思いますが、純粋にリスペクトして従ったケースはどうなるのでしょうね。
もっと言うと現代で言うメンタリズムはこの時代では厭魅になっていたかもしれません。恐ろしや。

続日本書紀には、「呪いのお札を作ってはいけません。病気を祓うものはオッケーです。」といった記述もありました。
わざわざ記されているという事は、それだけ一般にも浸透していたのでしょう。

続日本書紀には厭魅の実例も記載されています。
やはり政治的な事件に関わる事が多く、呪いのせいにした暗殺では?冤罪では?といったケースも。
偉い人のご都合に合わせた法律の可能性が無きにしも非ず・・・??

さいごに

まじないと呪いについて簡単に紹介しましたが、序盤の序盤でまだまだ深い世界です。
安倍晴明で有名な陰陽道も呪術と深い関係がありますし、使用される道具も木簡、土器、お札など様々。

お正月は絵馬に願いを書く人も多いのではないでしょうか。お守りを購入したり。
外部からの災厄を防ぐためのしめ縄を目にする機会も多いでしょう。
私たちの身の回りのまじないに意識してみると新たな発見があるかもしれません。

参考文献:まじないの文化史 日本の呪術を読み解く/新潟県立歴史博物館監修

プロフィール
WEBクリエイター
いのうえ
WEBクリエイター(デザイン/コーディング) サイトリニューアル、デザインの他、企業系大規模サイト、ECサイトの制作・運営などに携わる。fellowsでのセミナー講師経験もあり。 ここでは個人的に情報収集・発信している日本文化やデザインについて紹介していきます。

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