映像2020.02.05

ビリー・アイリッシュがこんなにも自由で才能に溢れている理由

Vol. 9
FIND IT. LOVE IT.
Sayuri Fujii
藤井さゆり

先月26日に開催された第62回グラミー賞で、史上最年少かつ女性として初のグラミー賞5部門を受賞した、ビリー・アイリッシュ。

 

Billie Eilish Wins Record of The Year | 2020 GRAMMYs Acceptance Speech

Recording Academy / GRAMMYs – Youtube

 

昨年からもビリー・アイリッシュは大ヒットしていましたが、まさか今年のグラミーで五冠とは!!

 

 
 
 
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ビリー・アイリッシュは、他のアーティストとは一線を画すというか、とてもクリエイティブな感覚を持っているシンガーソングライターだと思います。音楽ジャンルで言うと、ポップ、R&B、ヒップホップ、カントリー、ジャズなど幅広い要素を持っていて、カテゴライズが難しいのですが、あえて言うのなら「オリジナリティを持った中毒性のある音楽」という感じでしょうか。

 

 
 
 
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2DAYS

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ロサンゼルスに生まれ、現在18歳である彼女のキャリアは、14歳の時、共同で作曲をしている兄のフィネアス・オコネルと作った曲「Ocean Eyes」を、ダンスクラスの講師に聞かせようとサウンドクラウドにアップロードしたことで始まりました。

 

Billie Eilish – Ocean Eyes (Official Music Video)

Billie Eilish – Youtube

 

その翌日、Ocean Eyesはサウンドクラウドのストリーミングプラットフォームでバイラルとなり、そこからなんとレコードレーベルと契約。2019年にはファーストアルバム「When We All Fall A Sleep、Where Do We Go?」をリリース。そのファーストアルバムが商業的な成功を納め、同年、アメリカ最大の野外音楽フェスティバル、コーチェラに出演。アルバムからの一曲「Bad Guy」は19週に渡りビルボードのトップを独占しました。

 

Billie Eilish – bad guy

Billie Eilish – Youtube

 

彼女の魅力は音楽的センスだけではなく、特徴的な声と、歌い方や歌詞の世界観などの表現力も注目すべきところです。

 

以下は「all the good girls go to hell」(全てのいい娘は地獄行き)より抜粋したものですが、

 

Billie Eilish – all the good girls go to hell

Billie Eilish – Youtube

 

———-

 

Man is such a fool, why are we saving him?

人間はなんて愚かなのだ、なぜ彼らを救わなければならない?

 

Poisoning themselves now

自分自身に毒を盛っておいて

 

Begging for our help, wow

今さら私たちに助けを乞うなんて

 

Hills burn in California

カリフォルニアで丘が燃えている

 

(中略)

 

And once the water starts to rise

一旦水位があがってしまったら

 

And Heaven’s out of sight

天国は見えなくなる

 

(中略)

 

You know I’m not your friend without some greenery

緑なしではあなたの友達にはなれないってあなたは知っているでしょう

 

———-

 

この歌詞の意味を考えるとおそらく、環境問題について歌ったもので、人間を作った神視点?から書かれているようにも感じます。

 

その他、ビリー・アイリッシュがクリエイティブだと思う側面として、MVにも力を入れているところです。これは、幼少期からYoutubeを始めとしたネット環境が当たり前にあったということも大きいと思います。(ちなみにビリー・アイリッシュは、Youtubeから見出されたスターである、ジャスティン・ビーバーを聞いて育ったそうです)

 

彼女のMVを見ると、よりその音楽の世界に没入してしまい、さらにその曲が好きになる、という感じなのです。

 

数々の海外有名アーティストとも交流のある現代美術家の村上隆さんともコラボレーションしてMVを制作しています。

 

Billie Eilish – you should see me in a crown (Official Video By Takashi Murakami)

Billie Eilish – Youtube

 

また、以下のMVではビリー・アイリッシュ自身が映像監督をしています。

 

Billie Eilish – xanny

Billie Eilish – Youtube

 

Billie Eilish – everything i wanted

Billie Eilish – Youtube

 

驚くべきことにxannyのMVを撮影している当時、ビリー・アイリッシュは確実に17歳なんですよ!この表情とか、表現力はどこから生まれるんでしょう…

 

そんな映像作品への才能も見せつけたビリー・アイリッシュですが、2020年のジェームズ・ボンドシリーズ「007 ‘No Time to Die’」のテーマソングを手がけることが発表されました!グラミーと同様、ジェームズ・ボンドシリーズのテーマソングを最年少で手がけるということになります。今からかなり楽しみです。

 

 
 
 
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“No Time To Die” JAMES BOND. AND I AM SINGING THE THEME SONG. 🤭🤭🤭🤭🤭🤭 WHAAT

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また、「自分が着たいものを着る」一貫した自分のスタイルがあるファッションやビジュアルも好きなところです。彼女はいつもダボダボのスケーター系ファッションに身を包んでいるのですが、その理由をカルバンクラインのCMで語っています。

 

「私は、私についての全てのことを世界に知ってほしいと一度も思ったことがない。いつもダブダブの服に身を包んでいるから、その下に何があるか(体のこと)について誰も意見を言うことはできない。だって誰も知らないから。」と語っています。

 

Billie Eilish Speaks Her Truth in #MYCALVINS | CALVIN KLEIN

CALVIN KLEIN – Youtube

 

アメリカの女性アーティストや歌手は、アリアナ・グランデやマイリー・サイラス、カミラ・カベロのように、華やかで、可愛らしいあるいはセクシーなビジュアルありきという先入観がありました。が、ビリー・アイリッシュは、まさにその反対を行くような感じです。

 

 
 
 
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cпасибо

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テイラー・スウィフトが、自身のドキュメンタリーフィルム「ミス・アメリカーナ」で、自分の容姿についてネガティブなことをネットで言われ、摂食障害になった過去を語っているのを見ましたが、ビリー・アイリッシュは、その点では賢い、というか、無責任な他人の言葉には耳を貸さない、他人を不用意に自分の人生へ立ち入らせない、という強さが見えます。

 

ビリー・アイリッシュはなぜこんなに才能に溢れていて、自由なんだろうと考えたことがあります。それはもしかしたら「学校に行かなかったから」が理由の一つとして考えられると思います。

 

アメリカでは学校に行かずに家で勉強のカリキュラムをこなす「ホームスクール」という制度があります。ビリー・アイリッシュと兄のフィネアスは、ホームスクールを行っていて、学校に行ったことがないそうです。なので、世間の常識や従わなければならない学校のルールに縛られることなく、自分の意見を持って好きなことをやり、のびのびと育ったのかもしれません。

 

ちなみに以下の動画では、ビリー・アイリッシュの幼少期から現在までのヒストリーが日本語訳アニメーションでコンパクトに紹介されています。

 

私の名前はビリー・アイリッシュ。シンガーソングライターなの。

私たちの実録日記 – Youtube

 

以前のコラムで取り上げた、スウェーデンの10代の環境活動家であるグレタ・トゥーンベリさんやビリー・アイリッシュもそうですが、最近では中学生がネットでビジネスを立ち上げて成功している例など、今は、素晴らしい才能を持っている10代が多く世の中に出始めています。

 

グレタさんに「子供は学校に行って、子供は子供らしくしろ」とネットで批判的な発言をしているたくさんの大人たちが国内問わずいますが、私も小さい子供を持つ親として、若い人たちの才能や勇気を潰すようなことはしないでおこうと思います。

 

とにかく、ビリー・アイリッシュの音楽は素晴らしいし、クリエイティブなので、未見の方はぜひその音楽に触れてみてほしいです!

 

(参考)

 

Vox

– Billie Eilish, the neo-goth, chart-topping teenage pop star, explained

 

Los Angeles Times

– With ‘No Time to Die,’ Billie Eilish is the youngest artist to record a Bond theme song

プロフィール
FIND IT. LOVE IT.
藤井さゆり
東京生まれ、2008年ニューヨークに移住。 公益法人に勤務の傍ら、仲間内で企画したクラブイベントのフライヤーデザインをしたことから、デザインの面白さに目覚め転職。 転職後は、都内商業施設のウェブサイトの販促用ページ企画と取材、ライティングを経験。 ニューヨーク移住後は、ウェブマーケティングを企業にて経験、ウェブデザインをフリーランスで行う。 現在は、日本の着物をインスパイアしたオリジナルTシャツブランド「Foxy Lilly」のオーナー兼デザイナーを務める。

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