職種その他2021.01.06

バイデン次期大統領のデザインチーム&バイデン・トランプ両氏のInstagram比較

Vol.20
FIND IT. LOVE IT.
Sayuri Fujii
藤井さゆり

明けましておめでとうございます。今年も本コラムをよろしくお願いします。

 

さて、いよいよ2021年1月20日には、バイデン次期大統領の就任式が開催されます。このコラムを書いている2020年の年末時点でバイデン氏は、自身の就任式はより想像力に富んだバーチャルなものになるだろうと発言しています。

 

新型コロナウイルスの影響によって、学校の授業や会議、飲み会をZoomで行ったりと、日常生活でもオンライン化がかなり進みましたよね。昨年10月に、ビリー・アイリッシュのオンラインでのライブコンサートを自宅で見たのですが、インタラクティブで、ARなど最新技術を駆使した素晴らしいものでした。ビリー・アイリッシュのコンサートほどクリエイティブではないかもしれませんが、それよりももっと巨大な規模となるバイデン次期大統領の就任式は、昨今の状況によりバーチャルなものになるのは納得ですし、例年の就任式よりも違ったものになると思うので、個人的にもワクワクしています。

 

バイデン氏と言えば、就任時には78歳と歴代最高齢の大統領となるので、この「高齢」というのが人々の心配のタネでありました。しかし、トランプ大統領との討論会をオンラインで行うという案が検討された際も異議は唱えなかったですし、むしろオンラインでの討論会を拒否したのはトランプ大統領であり、それによって実現不可となった訳ですが、オンラインでの討論会やバーチャル就任式といったものに積極的な姿勢を見ると、「高齢であること」と「新しい技術や形態を受け入れない」ことは関係ないのだなと思いました。

 

 
 
 
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Joe Biden@joebiden – Instagram

 (上:オンラインで公開討論をするバイデン氏)

 

他にも、高齢な方は保守的なイメージがありますが、バイデン・ハリス両氏の大統領選挙キャンペーンのシニアクリエイティブアドバイザーは、ロビン・カナーさん(Robyn Kanner)というトランスジェンダーの女性で、サブデザインディレクターはカラナ・マグウッドさん(Carahna Magwood)というアフリカ系アメリカ人のシングルマザーの女性です。

 

ロビンさんは33歳、カラナさんは28歳なのですが、若い世代の女性で、そして、トランスジェンダーやアフリカ系アメリカ人のシングルマザーといった人々を起用していることは進歩的だと思います。男女格差や、LGBTQ、Black Lives Matterなどの問題が重要視されている今、国の代表者が積極的にこういうことをしてくれているのはいい傾向です。

 

 
 
 
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Robyn Kanner@robynkanner – Instagram

 

Carahna Magwood@TasteLemonaid – Twitter

 

大統領選挙におけるクリエイティブアドバイザーやデザインディレクターの役割というのは、候補者のアイデンティティとなるロゴなどを含めたビジュアル全般のデザイン、ブランディングをメインに行います。ビジュアルデザインは、候補者の個性が表現され、他の候補者との差別化や過去の候補者と比較した改善点も考慮し、キーとなるカラーやトーンなど、細部に至る部分まで研究・計算して設計されています。

 

 
 
 
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元々のバイデン氏のキャンペーンロゴを受け継いでいることもあり、バイデン・ハリス両氏のキャンペーンロゴは、オバマ前大統領やヒラリー氏のロゴよりも伝統的な印象になっています。一方で、バイデン・ハリス両氏のデザインチームは、若くてフレッシュなポップアートの視覚的要素を備えた実験的キャンペーングラフィックも制作しています。

 

 
 
 
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ロビンさんのTwitterによると、こちらがバイデン・ハリス両氏のデザインチーム全員だそうです。

 

Robyn Kanner@robynkanner – Twitter

 デザインチームなので若い人が多いのはわかりますが、女性が多く、かつ、人種も多様です。

 

ちなみに、デザインチームも関わったバイデン氏の選挙キャンペーン中に販売されたPR商品がこちら。

 

Carahna Magwood@TasteLemonaid – Twitter

 

“ハエと嘘を吹き飛ばす”「ハエ叩き」。これは、ペンス前副大統領とハリス次期副大統領の討論会中、突然、ペンス氏の頭に一匹のハエがしばらく止まったことに端を発しています。かつ、トランプ前大統領がつく嘘を吹き飛ばす、という意味も含まれているようで、風刺が効いていますよね。

 

Molly Nagle@MollyNagle3 – Twitter

 

“私はドナルド・トランプよりも税金を払っている”ステッカーも販売。これは、トランプ前大統領が所得税を納めていないというニュース報道があり制作されたもの。

 

現在、キャンペーンは終了していますので、販売ページはもう存在していないのですが、両方とも実際にバイデン氏の公式ウェブサイトのストアページで販売されていました。

 

それでは最後に、デザインチームが制作したキャンペーングラフィックも多く投稿されているバイデン氏のInstagramをチェックしていきたいと思います。バイデン氏の投稿はデザイン的にも美しいものが多く、統一性があり、思慮深く、よく考えられているなと思います。違いが分かるように、季節の行事ごとの投稿にして、トランプ前大統領のInstagramと比べてみたいと思います。違いを感じてみてください。

 

ー アメリカ独立記念日(7月4日) ー

 

 
 
 
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realdonaldtrump@President Donald J. Trump – Instagram

 

バイデン氏は人種の問題やBlack Lives Matterについてのビデオメッセージを投稿。トランプ氏はメラニア夫人と共に花火を背景に入れた写真を投稿。

 

ー ハロウィン(10月31日) ー

 

 
 
 
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realdonaldtrump@President Donald J. Trump – Instagram

 

バイデン氏は「Don’t Boo! Vote!」(ブーイングぜずに投票して!)というかぼちゃのアートを投稿。トランプ氏は秋のデコレーションがされたホワイトハウスをバックにしたメラニア夫人との写真を投稿。

 

ー 感謝祭(11月最終木曜日) ー

 

 
 
 
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Joe Biden@joebiden – Instagram

 

realdonaldtrump@President Donald J. Trump – Instagram

 

通常、アメリカで感謝祭は家族が集まる伝統的な行事ですが、バイデン氏はステイホームを呼びかけるビデオメッセージを投稿。トランプ氏は、ホワイトハウスで行われている感謝祭の恒例行事の様子を撮影したビデオを投稿しました。

 

ー クリスマス ー

 

 
 
 
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Joe Biden@joebiden – Instagram

 

realdonaldtrump@President Donald J. Trump – Instagram

 

バイデン氏はペットのChampとMajorのシェパード犬を登場させた音楽付きのビデオを投稿。”No matter how you’re celebrating this year, Champ and Major wish you a Merry Christmas.”というメッセージは、「今年はいつもと違う形で祝ったとしても、ChampとMajorはあなたが素敵なクリスマスを過ごすことを願っています」という意味が込められています。一方のトランプ氏は、ホワイトハウスの前でメラニア夫人と共に「2020年のクリスマスのオフィシャルポートレート」とする写真を投稿しています。

 

もちろん、好みで分かれる部分もあると思いますが、この投稿だけでも両氏の違いを感じますよね。国の代表者となる人々のInstagramは、一般人や企業のものとは趣旨が違うとは思いますが、ソーシャルメディアを通じて、有権者へよりメッセージが届くのはどちらかを考えるよい機会となりました。

 

(参考)

Fast company: Design for all Americans: How Biden’s design team helped defeat Trump

AIGA eye on design: Joe Biden’s Branding Was Both Traditional and Trippy, and It Looks Like the Future of Politics 

Businessinsider: Biden says his inauguration will be a ‘more imaginative’ virtual event, in contrast to Trump’s emphasis on large crowds

プロフィール
FIND IT. LOVE IT.
藤井さゆり
東京生まれ、2008年ニューヨークに移住。 公益法人に勤務の傍ら、仲間内で企画したクラブイベントのフライヤーデザインをしたことから、デザインの面白さに目覚め転職。 転職後は、都内商業施設のウェブサイトの販促用ページ企画と取材、ライティングを経験。 ニューヨーク移住後は、ウェブマーケティングを企業にて経験、ウェブデザインをフリーランスで行う。 現在は、日本の着物をインスパイアしたオリジナルTシャツブランド「Foxy Lilly」のオーナー兼デザイナーを務める。 foxylilly.com Instagram: @foxylilly

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