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その他2021.09.30

チームラボの個展がニューヨークのメガギャラリー「ペース」で開催 チームラボが長年追求しているアートコンセプト「超主観空間」による、複数の作品を展示 9月30日から10月31日まで

海外
チームラボ株式会社
アート集団チームラボの個展が、ニューヨークの国際的なメガギャラリー「Pace Gallery(ペース・ギャラリー)」で開催されます。ペースは世界3大メガギャラリーのひとつで、チームラボは2014年より同ギャラリーに所属。この度「teamLab: Life Survives by the Power of Life」(意:生命は生命の力で生きている)と題された個展は、ニューヨークのイースト・ハンプトン支店で9月30日(木)にオープンします。会期は10月31日(日)まで。
 

本展では、チームラボが長年追求している独自のアートコンセプト「超主観空間」による、複数のディスプレイ作品を展示。「超主観空間」とは、一見すると平面的と言われがちな、近代以前の東アジアの古典絵画の空間認識の論理構造を、デジタルという新たな方法論で紐解いたもので、作品空間と鑑賞者がいる空間との間に、境界が生まれず、視点が固定されない”平面”を創り出しています。「超主観空間」で世界を見るならば、自分の身体と自分が見ている空間には境界が生まれないため、自分と世界は境界なく連続したものとして認識できると、チームラボは考えています。

ペース・ギャラリーは、ニューヨーク・チェルシーにある美術館レベルの旗艦店をはじめ、ロンドン、香港、パロアルト、ソウル、ジュネーヴなどに9つのギャラリーを運営している、世界3大メガギャラリーのひとつ。1960年にアーネ・グリムシャーによって設立されて以来、20世紀以降の最も影響力のある現代アーティストや現代アートを扱い、アート界の主要プレーヤーとして拡張を続けています。チームラボは2014年からペース・ギャラリーに所属しています。

展覧会詳細: https://www.teamlab.art/jp/e/pace_easthampton/ 

超主観空間: https://www.teamlab.art/jp/concept/ultrasubjective-space/
 

【展示作品】
生命は生命の力で生きている II / Life Survives by the Power of Life II

teamLab, 2020, Digital Work, 60 min (loop), Source Calligraphy: Sisyu

作品: https://www.teamlab.art/jp/w/lifesurvives/
動画: https://youtu.be/xujFwRHzUKI 

自分と環境は、不二、つまり、二つに見えるが実際は一つであり、切り離せない。分断の反対とは、統合ではなく、二つに見えるものも実際は一つであることに気が付くことかもしれない。
自然の恵みも脅威も、そして文明の恵みも脅威も、連続的でつながっている。どこかに絶対的な悪意があるわけでもなければ、かといって綺麗ごとでもすまされない。わかりやすい解などないし、感情すら整理できないかもしれない。それでも、あらゆる状況においても“生きる”それを全部肯定したい。生命はうつくしい。

生命や生きることを意味する漢字「生」を「空書」で立体的に書いている。「空書」とは、チームラボが設立以来書き続けている空間に書く書のこと。書の墨跡が持つ、深さや速さ、力の強さのようなものを、新たな解釈で空間に立体的に再構築し、チームラボの「超主観空間」によって2次元化している。書は平面と立体との間を行き来する。

レンズや遠近法で切り取った作品空間は、ディスプレイ面の向う側に、作品空間が出現する。つまり、ディスプレイ面が境界となり、鑑賞者が存在する空間と作品空間は、分断してしまう。しかし、「超主観空間」の特徴の1つであるが、「超主観空間」で切り取ったこの作品空間は、ディスプレイ面が境界とならない。この作品空間は、ディスプレイ面を超えて、鑑賞者が存在する空間まで立体的に存在しているかのように認知される。作品空間は、鑑賞者の肉体がある空間と連続する。
 

憑依する炎 / Universe of Fire Particles
teamLab, 2021, Digital Work, Single channel, Continuous Loop

作品: https://www.teamlab.art/jp/ew/universe_fireparticles_monitor

炎は、物質ではなく、燃焼することによって発生する光や熱の現象であり、燃焼と呼ばれる化学反応を見る時の私たちの感覚的な経験である。人々は、感覚的な経験である炎をひとつの物体のように認識し、時にはそこに生命を感じる。

燃焼する気体の分子の動きによって、空間上に線を描く。そして、その線の集合で炎を描いている。その線の集合体を、チームラボが考える「超主観空間」によって平面化し、炎を描いている。

炎は、黒い絶対的な存在によって、形が変化していく。

スマートフォンアプリ《teamLab: FIRE》を持って、この作品の炎に近づくと、あなたのスマートフォンに炎がともり、作品を持ち帰ることができる。その炎を、他の人のアプリ《teamLab: FIRE》に近づけると、炎がつながっていく。自分が最初にもらった炎を、誰かにつなげ、その炎がまた他の誰かにつながっていくことで、炎は、世界中に広がっていく。共有され広がっていく炎群全体、そして、自分から分けて広がっていく炎群が、アプリ内の地図に描かれていく。
 

Impermanent Life, 時空が交差する場所には新たな時空が生まれる / Impermanent Life, at the Confluence of Spacetime New Space and Time is Born
teamLab, 2018, Digital Work, Single channel, Continuous Loop

※参考画像
作品: https://borderless.teamlab.art/ew/impermanent-life-space-and-time/
参考動画: https://youtu.be/PdqzXVJxpRc 

背景では、桜が咲いては散り、生と死を繰り返す。
そして、背景の複数の点から、一定のリズムと特定の間隔で放射状に広がるように円が生まれ大きくなっていく。生まれてくる円は、背景の世界の明暗だけを変える。
 

Gold Waves
teamLab, 2017, Digital Work, 6 channels, Continuous Loop

作品: https://www.teamlab.art/jp/w/goldwaves/
動画: https://youtu.be/jctQLF6CRAs 

コンピューター上の空間で、三次元上の水の動きをシミュレーションし波を構築している。水は、無数の水の粒子の連続体で表現し、粒子間の相互作用を計算している。そして、水の粒子の挙動で線を描き、三次元上の波の表層に線を描いている。そして、立体的に描かれた線の集合を、チームラボが考える「超主観空間」によって平面化し映像作品にしている。

前近代の日本の絵画では、川や海など水は、線の集合として表現されることが多い。そして、その線の集合はまるで生き物かのようにどこか生命感を感じる。前近代の人々らには、実際、古典的な日本の絵画(川や海などで言うならば、まるで生き物のように見える線の集合)のように、世界が見えていたのではないだろうか。

「なぜ、前近代の人々が川や海そのものに生命を感じていたかのようなふるまいをしていたのか?」、そして、「なぜ、彼ら自身も自然の一部であるかのようなふるまいをしていたのか?」という疑問へのヒントが、それらの絵画表現の中にあるように感じる。

もし、ビデオカメラで切り取った本物の波よりも、本作の波の方に、より鑑賞者と作品世界との間に境界線がなくなるような、作品世界に入り込むような感覚、もっと大胆に言えば、その線の集合にすら生命体だと感じ、まるで鑑賞者が波に憑依するかのような体験をするならば、前近代的な日本の「世界の見え方」と、そこから発生する「世界に対するふるまい」とのつながりが見えてくる。

自然とは観察の対象ではなく、「自分自身も自然の一部である」と考えていたかのようなふるまいは、単に、かつての人々の見え方が、川や海のような自然の一部を生命体のように見せ、自然の一部にすら憑依させてしまいやすい見え方だったからではないだろうか。つまり、自然と自分との境界がないような感覚になりやすい見え方だったからではないだろうかと思うのだ。
 

花と人 - A Whole Year per Hour / Flowers and People ‐  A Whole Year per Hour 
teamLab, 2020, Interactive Digital Work, 8 channels, Endless, Sound: Hideaki Takahashi

作品: https://www.teamlab.art/jp/w/flowersandpeople-hour/
参考動画: https://youtu.be/8-PedE3zjZU 

1時間を通して1年間の花々が移り変わっていく。

花々は生まれ、咲き、やがては散り、枯れて死んでいく。花は誕生と死滅を永遠に繰り返し続けていく。人々が作品の前で動くと花はいっせいに散っていくが、じっとしていると花はより多く生まれ咲き渡っていく。

作品は、コンピュータプログラムによってリアルタイムで描かれ続けている。あらかじめ記録された映像を再生しているわけではない。全体として以前の状態が複製されることなく、人々のふるまいの影響を受けながら、永遠に変化し続ける。今この瞬間の絵は二度と見ることができない。

春、国東半島に訪れた際、山の中の桜やふもとの菜の花を見ているうちに、どこまでが人が植えたものなのか、どこまでが自生している花々なのか疑問に思った。そこは多くの花に溢れ、非常に心地よい場所だった。そして、その自然が、人の営みの影響を受けた生態系であることを感じさせる。どこまでが自然で、どこからが人為的なのか、境界が極めてあいまいなのだ。つまり、自然と人間は対立した概念ではなく、心地良い自然とは、人の営みも含んだ生態系なのであろう。そして、近代とは違った、自然に対して、人間が把握したり、コントロールしたりできないという前提の自然のルールに寄り添った人の長い営みこそが、この心地良い自然をつくったのではないだろうか。その谷間の人里には、以前の自然と人との関係が、ほのかに残っているように感じられ、コントロールできないという前提の下での、自然への人為とはどのようなものなのか、模索したいと思う。
 

【開催概要】
teamLab: Life Survives by the Power of Life

https://www.teamlab.art/jp/e/pace_easthampton/
#teamLab #チームラボ

会期: 2021年9月30日(木) - 10月31日(日)
会場: ペース・ギャラリー (68 Park Place, East Hampton, NY)
時間: 火曜日 - 土曜日 11:00 - 18:00/日曜日 12:00 - 17:00
休み: 月曜日
入場料: 無料
 

【チームラボ】
アートコレクティブ。2001年から活動を開始。集団的創造によって、アート、サイエンス、テクノロジー、そして自然界の交差点を模索している国際的な学際的集団。アーティスト、プログラマ、エンジニア、CGアニメーター、数学者、建築家など、様々な分野のスペシャリストから構成されている。

チームラボは、アートによって、自分と世界との関係と新たな認識を模索したいと思っている。人は、認識するために世界を切り分けて、境界のある独立したものとして捉えてしまう。その認識の境界、そして、自分と世界との間にある境界、時間の連続性に対する認知の境界などを超えることを模索している。全ては、長い長い時の、境界のない連続性の上に危うく奇跡的に存在する。

ニューヨーク、ロンドン、パリ、シンガポール、シリコンバレー、北京、台北、メルボルンなど世界各地で常設展およびアート展を開催。東京・お台場に《地図のないミュージアム》「チームラボボーダレス」を開館。2022年末まで東京・豊洲に《水に入るミュージアムと花と一体化する庭園》「チームラボ プラネッツ」開催中。2019年上海・黄浦濱江に新ミュージアム「teamLab Borderless Shanghai」を開館。2020年6月にマカオに常設展「teamLab SuperNature Macao」ソフトオープン。2021年7月16日から九州・武雄温泉・御船山楽園にて「ボルボ チームラボ かみさまがすまう森」開催。

チームラボの作品は、ロサンゼルス現代美術館(ロサンゼルス)、ニュー・サウス・ウェールズ州立美術館(シドニー)、南オーストラリア州立美術館(アデレード)、サンフランシスコ・アジア美術館(サンフランシスコ)、アジア・ソサエティ(ニューヨーク)、ボルサン・コンテンポラリー・アート・コレクション(イスタンブール)、ビクトリア国立美術館(メルボルン)、アモス・レックス(ヘルシンキ)に収蔵されている。

teamLab is represented by Pace Gallery, Martin Browne Contemporary and Ikkan Art.

チームラボ: https://www.teamlab.art/jp/
Instagram: https://instagram.com/teamlab/
Facebook: https://www.facebook.com/teamLab.inc
Twitter: https://twitter.com/teamLab_news
YouTube: https://www.youtube.com/c/teamLabART
本記事に関するお問い合わせ:チームラボ株式会社

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