スペース2022.11.06

新生「原宿クエスト」着工 – 表参道と奥原宿をつなぎ、都市の奥行きをつくりだす –

東京
NTT都市開発株式会社
国内外で活躍するクリエイターが参画
 
NTT都市開発株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長 辻?上 広志)は、多様な文化を生み出し続ける街・原宿の新たなランドマークとして、原宿・表参道エリアを牽引する商業施設「原宿クエスト建替え計画」について、新築工事に着手しましたのでお知らせいたします。なお、竣工は2025年春を予定しております。
( ※参考 2021年8月6日 原宿クエストの閉館について:https://www.nttud.co.jp/news_pdf/topics_210806_001.pdf )

 

新生「原宿クエスト」外観イメージ(表参道側)

  • NTT都市開発の原宿エリアにおける取り組みについて
新生「原宿クエスト」〜ウィズ原宿〜“奥原宿” ※1 ヒューマンスケールの歩いて楽しいエリアに
 2020年、JR原宿駅前の「ウィズ原宿」の開業により、駅前から竹下通りにつながる新しい人の流れを生み出しました。華やかな表通りと迷路のような界隈が残る奥の通りをゆるやかに結ぶこの取り組みは、賑わいと穏やかさが隣り合わせに存在し、さまざまな価値観が交差する原宿の魅力を再確認することとなりました。

 新生「原宿クエスト」はウィズ原宿近くの表参道に面しており、表参道側にはフラッグシップストアを誘致し、世界有数のトレンド発信地としてエリアの価値向上に取り組みます。ウィズ原宿と同様、敷地内に奥原宿へ抜ける路地を設け回遊性を高め、奥原宿周辺の自社保有物件の利活用とともに、原宿ならではの新しい出会いや交流の場を創造し、緑豊かな歩いて楽しい街づくりをしていきたいと考えています。

表参道と奥原宿をつなぎ、個性的な路面店が連なるパサージュ

※1 表参道・竹下通りから内側に入ったエリアを「奥原宿」と表現しています。(敷地周辺地図参照)

 

  • 新生「原宿クエスト」の提供する価値・個性
 新生「原宿クエスト」は、表参道から奥原宿をつなぐことで、都市の奥行きをつくりだし、原宿の新たな魅力を掘り起こす、地上6階・地下1階の7フロアで構成される複合商業施設です。低層棟と高層棟で構成されており、その間には、表参道から奥原宿をつなぐパサージュ(敷地内通路)を計画。各店舗が街との調和を図りながらも独立した路面店として個性豊かな世界観を表現できるよう、原宿ならではの施設をめざします。
 高層棟の上層には、表参道いっぱいに開放されるテラスやルーフトップから明治神宮や代々木公園、表参道のケヤキ並木を望むことができる唯一無二の空間を計画しました。
 また、新生「原宿クエスト」では、「Re: HARAJUKU CULTURE」を施設構成のコンセプトに据え、個性あふれる世界の原宿カルチャーを追求する多様なテナントを誘致していきます。ここにしかないモノ・人・コトとの出会いを創出し、訪れる人々がさまざまなクリエイティブに触れることができる刺激的な商業施設となることをめざします。

表参道・代々木公園を望む開放的な高層階テラス

  • 建築デザイン
 デザインアーキテクトのOMA 重松象平氏は、デュアリティ(二面性)をコンセプトとし、フラッグシップ店舗が並ぶ表参道と、個性豊かな路面店が点在する奥原宿の境界に位置する本計画地の特性を活かした建築形態をデザインしています。表参道側は垂直性と透明性を意識したアイコニックな外観とし、パサージュを抜けた先には、奥原宿のスケール感に合わせた小さな店舗や広場、アートスケープを配置するなど、二面性を持ち合わせた計画としています。          

表参道と奥原宿の個性を体現するコンセプトダイアグラム

 

広場やアートスケープを設えたヒューマンスケールな屋外空間(北西側外観イメージ)

OMA重松象平氏コメント:

 新生「原宿クエスト」は、表参道と奧原宿を繋げ一体化する初めての建築となリます。表参道は、東京には珍しい軸線であり、けやき並木や歩道の広さなどによって都市的アイデンティティが確立された通りです。その大通りに面する建築は、ブランドの旗艦店が多いということもあって自ずと大きくなり、個々のアイデンティティが強調されるようになりました。
 一方、参道の周辺には軸線とは対照的な、有機的でヒューマンスケールの街並みを持った「ヴィレッジ」が存在し、1970年代以降、実際にはそういった小さなストリートで日本の新しいファッションや自由な若者文化が生まれ培われてきました。つまりは、大通りとその周辺のヴィレッジ、そのデュアリティ(二面性)を等価と捉えて一体的に、そして面的に考えていくことがこのエリアの発展には欠かせないのです。
  「原宿クエスト」は、明治神宮、代々木体育館、代々木公園、原宿駅に近く、表参道の中でも公共性の高いエリアにあります。そして同時に、敷地の北側では竹下通りなどがある奧原宿にも面しています。まさに二面性のストーリーを持った建築を計画するには最適な場所です。表参道にしっかりとした商業的な顔を持ち、同時に奧原宿側へと人々を導き、そこで新たなアクティビティを誘発する。まさに表と奥を繋げて、デュアリティを体現する建築をめざしました。 


OMA重松象平氏プロフィール

 

建築家。建築設計集団OMAのパートナーおよびニューヨーク事務所代表。
九州大学大学院人間環境学研究院教授、BeCAT(Built Environment Center with Art & Technology)センター長
1973年福岡県久留米市生まれ。九州大学工学部建築学科卒後オランダに渡り、1998年よりOMAに所属。2006年ニューヨーク事務所代表に就任、2008年よりパートナーとなる。
OMA New York ホームページ:https://www.oma.com/news/oma-new-york-office
 
  • ランドスケープデザイン
 ランドスケープデザインは、株式会社ランドスケープ・プラス 平賀達也氏が担当。表参道と奥原宿をつなぐエントランスからパサージュにかけては、明治神宮から連続した地層を彷彿させる壁面を設えています。さらに、施設の随所に明治神宮の杜やケヤキ並木と呼応するよう緑豊かな植栽を計画し、明治神宮の植生を反映することで原宿の地に馴染み親しまれる、サステイナブルな施設をめざします。

表参道や明治神宮からの連続性を感じられる、緑豊かな空間を形成

  • 次世代アーティストとの取り組み
 新生「原宿クエスト」では、原宿独特のカルチャーやライフスタイルを体現する多様な次世代アーティストたちと共にさまざまな取り組みを展開します。その一環として、このたび、反復された文字によって画面全体を埋め尽くすという、独自のスタイルによる芸術実践を続けるアーティストbaanai氏に原宿を象徴するアート作品を描いていただきました。施設のプロモーションとして、この作品を展開していく予定です。

baanai氏による原宿を象徴するアート作品

baanai氏コメント:
 2017年から毎日休まず、キャンバスに“ARIGATOUGOZAIMASU(ありがとうございます)”という言葉を繰り返し描く芸術実験を行っています。今回の作品は、最初に“ARIGATOUGOZAIMASU HARAJUKU QUEST”という文字でスペースを埋め尽くし、その後、多様性の象徴であるレインボーカラーで塗り重ねたところに、“QUEST”の鏡文字を描きました。こうした重層的な表現は、近年取り組んでいる手法のひとつで、目には見えない波動や想いこそが大事なのではないかという着想から。あえて見えなくすることで、“文字(言葉)”を“想い”に変換することに挑戦しています。最後は、その上に黒を塗って背景をつくり、未来への希望をのせて原宿にふさわしい15の言葉を選びました。歴史と想いを塗り重ねて次世代へつなぐ––––原宿クエストには、これからもそんな本質的な価値を伝える存在であり続けてほしいと思います。


baanai 氏プロフィール

1977年神奈川県藤沢市鵠沼生まれ。2015年にCOMME des GARÇONSの川久保玲氏にポートフォリオを送り、初めて作品が採用されたところからアーティストとしてのキャリアをスタート。その後も多くのブランドに作品が採用され、次々と個展を成功させる。主な個展は「DOUBLE BED GALLERY」六本木蔦屋書店 2F BOOK GALLERY(東京・2020年)、「Capillaries」伊勢丹新宿店メンズ館2階メンズクリエーターズ内 ART UP(東京・2020年)など。近年は代表作「ARIGATOGOZAIMASU」を中心に作品制作を行っている。
 
  • 計画概要

 

※パース等は計画段階のものであり、今後変更の可能性があります。

事業の経緯および今後のスケジュール
2021年10月 旧「原宿クエスト」閉館
2021年11月 解体工事着工
2022年10月 新築工事着工(地下解体工事含む)
2025年春 竣工・開業(予定)

敷地周辺地図

 

原宿駅前の新たなランドマークとして、表参道のケヤキ並木を彩る

原宿クエストについて
1988年、「Quest For The New Standard」をコンセプトに、1985年に閉館したNTTグループの前身である電電公社の総裁公邸跡地に建設された、ファッション、カフェ&レストランほかホールを併設した施設です。
JR原宿駅から徒歩3分の原宿・表参道の玄関口に位置し、海外有力ブランドの本格進出の受け皿として先駆的な役割を担い、その後も時代の要請に応じてテナントの構成を変えながら、新しいニーズを開拓。地域に根づき、原宿の街とともに歩んできました。2021年10月10日の営業をもって閉館した原宿クエストは、2025年、再び原宿の新しい歴史の扉を開きます。

 

電電公社総裁公邸(~1985年)

原宿クエスト(1988年~2021年)

<参考>
OMAについて
OMAは建築・都市計画の分野で活動を展開する国際的な建築設計事務所です。世界各地で実施されるOMAの建築デザインおよびマスタープランは、都市や建築とプログラムとの新しい関係性の可能性を考察すると同時に特殊性をもった形態や意匠の創造を追求しています。OMAは、8人のパートナーが率いており、ロッテルダム、ニューヨーク、香港、のオフィスを拠点に国際的な活動を展開しています。同事務所は創業40年の実績を誇り、現在250人の気鋭のアーキテクト・デザイナー・リサーチャーが在籍しています。

OMA New York
アメリカ大陸および日本における業務を担当するOMA New Yorkは、2001年の設立以来、コーネル大学「ミルスタイン・ホール」(2011年)、マイアミの文化施設「ファエナ・フォーラム」(2016年)、ケベック国立美術館別館「ピエール・ラソンド・パビリオン」(2016年)、サザビーズのニューヨーク本社ビル(2019年)、ロサンゼルスのウィルシャーブールバード寺院別館「オードリー・イルマス・パビリオン」(2021年)、サンフランシスコの高層集合住宅「The Avery」(2019年)、マンハッタンの集合住宅「121 East 22nd Street」(2019)、マイアミの三棟高層集合住宅「パーク・グローブ」(2020年)、福岡のオフィスビル「天神ビジネスセンター」(2021年)など、多岐にわたる数多くの建築を手がけてきました。 
OMA New Yorkはパートナーである重松象平(2006年に就任)に率いられています。この約15年間で同オフィスが携わるプロジェクトの規模、タイポロジー、クライアント層等は多様化し、公共機関、民間デベロッパー、ファッション業界、アメリカの著名アーティストなど幅広いクライアントやコラボレーターと協働しています。
OMA New York ホームページ:https://www.oma.com/news/oma-new-york-office

「ピエール・ラソンド・パビリオン」(2016年) 

「オードリー・イルマス・パビリオン」(2021年)

現在進行中のプロジェクト 
現在OMA New Yorkでは、ボストンのシーポート・イノベーション地区のオフィスビルやニューヨークの生命医科学キャンパスの高層研究施設を始めとする多数のオフィスおよび複合用途のプロジェクトに取り組んでいるほか、ニューヨークのニュー・ミュージアム新館、シカゴのイリノイ州立大学の新しいコンサートホール、マイアミのリーフライン水中彫刻公園など、様々な文化施設のプロジェクトも進行中です。また工事中のプロジェクトとしては、東京虎ノ門ヒルズ駅に直結した超高層複合建築、バッファローのオルブライト・ノックス美術館新館、ニューヨーク五番街ティファニー本店の改装などがあります

オルブライト・ノックス美術館新館

ニュー・ミュージアム新館

本記事に関するお問い合わせ:NTT都市開発株式会社

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