WEB・モバイル2023.07.30

ぬくもりを感じるコミュニケーションを目指すメタバース面会アプリを開発

全国
学校法人 順天堂

~順天堂医院にて運用・臨床研究を開始し、入院中のリモート面会体験をより豊かに~

 

順天堂大学(学長:新井 一)と日本アイ・ビー・エム株式会社(代表取締役社長:山口 明夫、以下日本IBM)は、メタバース上で入院患者さんとの面会ができるメタバース面会アプリ「Medical Meetup(以下 本面会アプリ)」を共同で開発し、2023年7月31日よりアプリストアでの一般配信を開始します。また、翌日2023年8月1日より順天堂大学医学部附属順天堂医院(院長:髙橋 和久、以下 順天堂医院)にて、本面会アプリの運用・臨床研究を開始します。順天堂大学と日本IBMは今後、本面会アプリを、他の医療機関へ展開したり、講演会・遠隔診療などへユースケースを拡張していくことも検討していきます。

 

 

入院されている患者さんにとってご家族や親しい人との面会は、ストレス軽減や癒しを与え、病気に立ち向かう力にも繋がってくるほど重要と言われています。しかし、高度な医療を受けるために入院していると容易に面会ができなかったり、感染症の流行等で面会の制限を受けることもあります。また、身じたくや装いなど面会をすることへの気遣いや遠慮、時間的な制約によって面会がかなわないことも少なくありません。電話やオンライン面会は、このような状況下でも気軽に使えるコミュニケーションツールとして多く利用されていますが、対面のような「ぬくもり」に欠けるところがありました。

 

順天堂大学と日本IBMはこうした状況に対し、2022年に発足したメディカル・メタバース共同研究講座の複数あるテーマの一つとして医療サービスの向上を検討してきました。そしてこの度、患者さんと病院外の方が様々な制限や制約などを乗り越え、実際に対面で会わなくても「ぬくもりのある面会」が実現できるメタバース面会アプリを共同で開発し、一般配信を開始します。

 

本面会アプリでは、患者さんと面会者のアバターがリゾート施設等の非日常空間で会話をしたり、お出かけや乗り物での移動、ハイタッチ等で擬似的に触れ合えるなど、通常の面会の枠を超えた体験を楽しむことができます。また、2023年8月1日より順天堂医院小児医療センターに入院している小児患者さんとご家族がメタバース面会アプリでふれあう機会が増えることでより元気で心穏やかにすごせることを目指した運用・臨床研究を開始します。運用・臨床研究では、ご賛同いただける一定期間以上入院されている小児患者さんとそのご家族を対象に、本面会アプリを実際に使用して評価いただきます。そして、面会をサポートする医療従事者も、本面会アプリの評価を行い、ニーズに添えるように改善も検討していきます。

 

今後は本面会アプリを様々な医療機関へ展開し、国内外の患者さんの面会体験の向上、及び、病気に立ち向かう力を支援する基盤にすることを目指します。また、身近な方との面会のみならず、医療講演会や遠隔診療、国内外コミュニティー広場などの各種医療サービスも提供できるよう、患者さん家族間のみならず医療従事者とのコミュニケーションも含めて活用シーンを広げていくことを検討していきます。

 

以上

 

■ご参考資料:

メタバース面会アプリ「Medical Meetup」の特徴

 

医療機関が監修する、患者さん面会支援メタバースアプリ

点滴を受けている等で腕の動作に制限がある患者さん向けに、アバターを操作するコントローラーの位置を自身でカスタマイズできる機能があるなど、患者さん・医療従事者にとっての使いやすさを考慮してデザインしています。そのため、患者さんがすぐに利用でき、どの施設でも導入しやすくなっています。

 

非日常空間での面会・お出かけが可能

通常の病院の中での面会ではなく、リゾート施設等の非日常空間でよりリラックスした面会が可能です。また、気球などの乗り物に乗ったり、ビーチで動物とふれあうなど、一緒にお出かけをしているような面会体験ができます。

 

アバターを通した、ぬくもりのあるコミュニケーションの実現

音声会話だけでなく、ハイタッチ等の擬似的な触れ合いにより、リモートでもよりぬくもりのあるコミュニケーションが可能になります。また、あえて顔が見えないアバターを通して、より気軽に、遠慮なく自分を表現して会話できるようにしています。

 

アプリケーション基本情報

アプリ名 : Medical Meetup

対応OS:iOS、iPad OS (11.0以降)

対応デバイス : iPhone 8以降、iPad第7世代以降対応

配信開始予定日:2023年7月31日

価格:無料

 

なお、本面会アプリは、複数の利用者同士のコミュニケーションを支援するための環境を提供するものであり、医学的アドバイス、診断、治療、予防などは目的としていません。

 

注釈

※1 アバター:バーチャル空間などにおいて、操作者本人や他の利用者に紐付けられたキャラクターの画像やアイコン、3Dモデルなどのこと。バーチャル空間内で活動できるテクノロジーです。

 

※2 メタバース:現実世界とは異なる3次元の仮想空間(オンライン空間)のこと。バーチャル空間では、アバターを通じ様々な人が自由に活動・交流できます。

 

※3 メディカル・メタバース共同研究講座:2022年4月に順天堂大学内に設立された共同研究講座(講座代表者:順天堂大学医学部長・研究科長服部 信孝)。メタバース技術の活用による時間と距離を超えた新たな医療サービスの研究・開発に取り組んでいます。

本記事に関するお問い合わせ:学校法人 順天堂

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