建設機械メーカーのインハウス制作会社としてプロモーション伴走。VPスタジオも開設、香川から世界へ

高松
株式会社G-WORKS 代表取締役
Kenji Yoshikawa
吉川 賢司

映像制作の枠を超え、企業や地域の成長を支える伴走型のプロモーションパートナーとして事業を展開する香川の株式会社G-WORKS。建設機械メーカーのインハウス制作会社としてコンテンツ制作や採用支援を行うほか、西日本最大級のVP(バーチャルプロダクション)スタジオを開設し、地方クリエイターの成長を目指しています。香川から世界へクリエイティブを発信しようと奮闘する代表取締役の吉川 賢司(よしかわ けんじ)さんに迫りました。

プロジェクションマッピングの技術を習得し、ウェディング映像制作で独立

会社立ち上げまでのキャリアについて教えてください。

地元・香川の香川高等専門学校の電気工学科を卒業後、デザイン事務所に入社しました。ちょうど、CGやプロジェクションマッピングが流行り始めた時期で、ビデオ担当として働き、技術を習得しました。
その後、さらにCG、プロジェクションマッピングの需要が高まっていったことを機に、30歳で独立を決意。G-WORKSの原点とも言える、映像制作会社・アクアビジョンズを立ち上げました。

原点である映像制作会社で10年以上活動されていたのですね。

香川・岡山でウェディング関連の映像、および企業のPR映像をメインに制作していました。

外注丸投げではノウハウが蓄積されない課題をインハウス制作会社の設立で解決

その後、株式会社G-WORKSを設立するきっかけになったという、岡山の建設機械アタッチメントメーカー・株式会社タグチ工業との出会いについて教えていただけますか。

当時交流があった広告代理店のプランナーさんからの依頼で、タグチ工業さんからテレビCMの外注制作の単発案件の仕事が入ったんです。その制作したCMが賞を取ったこともあって、結果的にタグチ工業さんとは懇意になりました。

なるほど。それからタグチ工業に参画し、株式会社G-WORKSを設立されるまでの経緯について教えてください。

タグチ工業は広告代理店に外注する形で、結構な予算をかけてホームページを作ったり、映像を作ったりとさまざまなことをしていました。単発のプロモーション自体はそれなりに効果はありました。
しかし、タグチ工業の代表は、課題に感じていたことが二つありました。一つ目はコスト面。中小企業だと単発のプロモーションでお金がかかりすぎるということです。二つ目はプロモーションのノウハウが社内に蓄積されていないという点です。
そこで「中小企業における、プロモーションのノウハウを共有できる制作会社を作ろう」との構想が生まれ、タグチ工業のインハウス制作会社という形で2016年にG-WORKSが立ち上がりました。

採用ブランディングも見せ方が大事。学生にわかりやすい言葉とビジュアルで訴える

実際に、どのような業務を担当されているのですか。

おもに製品プロモーションと採用ブランディングをしています。

製品プロモーションは、映像制作会社での経験を生かしてということですね。一方の採用ブランディングは、まったく別分野のように感じるのですが。

そんなことはないんですよ。採用ブランディングにおいても、見せ方がとても重要です。採用イベントなどの場で、企業の特色を学生さんにわかりやすい言葉とビジュアルで訴えることが大切になってきます。

タグチ工業での採用ブランディングの効果はあらわれていますか。

今では新卒も安定して採用できるようになってきて、3年ほど前には約10人を採用できました。

タグチ工業での実績と経験を共有。中長期的な目標に向かって中小企業の伴走プロモーション

タグチ工業以外でのお仕事もありますか。

はい、あります。中小企業における課題は似通っています。先ほどお伝えしたようにもともとが「中小企業における、プロモーションのノウハウを共有できる制作会社を作ろう」というコンセプトなので、タグチ工業での経験や実績をもとにものづくりをされているB2B企業さんのお手伝いができればとお仕事をさせていただいています。

中小企業さんがなかなかプロモーションにお金をかけるのは難しいという現状はありませんか。

はい、おっしゃるとおりです。我々の伴走型のプロモーションは中長期的な目標を達成することを目指しているので、契約することで翌日から売り上げがあがるというようなものではありません。しかし伴走してご支援をすることで、着実に会社のなかでできることが増えて、よい結果に結びつけることができます。また、タグチ工業での経験や実績があるので、比較的スムーズに結果を出すことができます。

伴走型支援とは具体的にどういうことですか。

“お客さまの隣でともに考え、ともに成長する”という指針で事業を展開しています。外注に丸投げするのではなく、企業が持つ理念や課題に寄り添い、クリエイティブの提案から現場での運用までともに動きます。社内報の制作や採用イベントの装飾、動画コンテンツの制作、展示会の演出など幅広い活動を行いながら「企業文化を伝えること」に重きを置いています。

西日本最大級のVPレンタルスタジオを高松市に開設。地方クリエイターの活躍を広げたい

24年に開設したレンタルスタジオ「SITE V(サイトブイ)」について教えてください。

香川県高松市にレンタルスタジオを立ち上げました。西日本最大級の設備を有するバーチャルプロダクション(VP)スタジオで、映画・CM・MVの撮影、またイベントやセミナーなどでも利用できる施設です。VPとは巨大なLEDスクリーンに映し出した映像を背景に被写体を撮影する最新の撮影方法です。ハリウッド映画などでは、なくてはならない撮影方法となっています。

今後の構想についてお聞かせください。

「SITE V」でより多くの企業やクリエイターとつながりたいですね。地方にいながら、全国・世界の仕事を受ける拠点として機能させたいと考えています。地域のクリエイターが、香川という地元に根ざしながら、外の案件にも挑戦できる環境を整えるのが目標です。その拠点として「SITE V」を活用してもらいたいですね。ぜひいろいろな人にスタジオを使ってもらえればと考えています。

領域の壁を超えて解決する姿勢が大事。企業に入り込んで成長を後押し

G-WORKSとしての最終目標を教えてください。

「地方の企業の魅力を引き出し、持続的に成長を支える伴走パートナーでありたい」と思っています。目指すのは単なる映像制作会社ではなく、地方企業が誇れる存在になる手助けをする「企業文化の発信地」です。プロジェクト単位ではなく、企業のなかに入り込みながら、長期的な成長を後押しする存在でありたいです。

一緒に働くクリエイターに求める姿勢はありますか。

それぞれの専門性を生かしながらも、領域の壁を超えて協力できる柔軟さを大切にしています。「映像だけやればいい」「カメラだけ撮ればいい」という発想ではなく、クライアントとともに課題を解決する姿勢が求められます。大切なのは「結果として、みんなで打ち上げを楽しめる仕事をしよう」という心意気です。時に厳しいこともありますが、その先に達成感やチームの一体感が生まれる。それがG-WORKSの文化です。

取材日:2025年5月15日 ライター:田口 有香

株式会社G-WORKS

  • 代表者名:吉川 賢司
  • 設立年月:2016年9月
  • 資本金:2,000万円
  • 事業内容:映像制作(SNS・TVCM・会社紹介・製品紹介・ウェディング)、映像演出(展示会ブースサイネージ・プロジェクションマッピング)、映像内製化支援(撮影・編集レクチャー)、デジタルツイン制作(Matterport)、3DVR・ARコンテンツ制作、3DCG/WEBデザイン/印刷物デザイン/展示会ブースデザイン/採用サイト/採用合説ブースデザイン
  • 所在地:
    香川オフィス & SITE V
    〒761-0302 香川県高松市上林町678-1
    東京本社
    〒104-0031 東京都中央区京橋一丁目6番12号NS京橋ビル4F
    岡山オフィス
    〒701-0151 岡山県岡山市北区平野563-1 株式会社田口クリエイト内
  • URL:https://g-works.online/
  • お問い合わせ先:https://g-works.online/contact

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