「ルノワール×セザンヌ―モダンを拓いた2人の巨匠」に行ってきた!
その昔、子どもが絵画教室に通っていた時、先生から言われた印象的な言葉がある。
「黒を多用していても、明るい絵は明るいんですよ」
実際、全くその通りで、子供の気持ちが絵の上で爆発しているようなエネルギッシュな作品を観るのは楽しく、絵というのは本当に「その人」自身が出るものなのだな、と思ったことがある。
さて本展だが、絵画の歴史に名を刻んだ巨匠の二人展ということで、さっそく行ってきた。
とはいえ、このふたりの画家についての知識は恥ずかしながらあまりない。
セザンヌは静物画の人、ルノワールはふっくらした女性の裸婦像の人、というくらいだった。
本展の公式サイトには「職人の息子で社交的なルノワール」「銀行家の家庭に生まれ、人付き合いをあまり好まなかったセザンヌ」とある。
ほぼ同世代で、後世の芸術家たちにもたらした影響が大きいふたりだが、性格は対照的だったようだ。
とはいえ作品のやり取りをしたり、家族ぐるみでの交流もあったらしく、互いの才能を認め合っていたのだなと思う。
本展のポスターに描かれているのはそれぞれの人物画《風景の中の裸婦》と《セザンヌ夫人の肖像》で、これまた対照的な作品だ。
内容の方も、風景画・静物画・肖像画など、ふたりの絵画へのアプローチの違いを対比で見せる構成が面白く、明るく華やかで軽やかな筆致のルノワールと、画面が暗く、空間の歪みや動き、深さの表現が印象的なセザンヌの作品たちをじっくり見入ってしまった(ルノワールといえば、セザンヌといえば、というふたりの代表作もしっかりあって嬉しかった)。
「フランス、パリのオランジュリー美術館が、ルノワールとセザンヌという2人の印象派・ポスト印象派の画家に初めて同時にフォーカスし、企画・監修をした世界巡回展」
本展が日本での唯一の開催とのことなので、貴重な機会をぜひお見逃しなく。
「オランジュリー美術館オルセー美術館 コレクションよりルノワール×セザンヌ―モダンを拓いた2人の巨匠」
