母、二条城へ行く

京都
ライター
DECO KATO
加藤 デコ氏

連休中に京都へ

80代半ばの母が「二条城へ行きたい」と繰り返しつぶやくので連れていくことにした。四日市からは直通の高速バスが出ていて、2時間弱で京都駅に着く。乗り換えもなく、便利なのだ。

連休最終日、10月14日の高速バスのチケットを3日前に買う。さすがにほぼ満席だった。

母、庭だけでいいのか?

予想はしていたことだけれども、二条城、ここまで日本人がいないとは!周囲からも日本語は聞こえない。二人で「海外旅行みたい」と大笑いした。

母が「二の丸御殿も本丸御殿も入らない。お庭だけでいい」と言う。ここのところ杖を持たずには歩けなくなり、靴を脱いで建物に入るのが大変なのだ。「ほんとにいいの?次いつくるかわかんないよ?」と確認したが、「構わない」と言うので、庭をゆっくり散策することに。

しかし、「いつくるかわかんないよ?」も微妙な言い回しである。80代半ば、しかも歩くことに支障をきたしている人が果たして二条城に戻ってくることってあるのか??ほぼない。きっとない。京都に来ることはあっても他のどこかに行くだろう。母、人生最後の二条城。ウグイス張り、歩かなくてもいいのか?――まあ、本人がいいと言ってるんだからよしとしておこう。

二条城の二の丸庭園は、小堀遠州による作庭とされている。同じ高さから見ると見通しが悪い気もするが、二の丸御殿のなかから見ればちょうどよいのかもしれない。何より、遠景にビルもなく、青空がスコーンと広がっている光景がよいと思う。これぞ、THE 京都である。

イチョウはどこに?

むかし、まだ私が小学生だった頃、紅葉の季節に母、妹と3人で二条城を訪れたことがあった。黄色いイチョウの葉が絨毯のようにかさなりあっていて、それを手のひらにすくって遊んだ。「あのイチョウはどこにあるのだろう?」ということも、散策しながら母と話し合った。

結論から言うと、わからなかった。イチョウ並木はあるのだけれども、ここではない気がする。写真が残っているから探して持ってくるべきだった。残念。

暑い!

それにしてもこの日は暑かった。30度近くあったようで、しかもこの庭は日陰も木陰も少ない。ぐるっとまわって食堂に入り、ソフトクリームを食べた。700円也。お高い!と思ったものの、①冷房が効いている、②椅子にゆったり座れる、③甘いものを食べられる、のお代と思えば、こんなものかもしれない。

この後、食事をして16時のバスで帰宅。無理してあちこちまわらない。母が「足が痛い」と言い出す前に帰る。鉄則だ。

帰宅後、母が「今度は平安神宮に行く」と言い出した。ええーっと、私は国立博物館でやっている特別展「源氏物語 王朝のかがやき」も見たいし、12月には南座の顔見世にも行きたい。どちらも激混みだろうし、母を連れていくのはちょっと…。

気がつけば、毎月京都に出かけてしまうのでは?と思う今日この頃である。まあ、それも悪くない。

プロフィール
ライター
加藤 デコ氏
ライター、校正のお仕事をやっています。 最近、歌舞伎にハマっています。

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