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アイディアを諦めず「攻めるデザイン」にチャレンジしたい

福岡
有限会社アルモニ 代表取締役 小林茂実氏
東京のデザイン会社でキャリアをスタートし、福岡の広告会社の取締役などを経て、1994年にデザイン会社・有限会社アルモニを設立した小林氏。大手企業や学校、公共の広告等を次々と手がけ、数々の賞を受賞しつつ、新しいことにも果敢に挑戦しています。大きな窓から陽光が差し込む美しくオシャレなオフィスで、これまでの道のりから今後の展望まで伺いました。

東京から福岡へ拠点を移し 会社を設立

会社を設立されるまでの経緯を教えてください。

僕は埼玉県出身で、デザイン学校を卒業して、20歳で東京のデザイン会社に就職しました。そこは電機メーカーの海外向け制作物を手がける会社で、英語・ドイツ語・アラビア語などのチームがあり、海外向けのパンフレットやポスターなどを担当しました。ただし、僕自身は外国語を理解していたわけではなく(笑)、文字を面と捉え、ビジュアルを重視したデザインを行っていました。 3年後、リフレッシュしたくて退社。カメラを持って、北海道の北部にある礼文島へ渡り、信号が1つしかない島で民宿の手伝いをしながら、1か月ほど過ごしました。お金を使うことのない、シンプルな生活。とてもいい経験になりました。 それから東京に戻って転職し、28歳のときに妻の実家がある福岡へ。アド・パスカル、電通九州支社への出向などを経て、1994年に有限会社アルモニを設立しました。

もともと独立したいと考えられていたのですか。

特に強い独立志向があったわけではありません。ただ、自分の思うようにやってみたいというのはありました。 実際に起業してみると、前は好きなデザインに集中すればよかったのですが、事務的な作業や経理関係のことなど、自分でやるべきことが増えました。

様々な仕事に携わり 豊富な受賞歴を誇る

会社ホームページには受賞作を含む制作実績がずらり

会社ホームページには受賞作を含む制作実績がずらり

御社の仕事内容について教えてください。

もともと電通九州支社の仕事をメインにスタートしましたが、設立から22年、おかげさまで取引先も徐々に増えて、様々な仕事を手がけるようになりました。 地元の大手インフラ系企業や酒造会社をはじめ、行政や学校まで、あらゆる業界にクライアントがいます。また、手がける媒体も、広告やポスターはもちろん、広報誌、パンフレット、飲食物のパッケージ、絵本など多彩に広がっています。

具体的には、どんな仕事をされているのでしょうか。

長く携わっているのは衛生陶器メーカーの広報誌の仕事で、10年以上続けています。年11冊出されるので、振り返ってみると結構な数になりました。大学の広報誌も、10年以上にわたり担当していました。 ここ数年では、病院のパンフレットのリニューアルや、県職員の募集パンフレットなどを手がけました。また、テーマパークのガイドマップを平面から立体にしたいというクライアントの依頼を受け、提案したものが採用されました。とてもわかりやすくなったと好評です。

数々の賞を受賞されていますね。特に印象に残っている仕事はありますか。

いろいろありますが、パッと思い浮かぶのは、福岡市内の大学のクリスマスの新聞広告です。偶然お会いした女性から、その方の息子さんが受験の時期に広告を壁にはっていたという話をお聞きして、とてもうれしく思いました。

相手の想像を裏切るような提案をしたい

御社の特徴や強みは、どんなところでしょうか。

最近は、プレゼンから参加する仕事が多くなりました。相手に安易に迎合することなく、自分が納得できて、相手にも納得していただける仕事をしたいと考えています。 今はネットで簡単に情報を集められますし、世の中に安定志向が浸透し、デザインにおいても無難に仕上げる傾向があるように感じています。そんな中にあっても、当社は「攻めるデザイン」に挑戦したい。打ち合わせで相手の方向性を見極め、相手の思いに添ったデザインをすることはもちろん大切です。けれど、相手の想像をいい意味で裏切る提案をすることも重要で、それこそプロフェッショナルの仕事だと僕は思うのです。 そのためには、アイディアを諦めない姿勢を貫かなければなりません。本気でデザイナーになりたいなら、24時間デザインのことを考えていたほうがいいと思っています。もし会社員なら会社の看板で仕事ができるかもしれないけれど、いちデザイナーは自分の作品で勝負するのですから。

デザインをする上で、心がけていることはありますか。

個人的には、美しくきれいなデザインが好きです。先ほど想像を裏切るという話をしましたが、それはインパクト重視の奇抜なデザインということではありません。見ている誰かを不快にすることなく、気持ちのいいデザインをしたい。使ってみるとますます良さがわかる、そんなデザインが信頼を得られると思います。 株式会社ライトパブリシティの代表取締役で現役ディレクターの細谷巌氏が唱える、デザインする上での3か条があります。「心から本当に気に入っているか」「本当に必要か」「飽きずに長く使えるか」。僕もこの3か条に深く共感しています。

アルモニ2

小林さんにとって、この仕事の面白さは。

自分が考えたことや提案したものがカタチになっていくところですね。それに、この仕事はひとりではできません。当社の社名のアルモニ「armoni」は、「harmony」(調和・一致・和合)から生まれました。作品も仕事も会社も、いろんな人と一緒に創り上げていくという思いを込めており、そこにも面白さややりがいを感じています。

クリエイターなら 自分と作品の魅せ方を意識しよう

今後の展望についてお聞かせください。

大きく2つあります。 ひとつは、2012年に立ち上げたアーティストが集まる島「Jamo島」に関すること。カメラマンやイラストレーター、デザイナーなどのクリエイターがユニークな創作活動を発表したり、訪れる人と一緒にオリジナル作品を作ったり…。「世界にひとつ」をテーマに、今までありそうでなかった作品作りや商品の販売を行ったりしています。このJamo島の活動を充実させていきたいと思っています。 もうひとつは、新たな可能性に挑戦すること。最近では、西南学院大学を海外でPRするためのツールとして、iPadアプリを制作しました。構想から実現まで3年を要しましたが、とても面白い仕事でした。これからも、どんどん新しいことを手がけていきたいと考えています。

Jamo島

Jamo島

Jamo島

Jamo島

西南学院大学 学校紹介iPadアプリ

西南学院大学
学校紹介iPadアプリ

最後に、クリエイターの方にメッセージをお願いします。

クリエイター志望の学生や転職希望者が、当社へ見学や面接に来てくれることがあります。そのとき、ほとんどの人はクリアファイルの作品集を持ってきます。クリエイターは自分自身が商品であり、自分や作品をどう魅せるかというのが大切なポイント。それは仕事をする上でも重要なので、もう少ししっかり考えたほうがいいと思います。

アルモニ4

また、気に入っている広告について聞いてみると、具体的な広告を答えられない人が多いのも気になります。漠然と広告の仕事がやりたいというのではなく、自分はどんなものが好きなのか、もっとコアなところまで踏み込んで考えてみるといいでしょう。 あとは、新聞や広告を見て「自分だったらこう変えるな」と考えてみるのも有効です。日本を代表するコピーライターの仲畑貴志さんは、若くてなかなかうまくいかなかったとき、ある広告のコピーを全て書き直してみたというエピソードがあります。そんな視点で世の中を見渡していると、クリエイターとしての技術や感性が磨かれると思いますよ。

取材日:2015年3月13日

有限会社アルモニ

armoni
  • 代表取締役:小林茂実
  • 設立年月日:1994年1月28日
  • 事業内容:グラフィックデザイン・WEBデザイン
  • 本社所在地:〒810-0042 福岡市中央区赤坂2-2-47 K赤坂ビル3F
  • TEL:092-714-1307
  • FAX:092-714-7145
  • URL:http://www.armoni.co.jp/
 
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